<日程> 2014年1月25〜26日

<目的> 冬山の状況判断をしながら、雪上技術の実践をする

<ルート> 濁河温泉〜飛騨頂上〜継子岳往復

<メンバー> L・会計:良I、食担:孝K、記録:光K

記録

25日 天候:晴れのち曇り

05:00 阿久比町役場P発

08:00 濁河温泉着

08:20 P出発、昨年ほどの雪は無くラッセルも必要なし、かつ、トレースがしっかりついている。仙人
滝と山頂への分岐も間違えずに通過。

09:20 7合目着、1時間足らずで昨年のテン場に到着…。積雪量で全く違うと改めて思う。

10:00 湯の花峠着

13:30 森林限界着、アイゼンを装着。夏道はトラーバースのルートで雪崩の危険があるため直登ルートを取る。稜線に出ると視界は良好であったが、天気が下り坂のためか強風が吹いていた。

16:10 五の池避難小屋着、避難小屋の入り口が凍り付いて開かなかったが、何とかこじ開けた。他の客もいないため、小屋の中にテントを張ったが、非常に暖かく床が平らで快適そのものであった。

20:00 就寝、夜半過ぎに風はさらに強くなる

26日 天候:雪のち曇り

05:00 起床、強風と視界が悪いことから剣ヶ峰は諦め、下山することに決定。

08:30 避難小屋出発、強風とガスと雪のためアンザイレンで確保し直下降ルートを取る。が、昨夜の雪で昨日のトレースは全く見当たらず、たった200M下るのに2Hもかかった…

10:30 森林限界着、ここからも昨夜の雪のためトレースが全て埋まって全く分からない。アイゼンをワカンに変えてラッセルで進むが右往左往するため沈みまくる…

13:00 湯の花峠、湯の花を過ぎてようやくトレースが見え始めた。

14:00 P着、温泉に入って生き返る!

20:00 阿久比町役場着 <記録:光K>

 

遠い山頂                     孝K

厳冬期三千メートル越えを狙い、御岳にいってきた。ルートは濁後温泉から入り、途中でテント泊し条件がよければ御岳頂上を狙う。去年同ルートを良Iさん、Mさん、光Kさんが挑戦し深い雪で撤退させられたルート。

今年はトレースが残っており一気に五の池冬季避難小屋まで到達。2階にある入り口は凍結しており、ピッケッルで氷を砕き、ピッケルをテコのようにして扉を何とか開く。まだ新しい小屋なのでとてもきれい。天井は低く広さもあまりないので4、5テンと2、3人テントは貼れそう。外は日が落ちると共に暴風雪となってきたが、避難小屋の中は風もなく快適。避難小屋利用はお勧めです。

2日目は相変わらずの暴風雪で撤退の判断。視界は数メートル程度のためはぐれないため、ロープで結ぶ。コンパスとGPSで位置を確認しながら森林の一部にある登山道を目指す。視界が無いので見つけるのは困難だがGPSにより到達。森林限界以下に入り一安心と思ったら登った時につけたトレースが無い。今度は地図と赤テープを頼りにあっちにいったりこっちにいったりで下山を開始。

下山の場合、道を間違えると登り返しになるため慎重に。途中からはトレースも復活し、濁後温泉登山口に。今回は視界不良、道探しなど経験ができて勉強になった山行でした。3千メートルの山はなかなか登らせてくれません。

 

残すは気力のみ                光K

最近はまともに山行に行っておらず、宿泊での山行は7月以来。かつ、積雪期の3000m級…不安以外何もない;; 何度も断ろうかと思ったが、色々な思いもあり結局行くことにした。

不安は外れるはずもなく大当たり…雪上での歩行のため足元のバランスが悪いうえに雪で重くなる足元とザックの重さが一気に体力を奪っていく…森林限界を超えて飛騨山頂までの急登まできて、残っているのは気力のみ。登り始めるものの、両膝両手を着いて何度も休まないと登れない。これ程苦しい思いをしたのはかつて有っただろうかと思うほど苦しかった。

見かねた良Iさんから森林限界まで下山しようと何度も提案されたが、正直、下山する気持ちは微塵も無かった。登山は自分が好きでやっていること、できなかったことができた自分に出会うため、達成感を得るためにしていること。その気力のみで登っていた。とは言っても、一方で自分のエゴで皆を危険にさらす訳にはいかないので、西に沈んでいく太陽を見ながら、冷静に判断している自分もいた。

結局、気力で登りきることはできたが、二人には不安な思いにさせてしまい大変申し訳なかったと思っています。すみませんでした。そして、ありがとうございました。

 

3人の力で                    良I

森林限界のところで14時を過ぎたら、今日は登らず、ここでテントを張ると決めていたのだが、ギリギリ間に合った。ここからは、トラバースする夏道は通らず、稜線を目指して登る。これは4月に登った経験が役に立った。そして太陽との競争になんとか勝ち、ギリギリで冬季避難小屋に辿り着いた。

ここでまたひと騒動。戸が凍りついて開かないのだ。こんな強風のところにテントを張りたくない!スコップやピッケルを駆使して、頼もしい男性陣が開けてくれた。中はきれいだ。テントを張って、ようやく寛げた。風の音がどんどん増しているが小屋の中は快適だ。気温も高く、暖かい。しかし、夜通し風の音がすごくて、ビビリなので明日の事が気になって眠れない。稜線が歩けないほどの強風だったらどうしよう。ホワイトアウトで何も見えなかったらどうしよう。と考えているうちに朝になる。

この風とガスと雪ではとても剣ヶ峰には行けない。このまま下ることにする。アンザイレンで、まずは稜線を行き、あとはコンパスを頼りに下る。視界のきく範囲で目指す物を決め、下って行く。と言っても、確認のため、たま〜にGPSの力も借りてしまうのだ。昨日の自分たちの足跡は、まったく残っていない。林の中に入っても、きれいさっぱり残っていない。相当に積雪があったようだ。自分の中で、8合目あたりから上部は、よく覚えておこうと思いながら登ったものの、それより下部で昨日の今日で、あんなに深かった歩いた跡が消えると思っておらず、途中途中で、迷いながら下り続ける。しっかり地形を頭に刻んでいなかったのが失敗だった。考えた時間の1.5倍ほど掛かって下山した。

3人がそれぞれ力を出し合った(出し切った)おかげで、楽しくかつ厳しい山行ができたと思う。誰が体力?誰が知力?そして誰が権力!?