内緒にしておきたかった痛い体験 きよT
山に出かける前はいつも緊張です。
若いころから山に親しんでいた訳ではないので技術も知識も薄い事を自覚しているからです。
この原稿依頼がなかったら、ずっと内緒にしておきたいと思っていた恥ずかしい経験を暴露することにします。山の会に入会する以前の出来ごとです。本当に何気ないなかに危険が潜んでいることを身をもって味わったのです。
仲間6名である山に出かけた時、念願の頂上にも立てたし、お天気にも恵まれ、景色も最高、(ルンルン)気分ですね。
メンバーも良く、楽しくて楽しくって、お喋りに花を咲かせて。そんな時、何気なく歩いていた私の左足が心なしか下がったのです。アレって思った瞬間、背中のザックが左に揺れ体をフアっと連れていったのです。何がどおした?と感じてる間に一回転、又一回転。気が付いたら下に転がり落ちたのです。幸い(後で思えばゾっとしましたが、本当に場所が良く救われました)路肩は手を伸ばせば掛るし、足元もしっかりしてるし大事には至りませんでした。しかし、いざ上がろうとしたら、転がった時クッションになった熊笹で足はツルツル、背中のザックで体は思うように動けなくさすがに慌てて冷や汗が出てきました。最後は仲間がロープを使い助けて下さり事なきを得て無事下山できました。
その直後、偶然テレビで滑落事故を取り上げた番組を見たのですが、私と良く似たケースで大事故につながってました。
安全登山のために、恥ずかしくも痛い体験を体で覚えた私にとって、山はいつも危険と隣り合わせ、己の度量をわきまえて、決して無理をしない。そして、楽しめる範囲内の山に挑戦していきたいですね。