御嶽山 王滝川・鈴ケ沢東股
<こんな滝がいっぱいあるが釜が深く水温も低かった>
<3段30mの大滝の下部(右岸を高巻する。)>
日時 8月4日(月)曇り時々晴れ
目的 沢を楽しむ
メンバー L:板津 彰伸 他 4名
沢登りに地図読みは必須であることを再確認・・・
板津 彰伸
『御嶽の鈴が沢』に行ってきました。沢のスケールや水のきれいさはさすがに御嶽の大きな山の沢で感動するような滝や釜の美しさ、なめの美しさを味わうことが出来ました。入渓したのは私たち以外に2パーティー(東京山楽会とあつた労山)であった。遡行中は晴れ曇り。
【入渓後の30m大滝】
入渓地点で「あつた労山」に遭遇しこの沢を経験しているメンバーと話し合った。最初の30mの大滝の高巻きが一番難しいと聞いて出発する。入渓してからは沢を楽しむことよりも少しでも早く沢を登らせることに心がけた。30mの大滝では、右岸より高巻きすることになるが草付のいやらしい登りがありロープで確保した。先に登っているパーティーからの落石も多くあり大きな声を出して注意させた。高巻の最後でルート間違いをしているようで待ち時間も長くなってしまった。結果的のこの高巻に1時間かかった。
【その後の多くの滝】
その後の沢は問題も無く簡単と聞いていたが実際には岩場を登りザイルで確保しなければいけない滝が数か所あった。滝の高巻きもルートファインデイングが必要な所も多くあったが次から次へと表われる滝には感動するばかりであった。時間的にもまだまだかかりそうなのでエスケープすることを検討していることを皆に告げて水の流れがな無くなる大岩30mの枯れ滝(地図に滝マークがある所まで到着した。
【枯れ沢】
30m高さの大岩を右に巻いてから尾根筋に出て踏み後をたどっての藪漕ぎが始まった。枯れ沢が見えるので進む方向はあっていた。途中で踏み後の無い藪漕ぎになり枯れ沢を目指して降りてみると枯れ沢は簡単に登ることが出来た。(結局30分以上のロスになった。
【エスケープルートに変更】
タイム的に中俣に下るのは無理なため、田の原駐車場までエスケープすることをメンバーに告げ地図上で一番安全そうなルートをメンバーと選定して2050mの高度まで登り、そこから東にトラバースすることを決定した。
【藪漕ぎ1時間】
地図上でも沢登りで登山道は全くなく、現在地は高度計とコンパス、地図だけを頼りに進むしかなくリーダーとしては不安がいっぱいでした。それでも良I、杉浦君がいて同じように地図を見てくれて同じ考え方をしていることで確信を持って進むことが出来ました。
現在地を地図で予想して目標の最短道路に向かってコンパスをセットした。(地図上では600m程度直進した所で目標の道路に出る予定だった。)地図上でコンパスをセットしてからは、コンパスだけを頼りに20m程度先の目標物(木)を目指してとにかく直進させた。その動作を何十回も行い目標の道路近くに出ることが出来ました。たかが600m進むだけでも1時間程度の藪漕ぎだった。(地図読みとしての誤差は20m以内で地図読みが成功したことに満足もした。)
【仲間】
同じようなに知識を持った仲間と話し合えたことが実際にうれしかった。地図とコンパスは沢のリーダーとしては必須だ。高度計、GPSを含めてもっと知識を向上しないとリーダーとしての判断は難しいと感じた山だった。
沢も薮コギもケタ外れ・・・ 哲S
三沢橋で入渓準備、早速20mの直瀑を右高巻き、上部林道の橋をくぐって釜・ナメ・ナメ滝・淵を歩く、水はきれい、淵は真っ青で深い、ナメも水量が多く幅が広い、とにかくスケールが大きい、初めてこんな雄大な沢を経験した、水は冷たく足首から下、沢タビの部分はまるで冷蔵庫に入っているようだ、上半身は汗が出ているがこの冷たい沢の水、怖くて入る勇気が出ない、高巻もスケールが大きく、先行パーティ待ちも・・・細い雑木の根にビレイをとっての待機は辛い、先行パーティからの落石が杉浦さんの足を直撃、私の首筋にもガツンときた。
