両白山地  三方崩山 (2059m

 

<日程>

2015年 4月 6日(月) 曇りのち雨

 

<山行目的>

雪山で体力作りをする。

 

<ルート>

道の駅飛騨白山〜1624m過ぎ〜道の駅

 

<メンバー>

L:達也W SL:良子I 会計:厚子N 記録:優子S 

 

<記録>

4:00 阿久比町役場P発

6:15 道の駅飛騨白山P着

6:45 車道を横切り登山口へ

雪の状況を確認しつつ、林道沿いではなく先へ登り進める。

7:21 大きなデブリの手前で休憩(10分)突然の落石があり注意を喚起。

8:15 1244m地点から東へ伸びる尾根へ到達。アイゼンを装着。15分休憩。

太い木の根が張り出したやせ尾根にとりかかる。

9:15 1244m地点着。ここからは少し緩やかな傾斜となり、緊張感からは解放される

9:45 1372m地点着。雨が降り始める。15分休憩。

10:45 1624m地点。前方はナイフリッジ。ここからの進退判断はリーダーに。

「GO!」サインが出てコンテニュアンスの準備。20分休憩。

11:25 右も左も谷になっている雪陵を少しだけ体感した後、折り返す。スノーバーを使用
してザイルを張ってもらい、確実な下山を開始。

12:10 1624m地点。10分休憩。コンテニュアンスで下る。

12:50 1244m地点。一旦ザイルを外したが、やせ尾根で再びザイルを使用。

14:30 林道に出合い、ザイル、アイゼンを外す(2名)

14:50 道の駅着


連日天候不順

達也W

 連日の天候不順にちとうんざり。満開の桜も寂しそうだ。折角、久しぶりに雪山に誘われたのに、中止しようかと心は萎える。三方崩山の天気を調べると、山行当日は曇り小雨となっている。どっちみち天気は良くない。現地判断としましようか。

 飛騨白山の道の駅で身支度を済ませてR156を跨げば三方崩山の登山口はあるはずだが・・・・・その登山口の1歩目からドッコイショと1mの雪壁をよじ登り1月以来の雪山登山が始まった。仕舞っていた冬装備はまた陽の目を見ることになった。

空はどんよりとしているが、適当に雪上を上の登山口を目指した。トンネル付近は押し出されたデブリのたまり場で上方からは落石が音もなく滑り落ちていく。当初、谷を詰めて南に派生する尾根に上がろうかと思っていたがやばい。適当な所から東に派生する尾根を目指すことにした。肌に感じないほどの小雨が降っている。雪で覆われたブナ林の雪の急斜面は結構きつい。詰め上がった所から1244mへの急登を這い上がる。この尾根には可憐なイワウチワが咲きほころぶのだ。踏みつけてごめんね。

南から派生する稜線に出ても先行する3人の女性メンバーの姿は見当たらない。休憩無しで先へと進んでいる。空はますます曇り、みぞれと思しき小雨が肌を打つ。白ハゲのところで追いつき、見上げればいよいよ超1級の雪稜が眼前に姿を現した。コンテで行くことにした。風はないが少々の雨がある。結局はザイル4ピッチほど登った。下りはスターカットで慎重に下りた。休憩もソコソコに、そのままコンテでトンネルの登山口まで下りた。寒いという感じはしなかったがカッパは結構ビショビショだった。まだまだ傘マークがついています。

 

初めての体験がいっぱい

             厚子N

 今回の山の名前は三方崩山といい、今まで聞いたことがない山でした。道の駅「飛騨白山」の前の道路を渡り一メートルほどある固い積雪の上をよじ登って、ココは林道と言われた雪で覆われたところを直登した。

雨でも降って雪が解け穴が開いてるのか、おかしな形をした雪だな・・と思っていたら雪崩の跡“デブリ”と教えていただいた。途中「ラーク!」の声に驚き、かなり離れたところではあったが、落石が飛ぶように落ちる。なぜ人も居ないのに落ちてくるのか?雪が解けて崩れ、石が落ちると教わった。

