2013.12.15鳥取・大山(1709m) 
山頂は真っ白、でした。

 

           

 


五合目付近から>

 


山頂にて>

 


洞 井 孝 雄

 鳥取県の大山寺で開かれた中国地方協議会(岡山、広島、鳥取、島根、山口)の救助隊交流集会に呼ばれて講演した。愛知県連には救助隊がないのだけれど、救助隊のある地方連盟も少なくない。取り組みや事故事例の報告を聞いていて、ヘリの普及やセルフレスキューが一般的になりつつある今、地方連盟の救助隊の出番は多くないが、それぞれの地元で警察を含めて山岳関係者と連携をしながら、自分たちの身近な山域での救助活動や安全登山の普及に取り組もうという今後のあり方を模索しているのが印象深かった。

 その翌日の12月15日、岡山県連の救助隊メンバーたちと大山に登った。宿舎を一歩出ると一面真っ白の世界。11月に一度あったという降雪はいったん消えて、二日ほど前から雪になったらしい。ラッセルをするほどでもなく、さりとて凍っているわけでも、地肌が出てしまうほど少なくもない。この雪が根雪になって、その上に降る雪が春まで残るのだろう。私には今冬初めての雪山である。

 8時半過ぎに旅館を出発。天候は曇り。持参した冬装備に着替え、ひっそりとした旅館街を抜けて登山口に向かう。車道の脇の登山口から夏道登山道の、よく整備された緩やかな段差の道を登っていく。阿弥陀堂を過ぎ、一合目のベンチで衣服調整。体が温まって、風もない。この付近はまだ山の中にいるという感じがしない。三合目、四合目、1200m…標識がよく整備されて、少しずつ標高を上げていっているのがわかる。荷は軽いのだけれど、二週間ぶりの山だ。息が上がっているのが情けない。

五合目からは樹木がまばらになる。樹氷が美しい。六合目の小屋で一息。晴れていれば宍道湖の先まで見通せるということだったが、今日は弓ヶ浜の輪郭が遠望できただけでもよしとしよう。小屋の上は傾斜が急になり、つづら折りの雪道を一歩一歩登って行く。溝の中を登るような感じで、頭の上では風が唸っているが、体には当たらない。八合目近くからはガスが濃くなり、やがて、視界も十数メートルくらいになった。足元は木道の緩やかな登り。まだ雪が少ないので、踏み外して落ちると大変である。視界はますます悪く、吹き付ける風も強くなった。山頂小屋脇を通って山頂(弥山1709m)に立つ。標識以外は何も見えない。

小屋で休憩後、下山に移る。風から逃げるように山頂部から駆け下る。七合目から六合目にかけての急な斜面では足を踏ん張るようにして下ったせいもあるのか、大腿四頭筋が攣りはじめ、痛みをこらえてだましだましの下山になった。五合目から道は樹林の中の緩やかな段々に変わる。一気に登山口に下りて、旅館街を抜けて宿舎に戻った。13時。

宿舎に着いて、すぐに飛び込んだ風呂の暖かさと言ったら……。

 

【記録】8:13発〜8:35阿弥陀堂〜8:40一合目。衣服調整8:46発〜9:05休憩9:08発〜9:11三合目〜9:23四合目〜9:29/1200m〜9:37五合目。休9:42発〜9:47/1300m〜9:58六合目小屋。休憩10:05発〜10:17七合目〜11:01大山(1711m)山頂〜11:05山頂小屋。休憩11:30発〜12:01六合目。休12:10発〜12:30/1100m〜12:50登山口〜13:01宿舎