2015.4/11・12 ロードセル研修と岩登り

 

 

 

4月11日(土)・12日(日)の二日間、六甲の岩場のひとつとして数えられる百丈岩に出かけた。県連盟で確保技術講習会の際に、確保支点にかかる衝撃荷重を計測し、データを取り込んでグラフでその衝撃を可視化するロードセルという機器とプログラムを作ってもらったので、その使い方を実地に学ぶ研修会を開くことになり、登山学校のコーチ会議のメンバーを核に、加盟山岳会の遭対担当者に参加を呼びかけた。

 当日参加したのは5山岳会から11名。半田ファミリー山の会からは板津彰伸、三郎0、裕幸T、洞井孝雄の四名が参加した。

 

【百丈やぐらとロードセルの紹介】

 神戸市北区の百丈岩の麓に,
鉄骨製のやぐら(ロッククライミングの確保訓練用タワー)を設置し電動ウインチ、デジタル計測器(ロードセル)を備え(ロッククライミングの確保訓練用タワー)確保訓練、確保技術の研究の場となっている。

 ロードセルは、力を検出するセンサーです。荷重が加えるとそれを電気信号に変換します。荷重(力)を電気信号に変換する荷重変換器とも呼ばれます。この電気信号をパソコン側に取り組むことにより、どれだけの時間でどれだけの荷重が加わったかグラフ化できるソフトになっている。同時にプリントアウトもできる。

 

 

 

 

 


久しぶりの休日の岩場

板津彰伸

 県連の登山学校のコーチ陣と一緒に神戸市の百丈岩の麓でロードセルの講習会に参加してきました。講習会と聞いていたので机上講習だと勝手に思っていたがクライミングの装備で15mほどの鉄骨製のやぐらでの講習会だった。久しぶりの高度感で、緊張した。

 クライミング中に万が一トップが落ちた時、支点にかかる衝撃荷重は大きい。頭の中では理解しているつもりだが、実際にグラフ化されたデータを見ることが出来る装置の使い方の講習会でもあった。

 大阪労山の会員の指導のもとザイルに繋がれた40kgの重りを実際に落とし確保者(セカンド)がいかに支点にかかる荷重を少なく出来るかの勉強会にもなった。初日はこの装置のセットの仕方やデータの出力方法などを学んだ。トップはランニングビレーを取る瞬間に落下すると大きな衝撃がかかる。(支点も破壊する恐れがある事を肝に銘じなければならない。)

 2日目は、百丈岳のクライミングとなった。壮大な岩場で名前の通りすごい迫力のある岩場である。私のパーティーは森、祖父江となり最初は3級程度の岩場を登り中央稜下部岸壁にたどり着く。すでに洞井さん達が井戸ルートを登り始めている。遠くで見るクライマーは怖そうだけどかっこいいものだ。私達は西稜ルート?を、登ることになった。リードは森さんなので気楽なセカンドとしては余裕のつもりだったが、トップの登りを見ていると大変苦労して登っている。緊張感が自然に沸いてくる。森さんのザックに自分のザックを入れると重さは増すがセカンドなので安心して登り始めるが想像以上に難しかった。久しぶりの休日を岩場で過ごすことが出来た。1年間のブランクも大きいが、山も楽しいと感じた。充実した2日間でこれをきっかけに山に入っていこうと思う。

 

ロードセルと百丈岩中央稜

洞井孝雄

 4月11日(土)から12日(日)にかけて、裏六甲東部に位置する百丈岩に出かけた。11日は大阪府連の『百丈ヤグラ』でのロードセルの使い方研修、12日は中央稜を登った。

 ロードセルを使っての確保技術講習は、長年の県連の課題だった。任意団体の常で、前にあったものが一度姿を消すと、それは「なかったもの」として認識され、踏襲される。かつては愛知県連にもあって、制動確保を、自分たちの「感覚」とデータ、波形グラフによる「視覚」の両方で確認していたのに、この10年余り、故障して放置されたままで、機器を使えるメンバーがいなくなり、それがどんなものかを知っている人も少なくなって、遭対部も周囲の仲間たちの腰も上がらず、話が前に進まなかった。やむをえず、私のルートで大阪府連のメンバーに製作をお願いした。昨年11月にはすでに出来上がって、使用法や調整の日程もメンバーも昨年のうちにやることに決まっていたのだけれど、悪天で延期、今回の実施となった。結果的には参加メンバーが増えて、いい研修になった。

 ロードセルは、トップが登っていく途中で落下した際、中間支点にかかる衝撃荷重をデータに変換してPCに取り込み、支点にかかる衝撃荷重の変化を数値とグラフによって確認するシステムである。