1260m付近の三沢橋から遡行を開始して1800m付近まで、皆に遅れないように頑張った、ここで突然、目前に30mの涸滝、ハングした大岸壁が屏風のように幅広く立ちはだかった、右側をまいて急登を登りきり薮コギが始まった、このスケールが半端ではない、先に歩いた跡があるが、ここのクマ笹はまだ健在、人の背丈ほどある。薮をコギ、涸沢を登って2050m付近まで登り切った、此処で東に進路を変え三笠山下のガードレールに向かってトラバースを開始、リーダーが進路を決めそれに従って進む、この薮コギもすごかったが先に三笠山に向かう自動車道のガードレールが確り見えてきた、ここで涸れ沢と出会い無事自動車動へと登り切った、後ろに着いていたパーティは涸滝から右側の涸れ沢に向かったとのこと、2時頃に着いたとお茶をしていた、ちょっとした回り道、しかし滅多に出来ない貴重な体験、疲れより胸がワクワクする時間だった。
登り切った後激しい雨、これもかろうじて逃げ切った。
沢も雄大、薮コギもケタ外れの規模、そしてどうやって進路を切り開くのか、地形を判断し、コンパスと地形図を武器に進む貴重な体験の中に身をおくことが出来た意義のある“岳修山行”だった。有難うございました。
学びました。 杉浦 茂治
今期、初めての沢へ行ってきました。水の感触を確かめに御岳山の鈴ヶ沢へ、遡行図を見ても滝の連続で結構、手強いと思いました。8時頃に駐車場に着きさらに15分程林道を歩いて入渓ポイントにつきました。ここであつた労山のパティ−と遭遇、情報交換をして入渓をしました。水は冷たくヒンヤリとしてました。入渓して1時間ほど歩くと20mの大滝に遭遇、第1の難所です。ここであつた以外にもう1パティ−がいました。総勢20人前後になってしまい渋滞に…
滝を巻く道が急坂でザレて落石が多くザイルを出し確保しながらのぼり、通過で1時間かかってしいました。ここからはルンルンかと思いきや、5m〜7mの滝が結構ありその度に高巻きをしました。その時に注意で高巻きのし過ぎに注意するように教わりました。上に行くと降りられなくなり懸垂下降をするハメになるからと言われ、滝の音や距離を見るよう心がけをして行きたいと思いました。さらに進んで最後の枯れた大滝が目の前に180°自分達を囲むように出てきました。のぼり詰めて右側に道らしき物をたどり藪こぎしながら急坂を登り、詰めたら左側から尾根まで登りました。この時点で13時30分位で予定を田の原に抜けるように指示が出ました。ここから道を間違えて枯れ沢に出ないといけないのを、尾根つたいに行ってしまった途中枯れ沢に出たがどうやら隣の沢らしくどうするか迷うが、枯れ沢を詰めてトラバ−スをする事にしました。
途中リ−ダの地図と高度をにらめっこが数回あり最短距離約600m程を高度で確かめ、東に方向をとり進みました。ここで勉強になったのが、方角を指す方向を小まめに刻んで移動する事、誤差を少なくする為だそうで、雪山では良くやるそうです。なるほどこれは使えると思いました。そうしている内に藪こぎから原生林のようになってきて、さらに行った所でようやく正規の枯れ沢に出ました。やはり登り易かったです。車道に出たのが15時を廻った位でした。
今回の山行で沢山、学びました。非常時の行動で位置の把握・今後のプランなど、どれがベストかの判断を地図・高度計・コンパスなどで導くのはやはり経験からの実績、実績からの自信なのかなと思いました。いざという時には自信を持って言えるようになりたいです。今回、落石で掌大の石が足に当たり痛い思いで歩きました。迷惑をお掛けしてすいませんでした。石を落とさない歩き方を心掛けます。
楽し、ムズカし 良I
ようやく鈴が沢に行けました。東股を登って、あわよくば中股を下る計画でしたが、結局、田ノ原に抜け、沢は「楽し、ムズカし」を体感しました。
