北ア 剣岳北方稜線  僧ヶ岳 ・毛勝山

 

 

期日:2015・9・19(土)〜9・21(月)

目的:剣岳北方稜線をトレースする

ルート:宇奈月温泉〜僧ヶ岳〜片貝山荘〜毛勝山〜猫又山〜ブナクラ〜馬場島

メンバー:  新海時生(単独)

記録:

9・19(土)

2:40 半田 発

6:40 宇奈月温泉 着 途中から雨、今はパラパラ。

コンビニで稲荷寿司買って朝食

7:15 平和公園 着

        宇奈月から林道4km。スキー場の上にある公園。でかい観音像あり。

7:35 公園 発 小雨、カッパ着て出る

8:05 林道の第1登山口

8:40 少し上でいきなりルートミス。

       (タイムロス20分)もう1度林道に出るとサルが群れでいっぱい。

すぐまた登山道に入る

9:25 休憩少し手前に標高800mの標識。

まだ1000mある。カッパ脱ぐ、暑い。

10:00 もう1度林道に出る。林道の展望台。すぐ向かいに後ろ立山連峰が並ぶが、まだ山の上は雲がかかる。5分ほどでまた登山道に入る。

11:30 休憩

小さいピーク2〜3越え、道脇に小さな池がポツポツ。雨もまたポツポツ

11:50 分岐(烏帽子ルート)

12:50 南僧ヶ岳

13:20 僧ヶ岳 着

        少し陽は照ったりするがガスで展望は無い。がっかり。

さすがに北国のせいかナナカマド身は真っ赤。葉も少し色づいている。

誰もおらず、静か。

14:20 成谷(ナルタン)山

15:10 休憩 伊折山からは急傾斜の下りが続く。

 残置ロープ多数。木も岩も濡れているので大変。

16:00 片貝山荘登山口 着

       最後まで急な下りが続き、足ガクガク。山荘宿泊者らしい人数人に合う。

       阿部木谷へ林道を数分上がり、毛勝の登山口を確認して近くの林道脇にテント設営。堰堤近くで水の音がうるさい。

       夕食、つまみと共にビール飲み、あとはラーメンだけ。その後疲れてすぐウトウト。9時頃目が覚め、しばらく寝付けないので なけなしのビールもう1本飲んでしまう。

 

9月20日(日)

4:00 起床 パン半分かじる。 星空

5:25 出発 

暗い内に3〜4Pa登っていったがやっと明るくなる。晴天がうれしい

6:45 休憩

       取付きから4〜50分思いっきり急登が続く。少し緩くなった後も樹林帯の中をひたすら登る。

8:05 休憩

       今日は僧ヶ岳が輝いている。ザックに詰めてきた3.5ℓの水のせいか、昨日の疲れ残りか、もう体キツい。

10:05 モモアセ池 ペース上がらず、ボチボチ。

12:15 毛勝山 着 久々にひどいマジバテ。やっとの思いでたどり着く。

まだ晴れているが、ガスが出てきて剣が出たり隠れたりしている。

ゆっくり休む(〜:40)

14:00頃 休憩

        予想はしていたものの想像以上に厳しい。道がないどころか、踏み跡さえもほとんどない。稜線上はブッシュでほぼ通行不可能。主に草付きやザレた斜面をトラバースしていく。それでも所々ブッシュ帯は斜面にも張り出しており、それを下って巻くか、突っ込むか判断しながら進む。一度覚悟を決めてハイ松と熊笹の中に突入したが思いっきり死ぬ思いをする。どうにか南峰は越えた。

15:00 休憩 釜谷山少し手前

       たまに薄い踏み跡見つけるが、すぐに消える。草もガレも濡れており、よくすべるし危険個所も多い。もう一度ブッシュ帯突破。そろそろビバーク地点探さないといけないのだが・・

15:50 釜谷(かまたん)山の南、少し下がって二重山稜になっている所。

       平坦になっている草地を見つけやっとたどり着くと見事にきれいなテン場

      (1張分)発見。整地もせずにテントが張れうれしい。ライチョウも発見。

       一休みした後テント張って入り込む。とても疲れて食欲無し。取りあえずシュラフに入って横になる。思いのほか寒く、少しウトウトしただけ。7時頃起き出し、そば1杯作って食べる(もうビールも無い、悲しい)。コーヒーでも入れようと思うが億劫でする気になれず、グズグズしながらまた寝る。

9月21日(月)

4:00 起床 ガス濃い。朝食にパン少しかじる。

相変わらずコーヒー1杯入れる気にならず。

5:30 出発

       明るくなるのを待って出るが、初めのルート探しに15分ほどウロウロ。2重山稜の間にあるルンゼに踏み跡見つけ、しばらく下っていくと反対方向から来る登山者に会う(今朝猫又から来たという)。その後は昨日と打って変わり、踏み跡が割とハッキリした所が多くなり、ブッシュの中も通れる所が出てくる。

