八ヶ岳 赤岳(2899m)主稜(日帰り)
期日:2013・3・23(土)
目的:雪のバリエーションルート
メンバー: L:板津彰伸
新海時生
記録:
3:00 半田 発
6:05 美濃戸P(赤岳山荘)着、美濃戸口からの林道は少し凍った所もあるが、なんとか通れた。ワダチがひどく、少し底すった。青空も少し。
6:25 〃発
6:30 美濃戸山荘前 アイゼン装着
7:30 休憩、南沢中間
8:40 行者小屋、曇り
9:00 休憩、文三郎登りの途中ハーネス他装備整える
10:00 主稜への分岐、ピッチ目をクライミング中1パーティ。取り付きで待機1P.ここの分岐で待ちが1P.計3Pの後ろになる。
10:40 主稜取り付き、一節では主稜最大の核心部(?)と言われる60mの急雪面トラバース。始めはコンテでと思っていたが、スタカットで渡る。雪面は堅く、岩場付近は氷化している所もある。中間の岩(ルンゼの手前)に支点一つあり、ピッチを切る。前のパーティに続きすぐに取り付く。
1P: チョックストーンの乗ったチムニーを乗り越し、ルンゼから右に回り込み正面岩の下で切る。(終了点のボルトを前のPaが使っており、すぐ下の岩で支点とる)リード板津。
2P: 見かけ急な岩場を左から一登りすると、後はゆるい岩稜歩き。40m。(どこでも切れる)
3〜5P: 所々雪の着いた岩稜。中間の岩場を越え、草付き(氷化して硬い)を登っていく。
12:30 上部岩壁手前20mくらい、取り付きのテラスに3Paが固まっており手前の草付き(ハイマツ支点)で順番待ち(30分位)風当たり寒い。
6P: 上部岩壁 取り付き〜、始めに少し段差のある岩を乗越し、裏の急なルンゼ状を登っていく。最後リッジに抜けるチムニーが核心と言われているが、がばホールドもあり、そう難しいわけでもない。ここもボルトは全Paが使っているのでチムニー出口の岩で確保。(リード新海)
7〜8P: 簡単な岩をもうひと登りするとゆるいリッジから雪稜最後はコンテに切り替え50〜100m
2:25 頂上小屋すぐ下の稜線に出るがっちり握手。 前半は順番待ちなどで時間かかりヤキモキしたが、後半は割とすんなり稜線まで出た感じ。午後は天気も良くなり快晴、風も無し。地蔵尾根を下る事とし、コンテのまま。
2:50 休憩、展望荘(閉)
3:20 休憩、地蔵尾根途中積雪堅く、慎重に下る。樹林帯手前でザイル解く
3:40〜4:05、行者小屋、テント10張り以上あり、結構にぎやか。荷物整理。ゆっくり休む。
5:20 休憩、もうちょい
5:45 美濃戸P着、朝から行動時間11時間20分。さすがにぐったりだが、うれしくてなにか疲れが気持ちいい。6時過ぎ出発。半田着は9時半ごろ。
日曜日の天気予報が悪く、無理矢理の計画変更でしたが、まさか赤岳の主稜を
日帰りでする事になるとは思ってもみませんでした。やれば出来ちゃうもんです。
板津さんありがとうございました。次はどこ行きましょう?[記録:新海時生]
念願の赤岳主稜は・・ 板津彰伸
雪山のバリエーションルートである赤岳主稜に新海さんと行ってきました。私が行きたかったこのルートを4年越しに実現することが出来ました。ましてや自分の会の仲間と一緒に登れた達成感が、より増した事が一番うれしい。天候も曇り空ではあるが春山で気温も0度程度で凍傷、冬山の危険が少なかったことで余裕も少しあった。
但し、2級程度の簡単な雪山は(連れて行ってもらえば簡単なルートかもしれないが)実際に登ってみると大変だった。一般ルートからのトラバースが核心部に感じたり(先行メンバーが恐々トラバースするのを見ると・・)、実際に登ってみると緊張したり、岩場登ることが難しかったり、凍った雪面に緊張したり、待ち時間があまりに長くて寒かったりで雪山の難しさを味わった。もしも雨だったら?雪だったら?を考えると総合的な判断が要求されるルーであることは間違いない。行動時間が11時間以上も体力的に厳しかったかもしれない。
私が今やりたいと思う山は危険がいっぱいあるが、こんなことをやりたいのだと改めて感じた。信頼できるメンバーと一緒に五感を働かせて考えながら今の自分が手の届く範囲でこんなバリエーションルートを年に数回今後もやっていきたいと思う。そのためのトレーニングも必要だと感じた。
【今後の課題】
岩場での危険個所を早く通過するためにも確実な所でピッチを切る。つるべ行動での確保準備を早くすることなどを考えて対応したい。