鈴鹿 日本コバ(934m) 冬靴に慣れる
<「岩屋」で。ここなら隠遁生活できそう>
<広々とした山頂。ゆっくりできます>
<山行期間>2013年11月23日(日)
<天候> 曇り時々晴れ
<ルート>政所藤川谷P〜日本コバ〜衣掛山〜政所藤川谷P
<参加者> L:洞井 孝雄 他 3名
2013.11.23 日本コバ
永源寺トンネルのむこう 洞井 孝雄
合宿のトレーニング山行。担当になったメンバーは、最初は「伊吹山」にこだわっていたらしいが、誰の抵抗に遭ったのか、日本コバという山域に変わった。メンバーは、良I、春孝K、洋S、そして私の4人。
桑名ICを出て北勢方面へ走り、石榑トンネルを過ぎ、永源寺の手前から登山口に向かう。トンネルを抜けると、それまで青空の広がっていた空が、白い雲に覆われた、なんとなく沈鬱な冬の空に変わっていた。
永源寺ダムの周囲を走る道路から一本入った静かな集落のはずれに車を止め、7時35分、道路の向いの「日本コバ→」の標識に導かれて段々を登っていく。登るというよりは緩やかな道を山の中へ入っていくという感じの道が続く。小さな流れを何度も渡り返し、時折、地図を開いて現在地を確認しながら登っていく。この山にも、山頂までの間を18等分した標識が設置されており、ある意味では興ざめ、ある意味では心強い。
歩き始めてから1時間半程で、目の前にロープが残置された岩場が現れる。短いものだが、一般の登山者を驚かすには十分な装置だ。登り切って一息入れる。
「この辺りに岩屋があるはずだから探してみ」道の脇の踏み跡の奥の岩の間に小さな穴が口をあけている。
「わー広い」中へ入った仲間から歓声があがる。入口の大きさからは想像できないほど広い洞窟である。蝙蝠の糞が足元に堆積している。人間でも生活できそうだ。外に出ると日差しが眩しい。再び、先を急ぐ。木漏れ日の下をたどって政所への分岐に着く。左手に道をとって日本コバの頂上へ向かう。小さな流れを渡って再び渡り返し、緩やかな落ち葉の散りしいた斜面の踏み跡を登っていく。散り積もった落ち葉の下の踏み跡を探しながら歩くのは気持ちがいいものだが分かりにくい。それでも分岐から30分ほどで日本コバ(934.2m)の山頂に立った。10時2分。平坦な山頂部は眺望にはあまり恵まれていないが、広々としてゆっくりと腰をおろして休むのにはいい。じっとしていると寒くはないがひんやりとした晩秋の陽気を感じる。
10時20分、下山開始。山頂から先ほどの分岐までは登ってきた道を引き返すのだが、山頂直下の落ち葉の斜面で、踏み跡を外してしまった。
「あれ、ちょっと雰囲気が違うぞ」
数十メートル行ったところで山頂の下山口に引き返した。
「ここだここだ」
「さっきから、もう一回来ても迷いそうだね、と話してたんです」
そんな言葉を交わしながら斜面を下り、流れをまたいで、10時42分、政所への分岐へ戻った。ここからは衣掛山のピークを踏み、緩やかなアップダウン、さらに箕川、政所の分岐からは急な下降路になっている。うっかりするとつるりとやって尻もちをついてしまいそうな道が続く。尾根筋を下って折り返すと、山腹につけられた細い道の下りになる。浅く踏まれた山腹の道の上に落ち葉が載って、疲れが足に来ていると、注意が必要な道である。
やがて道は灌木帯の中に入り、急な傾斜の下りが続く。政所と川西の分岐を過ぎて、11時40分、林道に出た。きれいな舗装道路が続いているが、途中、数か所、陥没や土砂崩れの台風の爪痕が生々しく残っていた。
12時になる直前に車まで戻ってきた。5時間弱のトレーニングだった。
山頂付近では少し日差しもあったのだけれど、下りてくると、低い雲が垂れこめた空に戻っている。永源寺ダムの周囲を走って、石榑トンネルを抜けたとたん、眩しい光が降ってきた。
<記録>
11月23日(日)
7:35Ⓟ発−7:40標1/18−7:44標2/18−7:46渡渉−7:50標3/18−7:53渡渉−7:56標4/18−7:58渡渉−8:02標5/18−8:07標6/18−8:09広い沢渡渉−8:12涸れた沢、次いで細い沢渡渉−8:13渡渉−8:14標7/18−8:15渡渉−8:15レスキューポイント(以下RP)2「藤川谷」−8:17細い流れまたぐ−8:18標8/18−8:25標9/18休憩−8:34発−8:42標10/18−8:50渡渉。目印見落とし、戻る−8:58標11/18−9:06RP3ここから岩現れる−9:10岩場登って休憩。岩屋探し−9:24発−9:26標12/18−9:32政所方面への分岐。