鈴鹿 御在所(前尾根)
日時 5月6日(月)
天気 晴天
メンバー L: 洞井孝雄 他 3名
「前尾根P7終了点手前を登るS」
邪道だと思うのだけど・・・初めての前尾根
洞井孝雄
5月6日。連休の最終日、御在所岳藤内壁の前尾根に出かけた。出かけたとはいっても、登山学校の実技が始まって、いよいよこれから藤内壁での実技になる、その前に、もう一度、これまでの岩登りの基礎を復習したい、という希望が仲間から出された。メンバーはO、S、それにY。時間がとれるのはここしかない、場所はどこにしよう?実技の前に、一度そこを下見(?)というか実地検分するなどというのは、邪道で、どんなところかな、こうかな、いや、あんなふうなのかな、そんなドキドキ、わくわく、ハラハラ、という経験がある意味では実技の強烈なインパクトとなって残るのが、これから岩登りをやっていこうとする受講生にはいい経験だと思うのだけれど、それでも南山には何回も行っている連中だし、Yもいるので、4人パーティーなら、前後をかためれば行けるだろう。基本を覚えてもらうことが基本なので、ダメなら途中で降りてくればいい。そんな思いで前尾根に「行くことにした。私がまず、SとOを確保して登らせる。下でYが二人の準備、登り方の指示や注意を与える。OがYのロープの末端をつけて登ってくる。それをまた私が確保する、この繰り返しだ。三人を確保して上げるので、スピードは落ちるが、安全上からはそれしかない。
で、当日は、晴れのち曇り。連休の最後なので込んでいると思っていたのだが、駐車場はガラガラ。藤内小屋も空き空き。前尾根は、と言えば、私たちの前に二人の男女ペアのパーティー(京都の岳連のメンバーだということだった)がいただけ。P7の取り付きで準備をしていると、下で何やら騒がしい。聞き覚えのある声だと思ったら、じねんじょ山の会のメンバー。昨日まで立山で合宿、帰ってきて、数時間眠っただけでこちらに移動してきたのだと言う。タフだね。
その後ろから、また、聞き覚えのある声が、と思ったら、こんどはあつた勤労者山岳会のパーティーが。結局、この日は、先の一パーティーを除いて、愛知県連、しかも登山学校に関係のあるメンバーばっかりの貸し切り。途中で降りれば、などと考えていたのだが、渋滞にもならず、前からも後ろからも急かされもせず迷惑にもならず、P2まで、ひととおり前尾根を登って下りてくることになったのだった。
「登れませ〜ん」「ばかやろう、必死になってあがってこい」
なんだかんだ言っても登ってくるので、会員とのこんな言葉の掛け合いは、ピッチにとりついてからの儀式みたいなものかも(会の岩登り新人と、前尾根に来ること自体が珍しいのだ。会の岩登りの新人は、登山学校では他の会のコーチと組むことになるので、私たちと普通に登りにくるときには、こんな声を聞くようなことはない)知れなかった。
焦って、マスト結びをしようとすると半マストになってしまったり、ロープを「引け」「巻け」ということへの反応が遅かったり、次にやるべきことが何かを素早く読みとれなかったり、など十分に基本を身体で覚えているわけではない弱さはあったが、体力と登りたい、という気持ちだけは、三人とも有り余っている。負けそうであった。
登れませ〜ん(T_T) 聖S
登山学校の実技の復習を兼ねて、前尾根に連れてきてもらいました。今回の目的は、登る事ももちろんですが、何よりも、確保技術と懸垂下降技術の復習が第一!!登りに関しては、まだまだ初心者なので、まずはP7で・・・“洞井さん!!
登れません”と泣き言を一声。その後も、心の中で、“登れない”と思いながら、P3でまた“洞井さん!!登れません”と・・・でも、この一言を叫んだからと言って、誰も助けてくれません。自分の力で頑張るしかない!!皆に“頑張れ”と励ましてもらいながら、何とかP2の櫓まで登りきる事が出来ました。でも、問題は、確保技術や懸垂下降の技術。前日に、復習をして臨んだつもりでしたが、実際の現場になると、もたもたしたり、分かっていても、焦って違うことをしてしまったり・・・また、前回の南山では体験できませんでしたが、登る際に、ザイルを交差させてしまったり、移動の際や、移動後の立ち位置によって、ザイルを交差させてしまう。南山では体験する事が出来なかったことも学べて、色々な意味でとても勉強になりました。また、今回の山行で“命がかかっているんだぞ”と何度も洞井さんに言われ、改めて自分の技術や行動の未熟さが自分や相手の危険度を高めているんだと実感させられました。
今回、未熟な私に付き合って、指導して頂いた、メンバーに感謝をし、また、一緒に行って頂けるように、復習をし習熟出来るようになりたいと思います。本当に、有難うございました。
慌てちゃダメ! 三郎O
今回のトレーニングが決まってからの一週間は、なんとなくドキドキして緊張しながら待ち遠しい日々でした。
とにかく登山学校の南山で教えて頂いた事を復習、エイト結び マスト結びを繰り返し、「ロープほぐし」からビレーポイントまで上がってセルフビレーを取る までの一連をイメージトレーニングで繰り返したにもかかわらず、マスト結びが半マストになっているし、エイト環はひっくり返っているし、思ったように行きませんでした。 もっと練習して次回の南山までには、慌てずに一回で決められるようにします
ともあれ、P2「やぐら」まで登れたのは、とても嬉しかったですし、岩を登ったからこそ見られるあの素晴しい眺めはご褒美のようでした
忙しい中、指導して頂きありがとうございました。
久しぶりに 矢倉 圭子
今回は、受講生の初前尾根の付き添いとのことで参加。しかし、私も久しぶりの前尾根で気持ちは初めて気分。
お二人は、スイスイと登っていくのに対して、私は所々で立ち止まってしまったり、洞井さんにダメだしされ、登り直しを強いられたりして、私のほうが初々しかったです。
確保に関しては、自分自身がやっている最中は、必死になり気づかないことも多いですが、こうして、人のやっているところを見るのは、冷静に見れるので本当に勉強になります。
今年から研修生という立場になったので、今まで教えていただいたことを伝えれるようにしっかりと習熟させ、また、こうして学び合いながら、これから安全で楽しい岩登りを、半田ファミリーの仲間としていきたいです。
<記録>
5:30 阿久比役場 出発
6:26 裏道登山口
6:55 藤内小屋
7:20 テスト岩にて練習
7:40 P7 登頂開始
8:40 P6 クリアー
9:45 P5 クリアー
10:43 P4 クリアー
11:50 P3 クリアー
12:50 P2 クリアー、懸垂下降にて降りる
13:12 クライミング道具を外し下山
13:50 藤内小屋
14:20 裏道登山口
(途中 とろろ定食を楽しむ)
16:10 阿久比役場 着
晴天により岩のコンディションも最高の状況、「じねんじょ」のメンバーとも偶然合流した。 <記録:三郎O>