南ア深南部前衛  高塚山〜竜馬ヶ岳

                (1621m)    (1500m)

 

<雲海に浮かぶ富士・蕎麦粒山山頂から>

 

日 程:2013年5月17日(金)〜18日(土)晴れ

目 的:地図を読みながら歩く

ルート:山犬の段小屋〜三ツ合山〜塚山〜竜馬ヶ岳往復

メンバー:L 和田 達也 他 4名  

(記 録)

5/17

04:00 阿久比町役場発

06:50 山犬の段小屋着 先に乗用車1台後から1台来る。

07:05 出発 先頭のSさん、気合が入っているのか早い。まずは林道を歩く。荒れている。

07:40 林道途中、五樽沢のコルここから山の中へ。

08:25 三ツ合山 10分休憩 笹枯れがここでも進んでいる。

09:05 高塚山 ここに日本山岳会の300      名山の標識が新しく建っていた。女性が一人登ってこられ写真を撮 って帰られた。私たちはここからが本番だ、10分休憩。バイケイソウが笹枯れの後に元気に葉を広げている、見て楽しくホッとする。

10:43 竜馬ヶ岳 急な登り下り、痩せ尾根あり、200mの登りきつい、シロヤシオ、アカヤシオ、ムスカリ等が咲いていた。ここのヤシオの樹は大きい。誰もいない静かな山頂で15分休憩、高塚山からここまでヤブと急な登り、疲れたけど帰り300mの登りが待っている、気合だ。

11:45 中間点を過ぎた辺りの風の通る所で休憩を10分 行きと帰りは同じ道が良いとは限らず歩きやすい所を地図を見ながら外さないように歩くが獣道と登山道の区別がつかない。笹を掴んで登り下りをしたいが枯れていて頼りない。

12:53 高塚山 バイケイソウの畑のよう      な所に戻れました。予定より早く着いて一息。

13:43 三ツ合山 10分休憩 ブナもモミもシラビソも大きくて気持が良い。

14:30 五樽沢のコル林道

15:10 山犬の段小屋着 お疲れ様でした。美味しいお酒を頂き夕食を食べたら19時半には寝てしまいました。朝止まっていた1台の車の人は私達の帰った時はまだ止まっていたのですが、いつの間にか帰っていました。小屋は貸切、いつ来ても清潔で大事に使われているのが解ります。

 

5/18

04:30 起床 今日も良い天気

05:45 小屋発

06:20 蕎麦粒山 富士山が目の前に大きい。いつ来ても静かで樹が大きく気持が良い。40分も休んでしまった。ガスが山の下で海のように留まっている。

07:30 小屋着

07:50 発 帰りはお茶畑の崩落現場を見て帰りました。

11:50 阿久比町役場   (記録:良O)

 

繋がったルート            哲S

二日目の天候が懸念される、早立ちでスケジュールを逆転して歩く事になった。前回は浜松北ICで降りてしまいアプローチに苦労した、今回は間違いなく島田・金谷ICで降りた、新東名のおかげで深南部へのアプローチは随分と楽になった。

中川根町から山犬の段に向かう林道入口には、崩壊・倒木で全面通行止めの看板、「ここまで来てどうするの?」と、一瞬不安がよぎったがとにかく進むと、ゲートは半開き状態、道は崩壊で大荒れに荒れているが、無事山犬の段の小屋前に着きまずはひと段落「ホッ」とした。先着の車1台。

今回のルート高塚山まではすでに歩いている、高塚山から竜馬ケ岳へのルートを繋ぐのがこの山行の主目的、高塚山は笹が枯れ、バイケイ草の占領状態、竜馬に向かう斜面の勾配はキツイがノッテリして尾根筋がはっきりしない。高塚山から竜馬への分岐を迷わず見つけるのが最大のポイント、Oさんは目印の紐を用意してくださった。薮こぎ状態、登山道か獣道かわからない急勾配の道、竜馬の尾根筋を目標に下ったが何とかザレ場横の道に出た、ここからは比較的道がしっかりしている、鞍部通過、300m下がった、これから200mの登りが始まる。緑が目にしみるように輝いている、日差しはきついが肌を通り過ぎる風は冷たく心地よい、汗もそんなに出ない。短いけれど急なアップダウンを繰り返し、最後、長い岩場の急坂を登りきってやっと頂上に出た、遠いピークだった。オコゲスープで休憩、竜馬ケ岳は鈴鹿と同じ笹枯れの山。途中シロヤシオがきれいに咲いていた。