RP4、13/18、政所へ14/14−9:42渡渉−9:45標15/18、RP5−9:50標16/18−9:58標17/18−10:02日本コバ(934.2m)山頂。休憩−10:20発−10:32渡渉−10:35渡渉−10:38標14/18−10:42政所への分岐−10:48P865m-10:50政所⇔川西RP6、標12/14−10:53衣掛山(870m)休憩−10:55発−10:57箕川政所分岐−11:02標10/14−11:06標9/14−11:09標8/14、RP4尾根折り返し、山腹の細い道続く−11:14標7/14−11:19標6/14、RP3−11:23標5/14−11:25標4/14、RP2−11:31標3/14−11:33標2/14、RP1−11:40標1/14→林道−11:59Ⓟ着
※ポイントをひとつずつ拾って記録してみた。細かな渡渉も多いので、それもできる限り記録した。おもしろくもなんともないけれど、感じはつかめるだろう。(洞井)
目的はザックに慣れる 良I
トレ第一弾の目的は、計画書には「冬靴に慣れる」とあったが、特別に「ザックに慣れる」にしてもらった(勝手に、かもしれない・・・)。
ようやくザックを新調したのだ。適応力に乏しい心身を持つ者としては、@体に慣れさせ、A使い勝手に慣れるということも重要なのだ。@の面では、腰のパッドが硬く、翌日も背負った結果、一部では「悪魔の尻尾」と囁かれるタンコブがまたまたできてしまった。これをどう克服するか、悩ましい。Aの面では、今までと雨蓋のポケットが違うので、何をどこに入れるか、必要なものを必要な時に素早く出し入れするために、特に冬はよく考えなければ。ピッケルやスコップの取り付け方法にも慣れなければ。こちらは徐々に解決していこう。
さて、日本コバ。登りは沢コース、下りは尾根コースだったのだが、樹林帯は気持ちいいし、岩屋の大きさには驚かされたし、山頂直下の沢はいい雰囲気だし、良い山だった。が、下りは、必死過ぎてどこを歩いているのかも分からず、とにかく汗だくになって、足を動かしたという感じ。やっぱり皆についていけない。「下山に慣れる」日は、永遠にやってこないようだ。
半年振りの冬靴 洋S
鈴鹿山系日本コバに行ってきました。目的は冬靴に慣れる、です。春合宿以来、半年振りに冬靴を履きピッケルを持っての山行です。
階段となった登山口から始まります。谷沿いの道を奥に進み沢を何度も渡渉していきます。高度を上げていきますと大岩が現れ登りきった所に「岩屋」があります。入口は狭いですが、中は10畳ほどの広さの空洞です。分岐を左に折れ、湿地帯、沢を越え樹林帯の中を登りきると頂上にでます。下りは衣掛山を通り政所川西の集落に下りました。川沿いの舗装道路を通り駐車場まで歩きまいた。
冬靴はソールが硬くバランスが取れにくく、落ち葉、濡れた土・根で滑りそうな所をピッケルで何度も救われました。合宿に向け冬靴、冬装備に慣れていきたいと感じました。
合宿トレスタート 孝K
2013年冬合宿のトレーニングスタートです。光栄なことにトレーニングの口火を切る重要な役目に立候補し承認された。トレーニングといえば黙々と歩け、ひたすら登りが続く伊吹山と思い提案したが評判がよくなく、良Iさんのアドバイスで日本コバに急遽変更。非常に珍しい名前なのでネットで調べてみると、日本一の木材集積場(こば)が転じたという説と登山途中に休憩所(コバ)を2回(2本)経ると山頂に至るという説が有力とのこと。
登山口は永源寺ダムの近くの深川谷。沢沿いの道を渡渉を繰り返しながら登っていく。登山道には紅葉やブナの落ち葉で埋め尽くされている。山の紅葉は終わってしまったが、時期が2週間早ければ素晴らしい紅葉の道であることは容易に想像できる。沢を詰めて尾根に上がりきる直前に岩屋とある。岩にくぼみがあるため、これが岩屋かなと思っていると洞井さんから岩屋を探せと指令がでる。どうやらこれは本当の岩屋では無いらしい。しばらくみんなで探すとこれが岩屋との連絡が。岩にぽっかり穴が空いており中に入ってみると想像を超えた穴の大きさ。こんな見所があるとは。
さらに頂上を目指す。すでに頂上に近いはずなので沢がいたるところに流れており不思議な風景。沢を何回か渡渉し、最後の樹林帯を一気に上がると頂上に飛び出す。さすがに寒い。頂上で少し休憩し衣掛山を通り一気に下山。こちらも登山道は落ち葉に覆われすべりやすい。鈴鹿にありがちな木の根も露出しているため転倒に注意が必要だが、5時間程度の山で変化に富んでおり非常に楽しめる山でした。さすが岩田さんと納得。これが合宿トレーニングかと思うくらい楽しい山でした。是非みなさんはトレーニング以外の新緑か紅葉に時期にお勧めです。