安全登山のために
        No,42

 

「思想」・「手順」・「歯止め策」

細江 保夫

「登山は危ないから絶対にやってはいけないもの」と母親から言い聞かせられて育った。と、新人紹介原稿の時に書いた覚えがある。

 母親は、山なんぞやられて、遭難でもされたら大変なことになると思い、必死になって子供を諭したんだと思う。が、今の自分は山をやっている「親心子知らず」とはよく言ったものだ・・・・!

 そんなことからつらつら思うに、安全登山とは確実に間違いなく帰ってくることができることだと思う。そして両親・家族・恋人・友達・会員の皆様に心配をかけないことだ。じゃーどうやったらいいんだろうと考えるが、今先輩たちから伝承されている一つ一つをしっかり受け止め、自分のものにすることかなー??。

計画書の作成から始まって、実践があり、そして反省して次に生かす。よく考えると、会社で先輩たちから伝承されたキーワードと同じなのかもしれない。

「思想」・「手順」・「歯止め策」ある仕事を始める前に、どうしてこれをやるのか、なんのためにやるのか、その考えを造る必要があるが、これが「思想」。どうやって具体的に進めるのかが「手順」。万が一に起こるであろうリスクを前もって考え、それが起こらないように備えておく、また、それが起こった時のために備えておくのが「歯止め策」。

 登山も、何のためには、人それぞれだが、夏山か冬山ではその考えが大きく違い、また一般登山道を行くのか、岩をやるのかでも大きく違う。当然その手順、方法、装備は全然違うし、万が一の対応内容も違ってくる。仕事でも、上記キーワードの一つでも手を抜くとトラブルにあう、特に歯止め策を事前に講じていなかった場合は、とんでもないことになる。

 歯止め策は、ある状態が数値的にここまできたら、止めるとか、中止するとかいった数値により判断基準を明確にすることだ。さらに、数値にはできないが、こんな状態になりつつあったら此方へ変更するとか、中止するなどといったことだ。

 思想と手順は自分のやりたいことを、やり通すための知識だったり、経験・体力がないととても構築できない。そして、前もって思想・手順・歯止め策を自分一人できちっと業務手順書として作成できないひとは、実践でも何もできす、人の指示に従って動くだけになってしまう。

 登山も仕事も一人ではリスクが多すぎるが、万が一の時は一人でも対応できるようにしておくことが、大切だと思う。でも仕事と全く違う事は、自分が本当にしたいことをしてることだね!! 

それではみなさんご安全に!!          以上