頂上からの下り、少し方向がずれ谷に下りかけたが和田さんから声、登り返しになる前に修正出来た。高塚山直下、薮こぎ急坂は避けたいと相談しながら道を選び、往路でつけたテープに到着した、比較的幅広い踏み跡をたどる、竜馬への登山道は京丸へ向かう尾根道から分岐していた。15時過ぎ小屋着、好天に恵まれ予定通り歩けた、早速夕食の準備、旨い酒の時間を楽しんだ。

二日目、4時30分気持ちよく起床、昨夜は随分鹿が啼いていた。朝食後、おまけのように蕎麦粒山に向かう、天気は良い、こんな予想外れは嬉しい。このおまけの蕎麦粒山、雲海の向こうに富士が確りと見える、下界は雲の下、絶景を楽しみながらお茶を楽しんだ。後はサッサカ下り帰路についた。天候に恵まれ、目に痛いような新緑を楽しみ、まよわずに歩けた山だった。

昨年5月、春野町石切のペンション・シンホニーを起点に入手山〜岩岳山〜竜馬ケ岳を歩いた、2010年6月、山犬の段〜高塚山を歩き、山犬の段〜板取山〜沢口山〜寸又峡も同じチャンスに歩いた。今回のルートはまだ歩いていない高塚山〜竜馬ケ岳を繋ぐ意味があった。これで寸又峡〜春野町石切の長いルートが繋がった事になる、何年もかけて丹念に道を繋ぐ和田さん、Oさんの執念の結果だ、感謝したい。

 

追憶の常宿「山犬の段」      和田 達也

 休憩所「山犬の段」。この山小屋を利用しての山行も、今回の高塚山から竜馬ヶ岳のピストンでいよいよ最終段階である。思えば、南ア深南部の麻布山からバラ谷山〜房小山〜蕎麦粒山の長い道のりのヤブの稜線を一日で歩き通して辿りついた休憩所「山犬の段」。京丸山の雨中のピストン時。板取山〜天水〜沢口山の時は、ヒルに食われながら寸又峡に降りた。十数年前に初めて利用した高塚山から蕎麦粒山の山行の時は、酷い凸凹ガタガタ道で、私の車は廃車寸前になるところでした。

水はないが、尾根と尾根の間の小平地に建つ小屋は、深南部の山を歩くのに本当にありがたく利用させて頂いた。竜馬ヶ岳の先の岩岳山から入手山は、去年、春野町のシンフォニーから登ったので、残るのは高塚山から竜馬ヶ岳のヤブの区間だけ。疲れを知らない昔の青年、少女たちは歩き慣れています。ヤブの獣道をぐんぐん登り、ぐんぐん下りました。ここら辺にはアカヤシオ、シロヤシオ、ピンクのツツジにオオカメノキが咲いていました、好天の昼下がりの谷間からは、薫風にみどりの風がとっても心地よく、遠くの高山の磐ヶ根には残雪が光り輝き、ツツドリにウグイス、ホトトギスにキツツキのドラミングが、Tピッチ2〜3分遅れ気味の私の疲れた体を癒してくれました。

 この小屋を利用するのも「これで最後だな」というとOさんは「何を言います、また行く山を見つけます。」と言いました。

CCS(旺盛なチヤレンジ精神と継続の精神)には本当に頭が下がります。

 

行けるかな〜                良O

 地図を見ながら此処は行けるかな〜、時間はどの位かかるかなと考えるのも楽しいが、当てにならない計画では誘えない。ネットで新しい情報を調べ小屋周辺の道路の状態がなるべく良い時、ヒルが出ない時等を考えいつものメンバーに声を掛ける。1時間の林道歩きは嫌だけど、その後の高塚山付近のあの木々や笹の中の道の雰囲気は素晴らしい、何度でも来たくなる。小屋からルートを広げもうこれが最後のルートかなと思いながらも探せばあるものだ。数年前までは激ヤブだったようだが、今は笹の先端に新しい葉が出ていない。2〜3年後はなくなりそうだ。見通しは良くなったようだが何処も道に見えるしガレで掴む物がなくどんどん道が削られそうだ。

下調べは充分にしたつもりだが、現地で歩いている時は疲れてろくに地図も確認できず、お任せ状態、でも信頼しているからこそ。皆が付き合ってくれる間は続けたい。