南アルプス深南部 光岳(2591.1m)、池口岳(2392m)
<池口岳(北峰)>
<富士山(光岳より)>
<日程> 2013年10月12日(土)〜14日(月)
<目的> 深山に浸る
<ルート> 池口〜面切平〜黒薙〜ザラ薙〜ジャンクション〜鹿の平(泊)
〜加加森山〜光岳〜鹿の平〜ジャンクション〜池口岳北峰
〜南峰〜笹平(泊)〜鶏冠山〜シャクナゲ沢〜林道
<メンバー> L :新海 時生 他 4名
静かな山をにぎやかに歩く 新海 時生
最近は岩やら沢やらバリェーションをちゃらちゃらやっている事が多いのですが、久々にしっかり担ぎ、しっかり歩いてきました。これも久々の南アルプス深南部、久々の佐枝Mワールドにどっぷりつかり、原点であるワンゲル魂をもう一度充てんしてきました。
光(テカリ)はもう30年近くも前に行ったきりですが、その頂に立っても全く記憶にありませんでした。当時その南に続く山稜は「人跡未踏」の印象さえ持っており、今回は不安半分で楽しみにしていましたが、池口岳まではそれなりに人も入っているようで、ルート、踏み跡も思ったよりはしっかりしていました。それでも地図、磁石は手放せず、ベテラン2人が嬉々として先導していきます。池口〜鶏冠山間は踏み跡さえもまばらになりましたが、二人にかかれば慣れたもので、複雑な稜線を確実に踏破してくれました。地図読みに関しては2人とも会の中でも確実にトップクラスで、ぼくは足元にもおよびません。少しでも近づきたいものです。若い新人2人もいい勉強になった事でしょう。いい先輩に着いて学んでいけるのはありがたい事です。そんな機会をたくさん作ってください。
天気も3日間申し分なく晴れ渡り、気持ちのいい笹原のテン場で寝転がっていると さわやかな秋風が最高です。人で埋まる涸沢の紅葉もみごとでしょうが、人けの全くない山奥で鹿の鳴き声を聞いているのもナカナカでした。3日間で出会った登山者は7人でしたが、歩いている間もテントの中もとてもにぎやかで、楽しく、いい山行をさせてもらいました。
深山に浸る 佐枝M
やっと、やっと行けた。4年もかかってしまった。当初の予定は光岳から鶏冠山までの縦走だったが、易老渡までの林道が不通になり今年からやっと通行できるようになったと思ったら、秋にまたもや通行止めとのこと。何てこと!もうさすがに待ちくたびれた。進む加齢にもう来年まで待てない。池口から入り光岳の往復でぐるっと周回予定にしよう。
光岳以南の深南部の山は、以前に比べ人が入るようになったとはいっても、北や南の有名な山に比べ、まだまだ静かな山に浸る事のできる魅惑的山域だ。でも道は不明瞭、小屋なし、テント場なし、水汲みは源頭部という素晴らしい条件に総力を挙げ挑むことにした。
池口の入口は綺麗な登山道がずっと付いていて、もう秘境の山では無くなっていたが
山また山の奥深さと急登は健在で分岐まじかで気分が悪くなってしまった。高度障害か体力不足か、、、。嫌な汗をかいてしまった。源頭部の水汲みはお願いして暫しの休憩の間に空は時雨模様になり寒くて震えてしまった。北は雪だろうなぁ。予定どおり鹿の平でテントを張る。太いダケカンバとトウヒの間の別天地。至福の時間が流れる。翌日は光岳の往復だ。地図、磁石で確認しつつ、テープを追いながら15,6年ぶりの光へ。富士山、南アルプス、中央、あの白い山はどこ?
同じ道を戻るのにちょっとウロウロと彷徨う。下りは行きに見えないものが見えるんだよね。一山登って気分は終了なんだけどまだ先は長い。テントを撤収し池口岳へ向かう。さて今日はどこまで行けるだろうか?水さえ持っていればどこでもテント場だ。池口岳、そして南峰へとすんなり進み笹平へ。笹平は見えているのに尾根の取り付きにウロウロ。地図で見るより痩せた尾根だった。獣道が縦横に走り深南部らしい雰囲気になってきた。考えてみたら朝早くから9時間も行動してる。どっと疲れが出てきた。水場が近くにあるはずだが確認できなかった。南西側を覗いたら大きな牡鹿がいたのであそこが水場だったのかなぁ、、、。何頭もの鹿の鳴き声を聞きながらの一夜だった。
最終日も良いお天気だ。笹をかき分け南方向に向かい鶏冠山へ。笹の山頂から西へはうっすらの踏み跡とテープがあり尾根をはずさないように下って行く。シャクナゲ沢の分岐から鈴鹿のような雰囲気の下りで池口川へ降りた。あとは池口橋からタクシーで登山口へと電話をしたら断わられてしまった。(もう歩きたくないよ〜。私たちに徳があったら親切な人を摑まえて、イエ、お願いして車で送って頂こう。)池口橋に着いたら丁度1台の車が・・・懸命に手を振ったらわざわざ戻ってきて乗せて下さった。もう感謝、感謝です!天気に恵まれ、人に恵まれ、静かな山を満喫した3日間だった。
南アルプス満喫 良I