山頂までずいぶん遠く、途中痩せ尾根が見えると、ココから初めてのアンザイレンで歩いた。ザイルで繋がれた安心感もあったがもし落ちたら・・と思うと不安もあった。山頂まで行くことをやめ下山することになったが途中足を滑らせてしまいSさんに止めていただき安堵した。

そして今度は雪に片足がはまってどうにも動けなくなりまたまたSさんに救助していただくことに。

今回の山行は合宿前とありトレーニングのつもりでしたがペースの速いメンバーには着いていけず、自信喪失。すっかり落ち込んでしまいました。次回のトレーニングでがんばるしかない。

途中、ふきのとうがいっぱいありお土産にいただいてきた。かわいらしさに少しホッとした。ありがとうございました。

 

手ごわいです

良子I

夏なら車で林道を行くのに、雪で林道の入り口が分からず、ここで既に悟りました。山頂まではとても行けないな、と。そして林道の終点まで来ると、デブリがてんこ盛りになっており、さらに、音のしない落石が。私が雪の上の音のしない怖い落石をはじめて体験したのは、まさにここでした。まずはデブリの上を慎重に歩き、上部からの落石に注意しつつ、早く谷から逃れるべく、尾根を目指します。雪が多くて、その分、歩きやすかったのですが、尾根に出ると、地面が出ているところもあって、急斜面をイワウチワの群生に謝りながらの歩行となりました。たくさんのブナの木々の周りは、春らしく、雪が融けています。下を覗いた感じでは、主稜線では2m〜3mくらいの積雪でしょうか。稜線が狭くなる手前でロープを出し、アンザイレンで登りましたが、雨がその1時間ほど前から降り出し、ガスも出てきたし、ということで、ここでタイムアップ。下りは登りより慎重に、ロープで確保しながら歩きました。夏でもかなり長いルート。この季節に行くには前夜発でも難しいのかも。手ごわい山でした。

 

連帯感

優子S

春が来ているというのに、まだ雪が残っているところを求めて行ってきました。今回初めて個人山行でご一緒させていただいたリーダーのW田さん。若い頃、夜行電車に乗って北アルプスに通ったということですが、今では白いお髭とてもお似合いです。○十年前はとてもかっこいい好青年だったんだろうなぁと思いを馳せながら、たくさんのことを初経験させてもらいました。

まずはデブリに初めてのご対面です。「デブリ」という言葉、ボコボコとした塊、柔らかいのか硬いのか、そんなこともわかりませんでした。 

 そして突然の落石。自然現象でおこる落石にあたらないようにするためには、尾根に出るまで上方に注意して歩くことでした。同じ場所を下るときには、最後尾のリーダーがメンバーの安全を確保するために後方を確認しながら歩いてくださいました。

 そして今回の核心部。前方には真っ白な雪の稜線が待ち構えています。天候も視界もあまりよくなく1624m地点からの進退をせまられましたが、ザイルを使って登ることになりました。「メンバー全員を確実に確保する」ために準備をするL、SLの姿、言動は今でも心に焼き付いています。自分にできることといえば、指示どおりのことを手早くして、あとは全体の流れを見て感じ、補助をするということでした。気の引き締まる貴重な体験ができたことに感謝します。

下りでは、アンザイレンの最中にハプニングがおこりました。アンザイレンの経験はあったのですが、今回は自分の前を歩く人が滑ったのです。私もつられて転びそうになってヒヤッとし、これはまずいと思いました。すると、後ろからグッと支えられ、踏ん張ることができ、結果私は転ぶこともなく、おまけに転んだメンバーを支えることもできたのです。最後尾のリーダーのお陰で助かり、連帯感を感じた瞬間でした。会に入ってプルージックを学び、何回か実践したこともあったのですが、今回はじめて必要性と効果を身を持って学ぶことができたのです。

頂上までは届きませんでしたが、それ以上に学ぶことがたくさんあり、とてもいい山行でした。再チャレンジもしたいし、夏にも行ってみたいと思います。「経験」を積むことで多くを学び、「安心・安全登山」を続けていきたいと思っています。