2013.1.19〜20/氷雪技術講習会実技
中ア・御岳 田の原周辺
半田ファミリーからは11人
「イグルー作り」(2013.1.19氷雪技術講習会実技/御岳田の原周辺にて)
ちゃんと話を… 洞 井 孝 雄
悪天のために延期した氷雪技術講習会の実技を1月19・20日に実施した。受講生13名、コーチ、スタッフ9名、あわせて22名の大所帯だったのだが、そのうち11名は半田ファミリーの会員が占めるという事態になっていたので、他の会には申し訳ないがウチの会のために氷雪技術講習会を開いてもらったようなものだ。他の会からの参加が少ないのは、それぞれの会の取り組みの問題なので、「悪いね」くらいの意識しかないのだけれど、わが会にとっては儲けものであった。
実技に参加した受講生で入れ替わりがあったのは2名。コーチ、スタッフの何人かが抜けたので、新年早々、その手当てで苦労したが、快く「私でよければ…」と、都合をつけてくれた仲間たちのおかげで、実技本番にこぎつけることができた。
山域は御岳。講習のフィールドは田の原周辺。あとは積雪の状態と天候次第。昨年は運行中止になって存続が危ぶまれた田の原のスキー場だが、北海道の資本が入って「おんたけ2240」というスキー場として再生。ゴンドラリフトの運行も再開、ということで、千畳敷よりは確実に雪のある場所に近づける、という理由で、千畳敷から山域を代えた。何よりも田の原からの御岳は30数年にわたってなじんでいる山域なので、使い勝手もいい。
18日の夜、県連の事務所で装備のチェックと確認を済ませて仮眠。
19日早朝、王滝村から八海山へ。田の原へは、ゴンドラリフトを使うことにした。受講生の感想を聞いていると、帰りもゴンドラリフトに乗れる、と思っていた連中が多いようだが、そもそも、田の原までだって、今までは歩いて登っていたのだ。「片道切符だぞ」と断って、チケットを渡したのに、こいつら、人の話をちゃんと聞いとらんナ。まだまだ愛知県連の登山学校をはじめ講習会をナメとるんとちがうか!
天候は晴れ。上空は青空だが、田の原から御岳山頂部にかけての部分だけすっぽりと雲で覆われている。
テント設営後、あずまや周辺で、スコップを使ってブロックを切り出してイグルー作り。次いで場所を変えてザイルを使ってのスタンディング・アイス・アックス・ビレイ、雪面にトレンチを掘って雪層の観察、埋没体験などをおこなった。この日はこれで終わり。
二日目は快晴。田の原から上部に向けて出発。8合目下部のアカッパゲの斜面で、滑落停止などの訓練をおこなおうと考えていたのだが、のっぺりと雪がついていて、斜度も思ったより緩いので、さらに上の金剛童子まで登った。休憩後、アイゼンをつけて直上、斜登下降、トラバースなど、固くクラストした周囲の雪面や岩とのミックス帯をパーティーごとに歩かせ、雪の質の違いを体感させた。ついで、斜面を使って、滑落の自己停止の基本動作を練習したあと、リミットを決めて、王滝頂上へ向かった。よく晴れていたが、ときおり吹き降ろしてくる風は強く冷たい。
9合目の直下で時間切れになって引き返した。8合目、金剛童子、アカッパゲ、そして大江大神の鳥居をくぐる。御岳は雲ひとつない青空の下に全容を現している。すぐに撤収、下山を開始。強風でゴンドラリフトは運行停止。そのままゲレンデの脇を歩いて下山した。
初日、出発前にオーバーズボンが見当たらず、周囲を慌てさせた会員、テント内で少々、お神酒が過ぎて顰蹙をかったり、コーチ、スタッフから指摘をうけた会員、二日目にバテ気味だった会員や下山時に体調を崩した会員、母数が多いだけに問題点も少なくはない。ちょっと恥ずかしい。でも、会員はそれぞれに課題をみつけたことだろうと思いたい。
この講習会を起点に、今後に期待したい。
参加者のひとこと雪崩体験 光 K1月19〜20日、御嶽山で開催された県連の氷雪技術講習会実技に参加してきました。実技の内容はイグルー作成、雪上歩行訓練(ワカン、アイゼン、ツボ足)、ピッケルを使った確保訓練、雪崩体験、滑落停止、厳冬期テント生活と充実した2日間となりました。
特に雪崩体験は雪崩に巻き込まれて雪の中に埋もれた状況を想定したもので、実際に雪に埋められる体験をしました。ツエルトで包まれ無線を持ち横ばいで口の周りに空間を確保した雪崩に巻き込まれたにしては最高のコンディションで埋められました。しかし、穴に横たわって雪をかけられ次第に埋められていくと、そんな最高のコンディションにもかかわらず一気に恐怖が襲ってきました・・・暗闇の中でほとんど身動きは取れず何もできない・・・冷たいことよりも暗闇の中で動くことができないことがこんなにも恐ろしいのかと・・・無線が無かったらおそらく叫んでいただろう・・・そんな恐怖が身に染みてきて、すぐに呼吸が荒くなり空気がどんどん減っていく・・・息苦しくなってきた・・・もう無理・・・無線に呼びかけ助け出してもらったが、実際は数分しか埋まっていない・・・これが本当の雪崩だったらと思うとゾッとする・・・助かる気が全くしない・・・