久し振りに山にうんと浸ってきました。連休といえども出会う人は少なく、もちろん私たちの私設テント場は2泊とも貸し切りです。今回は、自分の下調べが不充分で、お任せな感じになってしまい、さらに、なんとヘッドランプを忘れるという不始末。ご迷惑をおかけいたしました。頼もしく楽しい仲間のおかげで、「山に仲間と来ている!」という実感がフツフツと沸いてくる3日間でした。
読図力 聖S
2泊3日の南アルプス深南部山行。計画書をもらって、山と高原地図を確認すると、途中からしか載っていない。どんな所に行くのだろうと、行く前からドキドキしていましたが・・・最初は、これぞ、南アルプス!!という道を歩きながら、進みますが、途中から、急に踏み後が少なくなり、獣道が増え、テープの目印も少なくなり、段々深南部を感じさせる道に。いつもちゃんとした登山道と目印を頼りに歩きすぎている私にとって、地図とコンパスそして高度計を頼りに進むのは、初めての事で、とても新鮮でしたが、一つ間違えれば、全く違う所に行ってしまう怖さを体感しました。また、今回は天気も良く、視界も良好で周りの景色を確認しながら進めましたが、天気が悪かった場合を考えると、まだ自分にはハードルの高い山だな。と実感すると共に、先輩方の凄さを改めて肌で感じることが出来きました。
また、今回は、自分たちでテントを張れる所を探して張る、テン場代0円の山行。ぬた場も多く、夜には、鹿の鳴き声が。水も無いので、水場まで水を汲みに行くなど、山を始めて、今回は初めてづくしの山行となり、大自然を満喫でき、更に色々勉強もできた充実した3日間となりました。
いいトレーニングに 東洋太K
テント泊は春合宿以来半年近くご無沙汰です。復帰してから重いザックを担いだこともなく、ついていけるか心配でした。場所は南アルプス深南部、今までのような明瞭な登山道は期待できません。
終わってみれば何とかついていけたものの、今回はいろんな意味でトレーニング山行になったと思います。
まずは体力。かなり久しぶりで2日目にテント場まで着いた頃にはフラフラでしたが、重いザックを3日間担ぎ歩き通す体力が戻ってきたことを実感しました。
次に足首のリハビリ。骨は完治しましたが、まだ関節が固く岩場や急傾斜、やせ尾根などを歩く際には不安がつきまとう状況でした。今回のルートは急斜面、足場の悪い沢沿い、やせ尾根など足首に負担の掛かる個所が多く最初はかなり苦戦しました。特に降りるのが怖く、「来なければよかった」と思ったくらいです。今回そんな個所を通過する中でかなり足首の動かし方を掴むことができたと思います。
最後にルートファインディング。明瞭な登山道を辿る山行と違い、今回は踏み跡も少ないルートがほとんどでした。地図・コンパス・高度計で尾根を確認しながら進まなければなりません。少しのあいだ先頭を歩かせて頂きましたが本当に緊張します。先輩方とのレベルの違いを感じました。そんな中でみんなで確認し合いながらの山行はパーティ行動の素晴らしさを実感しました。
ハードな3日間でしたが天候にも恵まれ非常に印象深い山行となりました。
<記録>
10/12(土) 天候:晴れ
4:00 阿久比P 発
7:00 池口岳避難小屋P着
7:30 出発、登山口まで3分
8:28 休憩(10分)
9:37 黒薙手前 休憩(11分)
9:58 黒薙通過
11:00 休憩(11分)、ここからの登りは急登が続く
12:37 ジャンクション通過
12:50 水場の標識前で休憩、新海・良I・聖Sの名が水場 へ水を汲みに降りる
14:18 鹿の平 着 幕営
10/13(日) 天候:晴れ
4:30 起床、朝食
5:35 出発
6:05 加加森山分岐 通過
7:10 休憩(13分)、光岳までの急登を登る
8:18 光岳山頂 休憩、天気よく富士山も見渡せる
8:40 下山開始、広い尾根を地図、コンパスを頼りに進む
10:22 休憩(13分)
10:56 加加森山三角点
11:20 鹿の平テント場着、テント撤収
11:44 テントをパッキングし出発、ジャンクジョンへ急登を登る
12:40 休憩(10分)
13:04 池口岳北峰山頂
13:58 池口岳南峰山頂 休憩
14:05 笹平への尾根を探し下山ここからの尾根が急傾斜な箇所もあり緊張する
15:04 笹平テント場 幕営
10/14(月) 天候:晴れ
4:30 起床、朝食
5:50 テント撤収し出発
6:27 鶏冠山山頂、進む尾根を見極め下山開始
6:45 休憩(12分)、全員で地図・コンパスそしてテープを頼りに分岐を確認しながら進む
※シャクナゲ沢分岐は1,636mと思っていたがのちに1,536mであったことが判明
8:08 休憩(11分)
9:02 シャクナゲ沢分岐
9:41 休憩(10分)、沢沿いに降りる、足場は崩れやすく急傾斜が続く
10:35 シャクナゲ沢登山口 着、池口川の河原を進む
11:20 池口橋 着、避難小屋Pまで良I・東洋太Kで車を取りに登る(途中までは車に乗せてもらう)
11:50 池口橋で合流し帰路へ
18:05 阿久比P着 解散 [記:東洋太K]