7:20 休憩

       昨日に比べれば猫又山まで割と順調に進むが、その先で進む方向誤り、少し戻る。まだガスは濃く晴れる気配なし。ブナクラへの下りルートやっと見つける。

8:30 休憩

       猫又からは一般登山道になるのだが、腰ほどのクマザサに覆われうっとおしい下りが続く。陽が射して暑くなる。

9:15 ブナクラ峠

       天気は良くなってきたが剣はまだ顔出さず。このまま予定通り赤タン方面に進んでも今日中には池の平までたどり着けない可能性が大きく、稜線でもう1泊となると水の補給をしなくてはいけなくなる(水汲みにブナクラ下るのも大変)。体もこの2日で相当へばっているので、ここよりブナクラ谷を下って馬場島へ撤退(敗退?)を決める。残念だが仕方がない。 登ってくる登山者結構多い(猫又ピストンらしい)。

12:30 休憩

       沢に合流。途中2度もすっころんだので(足も相当よれているようだ)その後うんとゆっくり下る。

12:30 休憩

       沢筋の後、樹林帯の高巻きを終えると沢に降り2本渡る。この少し下から林道になっている。

13:40 馬場島(小屋) 着

       あちこちの駐車場は車があふれている。剣はさぞかし賑わっているんだろう。山荘に入りタクシーの手配などを聞いていると近くにいたお兄ちゃんがちょうど帰るところなので送ってあげると言う。

地獄に仏!ありがたくお世話になる。

14:10 上市駅 着

       福島の平泉から来た35歳のお兄さんは1980年、同い年生まれの

ポルシェ(35歳なのにピカピカ、シャコタン、あざやかブルー。レースにも出るらしい)を運転。素朴だがかっこよかった。これから京都までひとっ走りだそうだ。(タクシー代8千円の半分をガソリン代に提供させてもらった)ありがとう!!

14:18 上市駅 発

15:10 宇奈月温泉駅 着

       タクシー呼んで上の公園まで車の回収に行く。教えてもらった町から10分ほどの日帰り温泉施設に行き、入浴。(黒部川沿い、向かいにトロッコが走る)

17:30頃 宇奈月温泉 発

22:30頃 半田着

北方稜線(途中撤退)

             新海時生

 初のシルバーウィークとやらで5連休。この際ですから4〜5日かけた縦走を考えていました。この会に入ってから3日以上の山行をしていません。パーティでは難しいのでソロ。いくつかの候補の中で最後に決めたのが剣の北方稜線です。2年前に剣〜池の平をやっています。去年の岳人に掲載された「岳人100ルート」の001番が北方稜線ですがそこには「近頃、剣〜池の平という一部をトレースして北方稜線をやったと思っているものが多いが、僧ヶ岳、少なくとも毛勝山から辿って初めて北方稜線と言える・・・」とあります。北アルプスの北端、剣から眺めてもはるか遠くに浮かぶ山々です。入山はほとんど残雪期がメインで、この時期トレースしようにも道がない(一部あります)。ブッシュがひどく人もほとんど入らないのだがゴールデンウイークを使ってやろうと思ってもたぶん一週間くらいはかかる(無理!)。色々頭を悩ませた結果、僧〜毛勝間はこの時期無理っぽいので、僧ヶ岳に登った後、反対側に一度下り、あらためて毛勝山に登り返す(これはこれで大変ですが)。そこから池の平まで稜線をトレースする。そこから黒部川の下の廊下へ下れば登山口の宇奈月に帰れる…というルートを考えました。日数は4〜5日。もちろんいろいろ問題はあります。この時期稜線上に水はありませんし、ブッシュや危険個所も多い。それでもなかなか魅力的なルートで挑戦する気になりました。

 1日目の僧ヶ岳は半日雨に降られましたがほぼ予定通り。2日目が大変でした。予定ではブナクラ峠、悪くても猫又山まで行ってテン泊だったのですが、毛勝の登りがきつかった(1人でテン泊の上、水3.5ℓの歩荷はこたえました)上、その先の稜線は予想以上にブッシュがひどく、踏み跡さえもほとんどありません。猫又までもたどり着けず、手前の釜谷山がやっとというありさまでした。翌日、池の平まで、1日では着きそうにありません。赤タンから先は未知の領域ですし、稜線でもう1泊するには水が足りません。体はもうヨレヨレです。残念ながらブナクラから馬場島へトボトボと降りる他選択肢はなかったのです。体はあっちで転び、こっちで滑り、ブッシュの中を這いずり回り傷だらけです。最後には立木に頭をぶつけ流血騒ぎまでありました。そしてヘトヘトです。疲れて食事も満足に取れませんでした。以前、走るようにして登った赤タン山に天にそびえる様な威圧感を感じ、体にもうエネルギーが残っていないのを思い知らされました。歳のせいでしょうか?計画が甘かったでしょうか?

でもまぁ、気になっていた北の2山に登れた事、チャレンジが出来た事は満足してもいいのかな。

 北方稜線のトレースは赤タン〜池の平間を残す事となりましたが、次があるならやっぱり残雪期に行きたいものです。あの「歌」に歌われた赤タン尾根を登って剣を目指す。やれるかなぁ?・・・無理っぽいなぁ。

(最後に注: 概念図の北マークが反対向いています。)