木曽 御嶽山(3067m)
<7合目大江権現の鳥居で記念撮影>
<雪洞作り開始、黙々と掘り続ける>
<天井・壁・床を綺麗に均して終了>
〈日 程〉2013.02.23(土)晴れ〜24(日)雪
〈ルート〉田ノ原〜御嶽山9合目ピストン
〈メンバー〉L: 齊藤 伸一 他 4名
(記 録〉
2/23
5:00 阿久比役場発 お天気は上々。
8:40 おんたけ2240スキー場 駐車場着。ゴンドラが動いているのを確認し、大いに喜びあう私たち。
9:20 ゴンドラ乗車 ゆっくり運転で、15分ほどで山頂駅に到着。建物の中で出発準備。
9:50 発 スキー場の積雪量は250センチ。スキー場の端っこを歩いて、夏の田ノ原の登山口へ歩く。見えてきた鳥居は、なんと触れる高さ。下をくくらずに横を通りぬけて進む。トレースはばっちり。何パーティか、入っているようだ。樹林帯のはずだが、雪の上からチョロチョロと枝が覗いている程度。東屋の屋根も、吊るしてある鐘も足の位置!?
10:50 赤っぱげ 良く踏まれているので、夏より歩きやすいくらいで、早々に本日のテント場予定地、赤っぱげに着いてしまった。風が通り抜けなさそうな所を選んでまずは整地。掘って掘って、踏んで踏んで、平らにする。1時間かけて、ようやく設営完了。
12:00 テント内で寛ぐ。
13:00 雪洞作り開始。圭さんと茂さんが黙々と掘り続ける。皆、参入。どんどん楽しくなる。さらにどんどん掘る。どんどん楽しくなる。ますます掘る。ますます楽しくなる。最後は、天井・壁・床を綺麗に均して終了。今日は、余裕のある状況で、楽しみながらの雪洞作りだった。まさかのビバーク時はこんな風にはいかないだろうが、雪洞を作ったことがあるのと無いのとでは、いざという時には、きっと差が出るはず。続いて、滑り台製作。こちらは全くの雪遊び。皆で順番に滑る。そして滑っては、更なるいい滑りを追求すべくコース整備を丹念に繰り返す。男子の拘りのおかげで見事なジャンプができるまでに。遊びも真剣です。
16:00 さすがに冷えてきたので遊び終了。
2/24
5:00 起床 夜から風が強くなり、雪が降っている。昨日の晴天とはほど遠い。
6:40 発 前日の足跡も樹林帯を超えると無くなった。視界も良くない。
7:22 8合目金剛童子 視界は更に悪化。進むべき方向が分かりにくい。GPSが頼りとなる。冷たい風が吹き荒れ、顔に当たる雪が痛い。
9:00 9合目 撤退。これ以上、進んでも危ないだけでしょう。
9:47 8合目金剛童子 休憩
9:55 発 登ってくる人たちと会話する。皆、上の状態が気になる様子。結局、スキー以外の人たちは、テントを撤収している間に帰ってきた。
10:11 テント場着 中に入って一服した後で、テント撤収。雪洞を壊すのも大変。
11:30 テント場発 樹林帯でも風が強い。足跡も消えかかっている。
12:00 ゴンドラ山頂駅着 よかった、ゴンドラが動いている。山麓駅に着いてしばらくすると「強風のため、運休うんぬん」のアナウンス。
雪山ならではの楽しみと厳しさを味わった山行でした。 【記録:良I】
良い経験になりました。 杉浦 茂治
