安全登山のために
        No,63

 

限りなく安全に近い登山      孝枝T

絶対はこの世には存在しないので、知識と技術、経験を生かすことによって正しい判断をして、限りなく安全に近づけるという意味合いです。(小説 限りなく透明に近いブルーのもじりですが)

 

会に入る前の登山といえば、気になった山をネットや本でさっくり調べて登山口までのアクセスや登山ルート、山小屋の名前を覚える。早朝からホイホイ登る。正午までには登頂して4時までに下山、温泉、おいしいものを食べてのんびり、遅くになって帰る。という手順でした。

根底には「行けばなんとかなるし、何かあれば来た道を帰ればいい」という、探検旅行気分がありました。

改めて思うと、今まで大きな怪我も無く、心底寒い思いもしたことも無かったのは運がよかっただけ、です。

会に入って、過去の事故の例を見聞きするようになると、「天候とはなにか」「計画とは」「自分の能力」「コースタイム」を考えるようになりました。

 

昨今はブームもあってのことか、登山がとてもとっつきやすくなっています。

多くの方が以前の私のような気持ちで山に入っていると思います。

登山を始めてみた!自然がいっぱい!こんな所まで来ちゃった!かわいい服買っちゃった!と、たのしいワードが並びますが、ここに「安全」の意識はとっても薄いのです。

まずはわくわくする方に、上に、もっと上に。楽しいほうに。

天候と運に恵まれて得た経験は「自分は大丈夫」という根拠のない自信がついてきます。

 

立ち止まって、自分に出来ること、出来ないこと、を考えるようになるというのが、安全への第一歩ではないでしょうか。

そして「出来ないから行かない」ではなくて、「挑戦してみたい」に変えていくことができたら、また次の登山の面白さが見えてくるように思います。

 

挑戦の時期は人それぞれと捉え、からだの声を聞きながら自分のレベルに合った登山を続けていくこと。知識や見聞を広めていろんな人と意見を交わすこと。

そうすることで、安全に近づく良い登山ができるようになると思います。