“○○○かもしれない”
安全登山ってなんだろう? 光K
結果で考えると“安全に登って、安全に下山すること”。
個人的な考えでは、登山が野球やサッカー・ゴルフと同じでスポーツ・趣味であるならば“気をつけてね”と言われて送り出されるのではなく“いってらっしゃい”と送り出されるようになることだと思っている。
例えば、ゴルフに行く時、“気をつけてね”とは送り出されない。“お土産待ってるね“と言われることはあるが・・・。“気をつけてね“と言われるにはイメージもあると思う。大きな山岳事故が発生すると新聞・テレビで大々的に報道され、登山=危険といった負のイメージを持たざるを得ない。では、登山ってどのぐらい危険なんだろう???
毎年9月上旬頃に警察庁より発表される水難・山岳遭難発生状況を調べると、
H24年の場合、次のような結果であった。
上表より水難の方が事故発生件数も死亡者数も多いため、水遊びの方が危険と思えてくるが、行為者数(水遊びに行く人や登山する人の数)が不明であるため単純比較はできない。水遊びをしたか?登山をしたか?と質問したら感覚的に水遊びをした人の方が圧倒的に多いのではないかと思う。仮に水遊びの人数が山の10倍と仮定すると山岳遭難発生率は10倍になる。つまり、水遊びと比較して登山は事故に遭いやすいことになる。
ちなみに、労山の2010年の事故発生率は1.5%(事故数/会員数=303/20436)、死亡率2.6%(死亡者数/事故数=8/303)である。100回登山に行くと1、2回事故に遭い、3800回行くと1回死亡することになる。その死亡1回が次の登山になるかもしれない。
“いってらっしゃい”と言われるためにはどうするのか?
それは安全に登って安全に下山することを続けることしかないと思う。そのためには、計画書を作る、地図を読めるようになる、体力・技術をつける…手段は色々だと思うが、一番大切なことは事故に遭う“かもしれない”と思うことだと思う。滑落するかもしれないと思うから慎重に歩いたり確保したりする。道に迷うかもしれないと思うからルートを下調べする、地図で現在地を把握する。“○○○かもしれない“と思うことで先手が打て、トラブル時には焦らずに対応できる。その結果、何事もなかったかのように安全に登山することができるのではないだろうか?
“これぐらいなら大丈夫“を”かもしれない“と思い直して安全登山を続けていきたい。
参考資料
・ 平成24年夏期における水難・山岳遭難発生状況について 警察庁生活安全局地域課
・ 第8回山岳遭難事故調査報告書 日本山岳協会