冬の御嶽山に1泊で行きました。夏は何回も登っていて、冬は雪崩講習・氷雪技術講習でおじゃましたくらいで田ノ原の周辺での記憶しかなく上まで行けるのだろうかと思っていました。ゴンドラからラッセル覚悟で出発をし、登山口の鳥居に着くと雪で鳥居の上が触れたほど雪が有りしかも、東屋の屋根がちょこんと見える程度で雪が覆い被り多く感じました。これはやはりラッセルかと思いきや、意外とトレ−スが付いており、時折足がハマりましたが1時間歩いた程度で森林限界付近に到着し、まだ昼前でした。樹林の向きなど見てテントを立て一服し、この後をどうするかを検討しました。天気が良く風も無いしかもまだ昼だし、雪洞を掘ろうとなりました。雪もしまっており気持ちが良い位にサクサク掘れる。2時間半くらいで3・4人が入れる立派な雪洞が出来たが、緊急時にしたら時間が掛かり過ぎかなと思いましたが、時間と穴の大きさの関係や、掘った雪の始末など色々と分かりました。とそんな1日を過ごしました。2日目は朝から風が有り、雪がぱらつき有り、時折ガスっておりましたが、とりあえず出発しました。森林限界を超えるとやはり風が強く時折ガスって視界も良くない地図とGPSがたよりですが、地図が風で煽られてまともに見れない、マ−カや人工物を探しながら登ってGPSで追いながら行きました。9合目の直下で視界がさらに悪くなりGPSの電池の残りも少ない事で下山を決定し下りました。トレ−スも風で消えておりましたが、意外と岩や木などを覚えているもので記憶をたよりに降り、テントに着いた時は凄くホッとし、緊張感があり充実感のある山行で、色々経験が出来ました。有難うございました。
厳冬期・御嶽山 矢倉圭子
何度か来ている御嶽山だが、今回は初めての厳冬期。雪の御嶽山はどうなっているのか楽しみだった。
初日、おんたけ2240のスキー場からゴンドラに乗り田の原の登山口に向かう。天候も良く、ゴンドラ内でフリースを脱ぎ衣類調整をする。ゴンドラを降りスキー客のいるゲレンデの端を降りていくと、見馴れた大きな鳥居のある田の原登山口である。しかし、鳥居はギリギリくぐれるほどに雪に埋まっていた。
その先はしっかりとトレースもありラッセル覚悟だったが、まったく苦労なく歩ける。横のあずまやは、雪に埋まってほとんど見えない。7合目の大江権現の鳥居の天辺を撫でて記念撮影。その後、樹林帯の中で今回の幕営地を探す。あかっぱげ付近の東側の樹林の中で少し開けたスペースがあり、樹木の葉のつき具合で風の通り道を確認。葉が付いていない箇所は風が強く、付いていれば風が弱い箇所である。ここの樹には葉が付いているからと、ここに決定し設営した。
あっという間に設営も終了してしまい、雪洞を作ることにした。初めての雪洞制作、思った以上に大変な作業で2時間ほどかかった。この作業を緊急時のビバークにするには、かなり余力のある時点で行わないといけないとおもった。
2日目、昨日と比べ雪も降り風も強い。アイゼンをつけて出発するも、何人も歩いていたトレースは一晩の降雪ですっかりと消えている。地図とコンパスで方向を確認。所々に赤いテープが付いているのを探し、ひざ下まで埋まりながら進んでいく。だんだん雪と氷でサングラスが見えなくなり、金剛童子での休憩でゴーグルに替える。幾分、視界は良くなったものの、天候が悪くガスっているし、コンパスは凍って見えない。斜面のトラバースでは、雪崩に注意し前後の間隔をあけて歩いた。富士見石付近からは風も強い。GPSでルートを確認しながら一歩一歩進めるが、ホワイトアウト状態で視界が真っ白。初めての体験でした。見えないながらも目を凝らして、鎖や祠などの微かな目標物を見つけ進む。9合目付近に到着したとき、進退の決断を話し合った。悪天候でルートファインディングが難しく、GPSの電池も下山時までもたないかもしれないと下山することになった。
御嶽は独立峰で、はっきりとした尾根がなく、本当に視界が悪いときには特にルート取りが難しい。今回はかなり視界が悪かったが、こういう時でも、地図とコンパスでしっかりと歩けるようにしていきたいです。
今回も、いろいろ教えていただきありがとうございます。楽しい山行でした。