まず、沢に下りて「うっ、冷たい!」沢の中を歩くのは最小限にしようっと心に決めて歩き始めました。次から次へと滝やナメ床です。そして・・・最初の高巻きで私、失敗しました。先行パーティに何の疑いもなく付いていってしまって、時間のロス。たとえ、先行パーティがいたとしても、自分の目で進路を判断しなくては。またどのように確保をしたらよいのか、とっさに判断できず、板津さんに手助けをしていただきました。せっかく、板津さんに機会をいただいたのに失敗です。その後は、ドキドキして水際を登ったり、きれいナメ床を歩いたり、そしてハッとする美しさに何度も出会ったり。滑り台で遊べそうな所も何か所かありました。そして時間を気にしながら荒れたゴーロを進むと、たちはだかる巨大な壁。これが30mの直瀑なんですね。私たち、小っちゃいです。この壁を大きく巻いて、上に出ました。東股に行くには、そこからすぐに涸れ沢に下りるのですが、中股に行くには・・・う〜ん、難しいです。尾根の藪の中を歩くと時間がかかります。途中から涸れ沢に下りると格段に歩きやすくて、勉強になりました。時間切れで田ノ原に向かうことになり、ルートを何度も検討しつつ、歩きました。現在地がほぼ特定できていたこと、向かう方向が分かっていたこと、そしてなにより信頼できるメンバーが一緒だったことで、私としては不安要素がなく、「アバター」気分で、藪漕ぎを楽しんでしまいました。もちろん、慎重に歩きましたよ〜。そしてガードレールが見え、涸れ沢に下りて、一気に登ると、田ノ原に続く道路に出ました。最後の直瀑で一緒になったパーティは、そのまま田ノ原に抜ける涸れ沢を登っていたので、1時間前に到着していたそうです。そしてもうひとつのパーティは、尾根を詰めてきたらしく、私たちより1時間後に着きました。沢が終わった後の行動の仕方で、2時間も差が出ていました。
次回があるとしたら・・・う、頑張らないといけないことが多すぎますね。一緒に行ってくださった皆様、ありがとうございました。
「らく」3つ 洋介S
登山学校で、沢登りは登山技術の総合力が試されリスクを伴い判断のミスが顕著に現れる、が楽しいと学びました。鈴ガ沢での体験を通し、登山学校での講義の意味が少しですが理解できました。体験した3つの「らく」を記します。
一つ目の「らく」。25mの大滝左側を巻き先行パーティの登攀を待機している間、落石がありました。「落」と突然の大声とともにビシビシと木・草をなぎ倒す音が聞こえ、落下方向を探るとともに身構えました。左向こうを転がっていくことを確認し安心しましたが、当たったら、ひとたまりもないなと感じました。板津さんからは自分の心配ばかりではなく、下に人がいるかもしれないから、「落」と大声を出すようにと注意を受けました。
二つ目の「らく」。3〜4m程高さの滑り台風の滝を右から岩伝いに巻いていた時のことです。取り掛かりの無いヌルッとした岩で、左足先がスルッとなった瞬間、滝を滑って滝つぼに落ちてしまいました。突然のことで慌てましたが、何とか岸に辿りつきもう一度登り返しました(ケガはありませんでした)。滑った箇所で板津さんに出して頂いたシュリンゲに捕まって登ることができました。板津さんからくつは横向けず、体重を乗せることと指導を受けました。
3つ目の「らく」は楽しいです。水は冷たくて気持ちよく、ナメは光を反射し、蒼い水は美しい、滝は壮大です。水と岩がつくる造詣に感動もしました。
今回の体験を通し、沢登りはリスクに対する高い感性が必要であり、その対応・回避ができて楽しむことができるものと思い、多くのことを学ぶことができました。皆様ありがとうございました。
<記録>
2013年8月4日
04:00 半田知多信発
恵那SA、三岳道の駅にて休憩
07:05 鈴ガ沢橋着 駐車、沢沿いに林道歩く
07:32 三沢橋 準備
07:48 入渓
08:37 東股橋通過
08:58 大滝25m
11:45 休憩
30m大滝を右に高巻く
右手に涸沢を見、尾根伝いに歩く。涸沢に戻り登る。
14:20 休憩
涸沢を外れ、スカイラインの方角を確認し進む。
15:04 スカイライン 終了
偶然お会いしたあつた労山の方の車にSさんが同乗させて頂き、鈴ガ沢橋
まで車を取りに戻る。Sさん以外は田の原駐車場で待つ。
16:30 田の原駐車場発 <記録:洋介S>