安全登山のために
        No,28

 

 

マリE

無事に帰ることが「安全登山」といわれる。私は、安全登山の基本的な構えとして「ゆとりのある山行」に心掛けている。安全に登って無事に帰れるよう、計画書に沿って下準備する段階からゆとりを持って取り組みたいと考えている。

ゆとりが無く下調べが十分出来なかったり、家事や仕事がおざなりになったりした場合、山行中も何故か不安になり気がめいる事がある。そのあげくバテるのではないか!役割はちゃんと果たせるだろうか!事故を起すのではなどと不安が不安を呼んでしまう。そして、それに気付かれまいと焦ってしまう。その為にも、不安を極力山に持ち込まないようにしたいと思っている。

当たり前の事だが、コースの確認を行いイメージトレーニングする。地図、ガイドブック、ネット検索、もみのきの記録などに目を通す。「ヨシ!」と思った時点から山行が待ちどうしくて仕方なくなる。ロープの結び方も「ヨシ!」と納得できるまで予行練習する。体調を整えること。冷たい水や乳製品・果物などで下痢傾向になるため排泄管理は重要でいつも整腸剤(正露丸が良く効く)が欠かせない。バテてメンバーに迷惑を掛けるのではないかと言う不安は、心身ともにエネルギーを奪う。事前のトレーニングはもちろんだが、私は小さめなレモン一個をザックの上蓋に入れている。以前、夏合宿でこのレモンに助けられた事があり持っているだけで安心できる(お守り?)。ケガなどの事故を想定して、三角巾・副木固定の方法などは再確認してから出かけている。真水500mlも必ず持参している。気象については、ネットでピンポイント天気予報を確認(降水率と気温など)して衣類の選択をしている。

当たり前な事だが、絶対に忘れ物をしないよう計画表に沿って一つ一つ点検した時点でチェックを入れ「ヨシ!」と言いながらパッキングし重量も測っておく。後まわしにすることは忘れる元凶となるため、前日夜にはザック・靴・帽子など全てを玄関に出しておく。その方が例え就寝が遅くなっても熟睡できる。出掛けるときにはガス・電気・戸締りは「ヨシ!」と声だし指差し確認を行っている。そして集合時間を守ることも大切である。以前、時間ギリギリに集合した時、車の施錠した記憶がまったく無く山行中ズッと気になった事が有る。

不安は事故につながると思う。漫然とした安心は却って危険の可能性はあるが、信念に基づいた安心は安全に繋がると思う。備えあれば憂いなしではないが、準備の段階からゆとりを持って「安全登山」に望みたいと思っている。