今改めて思うことは、実際の登山で雪崩に遭わないようにするために知識、スキルをしっかりと身につけ、安全を確保して冬山には臨まないといけないと強く思う。
勉強づくし 聖 H氷雪技術の日にちが変わった事により、食担に・・・実技4日前の決定に、まずは、そこから私の氷雪技術の実技がスタートしました。まず、先輩や、一緒に参加する仲間に色々とリサーチをしながら、ネットを見たりして、メニューを決めて、食材の買い出し。一番困ったのが、量とパッキングの方法でした。野菜は、カットして、袋に詰めた後に、新聞紙で包みました。肉は、出発直前に冷蔵庫から出し、袋に詰めて、新聞紙に包んだ後に、更にジップロックへ。夕食時に、明けた時に、何とか凍らずにいたので、今回は、パッキングに成功しましたが、問題は量でした。最終的に、未調理の御飯と、野菜を少し残してしまいました。また、鍋の手順にも少し難あり。パーティーの皆さんが、頑張って食べてくれたので、食事の食べ残しはありませんでしたが、量と調理手順に課題が残りました。
技術講習では、色々な事が学べて、寒さも忘れて、夢中になって、取り組むことが出来ました。何より、他の会の方とパーティーを組むことにより、他の会の方のテントの中での過ごし方や、荷物のパッキング方法等、色々な話が聞けて、とても勉強になりました。また、雪を歩く時の歩き方。自分では、全く意識をしていませんでしたが、私は、後ろ足を蹴って、歩いているようで、リーダーの三嶋さんが、指摘をしてくれて、途中で歩く順番を変えて、前を歩いて頂き、直接、目で見て分かるように指導して頂けました。1日足らずで治ったかというと、微妙ですが、教えていただいた、足の運びをしっかりと頭に置いて、これからの山行で生かしたいと思いました。
2日間、とても天気がよく、実りのある氷雪技術の実技となりました。
雪の重み 智 H 御嶽山・田の原は一日目時折小雪が舞ったもののまずまずの天気、二日目は晴天の下での氷雪技術実技となった。
イグルー作りから始まる。スノースコッツプ・スノーソーで雪をブロック状に切りそれを積み上げて作る。完成したイグルーの中は暖かかった。しかし、切った雪のブロックがこんなに重いとは、、 その後、救助者を引き上げるスタンディングアックスビレイ(肩確保)を学び、雪崩体験として、実際に雪に埋もれたが無線機を持っていなかったらやりたくない体験だ。雪の重さと酸欠で命の危険をヒシヒシ感じた。雪崩には絶対遭遇したくないものだ
滑落停止法では労山・岳連方式をそれぞれ何回も練習した。雪面の状態・滑落時の体勢により状況判断し、とにかくすばやく停止することが大事である。その前に滑落しないようにしなくては。雪山は厳しい自然環境の中での行動であり、知識・技術・そしてなにより体力である。
今回、下山途中で体力不足の為皆に迷惑をかけてしまった。山での体調不良は命にかかわることなので自分の力量を自覚し、不安のないようにしたい。
また、初雪山でのテント生活―竹ペグを使ってのテント設営、雪を溶かして水を作る、衣服調整等、経験者のアドバイスはありがたかった。
今回の氷雪技術実習は学ぶべき点が多く内容の濃い実習で、よい体験となった。コーチ・スタッフ・メンバーの方々ありがとうございました。
<日程>1月19日(土)〜20日(日)晴れ時々雪<山行目的>冬山の基礎技術と安全に行動する知識・技術の習得<山 域> 御嶽2240スキー場上部田の原周辺 <メンバー> コーチ:洞井孝雄受講生:半田ファミリーのメンバーは11名
<記録>
1/18(土)
4:30 県連事務所発
8:00 御嶽ロープウェイP着
8:40 ゴンドラ乗り場へ
9:00 田の原着 テント設営
10:00 テント場発
10:20 東屋。イグルー作り
11:30 イグルー完成
11:50〜12:00 休憩
12:18 わかんを装着して出発
12:32 奥社斜面で、確保訓練
13:45 雪層観察
14:10〜15:10 埋没体験(光K、拍S、智H、三O)
15:20 テント場着
19:45 就寝
1/19(日)
5:15 起床
6:30 テント場発
7:08〜15 休憩
7:38〜45 アカッパゲで休憩
8:18 8合目金剛童子で休憩。アイゼンを装着。
8:35 周辺を登下降してアイゼンワーク
9:07 滑落の自己停止訓練
9:30 休憩
9:40 王滝頂上方面に向けて出発
10:23〜30 休憩
11:00 下山リミット。引き返す
11:02〜12 休憩
12:06 テント場着 テント撤収
13:05 下山開始
14:06 ロープウェイP着(記録:聖S)