 百丈ヤグラは、三重県にあった石岡高所安全研究所のヤグラ(故石岡繁雄さんが私費を投じて建設、半生をかけて実験を重ね、「ナイロンザイルは切れる」ことを証明した)を模して、大阪府勤労者山岳連盟が独自に設置したものだ。石岡さん宅のヤグラはもう取り壊されてしまったが、10年近くも愛知県連で使わせていただいて確保講習をした時のことが思い出されて、懐かしかった。

 翌12日は、愛知のメンバー同士でパーティーを組んで百丈岩を登った。西壁、西稜、中央稜、東稜、中央稜下部岸壁などけっこうスケールのある岩場で、前日の研修のあと、大阪府連のメンバーに取り付き周辺を案内してもらったのだが、どこを登るか、ということになると初見では見当がつかない。私たち(洞井−三宅−清水)のパーティーは下部岩壁手前の踏み跡を上がってトラバース道に出、中央稜の「井戸」と呼ばれているルートを登ることにした。トラバース道を一段上がった小さな立木のあるテラスから左の壁の下に狭いルンゼが続いている。右側はリッジ状である。ルンゼの中にもリッジ上にも、残置のハーケンやボルトが並んでいる。濡れた落ち葉と泥のルンゼを直上し、段差の部分から右手のリッジに移る。ホールドは多いが外傾している。数メートルも登ると壁が立ってきたので左側のルンゼに入り、突き当りまで登って一息いれる。身体を持ち上げるときに左手を痛めたらしく、中指が痛み、感覚がない。ここでピッチを切って、まず三宅に上がってくるよう合図する。本来ならここから右手の狭い凹角に入って数m上の立木でピッチを切るのだが、手の痛みも重なって、ビビリの虫が頭をもたげている。次の一歩を踏み出すことがためらわれ、さんざん逡巡の末、やっとのことで凹角に移って、立木で支点をとる。ここまで三宅に登ってきてもらい、そのまま確保してもらって右上の岩の上に出、直上して中央稜の頭に抜けた。三宅、続いて清水が登ってくる。天候は晴れ、高度感十分、周囲の眺望も素晴らしかった。ただ、岩が立っていて、見た目ほど簡単ではなかった。

考えてみれば、昨年の秋以来、岩に触ったのは半年ぶりであった。初見のルートは面白いけれど、怖い。

 

実体験が良い

三郎O

 兵庫県西宮市にある「百丈やぐら」に登山学校・遭難対策部のメンバーで行って参りました。目的は負荷測定器(ロードセル)を使っての40kgの重りを2m墜落させた時の衝撃荷重を測りながら、色々な方法を試して、止め方による違いを実証体験する物でした。 実際にガッツリ止めると約350kgの衝撃が上手に流しながら止めると約220kg位まで減少することが分りました。しかし実際に目の前で落ちた時に流して止めれるかは別問題です。多分、私は咄嗟にガッツリ止めてしまうだろうなって思います。 流して止めるには相当のトレーニングが必要でしょう。ともかく今年の確保訓練では新兵器としてロードセルが登場するかも知れませんので皆さま、お楽しみに。

 二日目は百丈岩(ローソク岩)に挑戦

見た目も怖いのですが・・50mの垂直岩は見た目以上に怖かったです とは言え楽しく過ごせ価値ある二日間でした。最後に、ご指導、実習サポートをして下さった大阪府連の方がたに感射申し上げます 一日中付き合って頂き有難うございました 最後のローソク岩下見ツアーが大阪府連の厳しさを物語っていました。

 

確保

裕幸T

 危険な山(岩)登りをする以上、少しでもリスクを減らし安全に登ることが大切。危険な箇所では万が一落ちたときのための確保が重要になります。今回その確保時の荷重をロードセルを用いて測定する方法を大阪労山の方に教えてもらう講習会に参加しました。実際にダミーを落とし、それを確保した時の荷重の推移を測定。確保と同時に荷重がどのように変化していくかが数値(グラフ)で見ることができ、とても参考になりました。確保の仕方(ロープの流し方等)によって最大荷重を減らすことができます。但し、うまくやらないとかえって何度も衝撃を与えことになります。また、実際にはロープが伸びることや、中間支点がある場合はその抵抗があること、さらに流すことによって落下距離が大きくなること(グランドフォールのリスク増大)などを考えると、意識して流すよりもまずは止めることが一番大切だと思いました。今回、確保についてより理解を深めることができ、翌日はローソク岩を小井さんと登ることもでき、学ぶことの多い講習会でした。