北アルプス 前穂高岳(北尾根) 3090m

 

 

<日程> 2015年5月23日(土)〜24日(日)  

<天候> 晴れ

<山行目的> 残雪期の岩登り技術の向上

<ルート> 上高地〜涸沢ヒュッテ〜北尾根〜前穂高岳〜岳沢小屋〜上高地

<メンバー> L:新海時生 会計:三郎O 記録:裕幸T

<記録>

5月23日(土)

4:00 半田発
7:00 アカンダナP着

7:55 上高地着

8:40 明神着(一本)

9:30 徳沢(一本)

10:25 横尾(一本)

11:20 本谷橋(一本)

12:45 涸沢ヒュッテ着


5月24日(日)

3:35 起床 朝食、準備

4:20 出発

4:50 衣服調節

5:30 6−7のコル(一本)

          5−6のコルのつもりだったが、GPSで確認すると6−7のコルだった。

          ピークを一つ余分に登れる!

6:00 6峰

6:15 5−6のコル(一本)

6:55 5峰

7:00 4−5のコル(一本)

7:50 4峰 3峰取付にて3パーティ待ち

8:40 核心部はスタカットで2P その後コンテで2峰まで

10:10 2峰を懸垂で下りて、

10:20 前穂高岳着(一本)360度の眺望

10:50 下山開始     ダイレクトルンゼから奥明神沢の雪渓を下って岳沢へ

12:50 岳沢小屋(一本)

14:40 上高地着

残雪期 終了

               新海時生

 3度目の前穂、北尾根です。本来はNさんを連れていくために立てられた計画だったのですが、またしても「ちょっと待った!」がかかりました。Nさんに対し「体力的、技術的に疑問があり、積雪期に連れていくのはいかがなものか?」という事でした。雪の合宿には参加させ、もうこの時期(特に今年は)稜線上にほとんど雪は残っていないのですが・・・。リーダーである僕が責任を持って連れていくと言っているのに「何かあったらどうする?」の連発です。体力で落とすのなら、合宿になど到底参加できそうもない人が性懲りも無く入っているのもちゃんと山行管理してほしいものです。

 とか言っていてもダメなものはダメなので、今回はメンバーを変更して出かけました。この二人を連れて行っておけば、後々他の会員への伝承はまかせておけます。二人とも本当に頼もしくなってきました。あとは経験だけで、もうすぐ会の中心になってやっていってくれるでしょう。ぼくが付き合えるのもそう長くないでしょうが、手伝えることがあるのならもう少し頑張ろうと思っています。

 北尾根は予想通り稜線部に雪はほとんどありませんでした。ただ所々に少しずつ現れるのでアイゼンは外せなく、邪魔くさいのですが最初に1峰手前の六・七のコルに上がってしまった(僕のミスです)事以外はとても順調に進んでいきました。三・四のコルまでロープも出していません。さすがにこの二人だと、出そうかなと迷う事すらありませんでした。ただルート取りは無雪期とも積雪期とも微妙に変わり、判断には迷います。核心部、三峰のクライミングはO君にリードをまかせ(しょっぱなにワザと難しい方のルートを攻められ、こっちの方が冷や汗かきましたが)なんなくクリア。曇り予報、雨まで心配していたのに前穂の頂上では快晴無風の中、槍穂を始め360度の展望をゆっくりと楽しむことが出来ました。     

下りの奥明神沢は直下の雪がもう無いので明神岳への稜線をしばらく巻いた後で沢に降り、コンテで慎重に下りました。途中2か所積雪が切れ、心配しましたが無事通過。岳沢から賑やかな上高地まで皆元気に帰り、また楽しい山行が1つ終わりました。Nさんには申し訳ない事となりましたが、またいつかこのお返しはさせてもらいますのでお許しください。

これで5月に続いた残雪期バリエーション山行がすべて終了です。天気には割と恵まれ雪は少なかったのですがどれも皆楽しく完登でき、少し肩の荷が下りました。疲れもたまってきており、しばらくの間お休みしようかと思っています。

                                    

晴天に恵まれ。

三郎O

 前穂高 北尾根ルートに行って来ました。

土曜日は曇り、日曜日は雨の予報が一転

残雪の照り返しがきついほどの晴天に恵まれた。涸沢ヒュッテで朝食3時半に食べ(朝食をお弁当に変えて貰っていた)4時過ぎには出発、玄関にはハーネス・アイゼン姿の登山者が数名いて聞く処、北穂の東稜(ゴジラ)に行くとの事でした。

カールを登りコルを目指す、起きたばかりの体には結構辛い登りだ。コルからは先頭を行かせて貰った。何処からでも登れそうだが、雪つきの岩にルートを遮られたり惑わされたりする 4峯では「大岩に出くわしたら奥又白側にトラバース」と思っていたが、その手前で涸沢側にトラバースしてしまった為に、ルート復帰に迷惑を掛けてしまいました 私の行ったルート先に残置の懸垂支点ロープがあり、人工物を見るとついつい正しいと思って吸い寄せられてしまった、後から思えばルートミスして懸垂で降りた残置だったのでは無いかと思います。

そんなロープが至る所にありましたので今後行かれる方はご用心を。4峯に到着し3峯の取り付き点を見下ろすと2組の先行者の姿がありました。4峰で待つ事30分、 先行パーティのセカンドが取り付いたのを見はからって移動。 3峯をアイゼン装着で行くのか外すのか悩んだが私とTさんは外して行く方を選びました。 さぁ、いよいよ核心部3峯です、取り付き点から直ぐに厄介な大岩があり左から巻けば容易ですがあえて、右ルートに挑戦。全身を使ってクリヤー このポイントが一番難しかったように思います。初登の為ルート取りが難しくロープのランニングビレーのポイントと支点の長さが、不適切だったようでS字に登ったルートの岩にロープが擦れ抵抗となり登りながら綱引きをしているようでした。 

スタカットで1ピッチ目をクラックの下まで、2ピッチ目をオープンブックの上部のポイントまで進み、あとはコンテで、3峯そして2峯の頂へと進む。 懸垂下降で1・2のコルへ そのまま前穂高山頂へと登り無事到着の握手を交わしました。しばらく休んで奥明神沢ルートで下山。無事に下山出来て、上高地から前穂高を見たとき普段は感じない達成感を珍しく感じました。

今思えば、本当の核心部は4峰のルート取りと山頂から下りの奥明神沢だったような気がします。有難うございました。

 

ぐるっと明神一回り!

裕幸T

 穂高には魅力的な山や尾根が数多くありますが、前穂高岳北尾根もその一つです。涸沢側から見たのこぎり状の尾根は一度見たら忘れられないほど印象的ですよね。

 今回のルートは前日に上高地から横尾を経由して涸沢に泊まり、翌日北尾根から前穂−岳沢経由で上高地へと明神岳をぐるっと一回りといった感じです。

 涸沢ヒュッテでの朝はいつになく寝起きが悪く、調子はイマイチ。朝食もそこそこに、外に出ると予想外に天気は良さそうです。でも尾根までの雪渓を見上げると憂鬱になります。歩いても、歩いても、なかなか着きません。先が見えている分だけ辛いのかもしれません。それでも尾根まで上がれば後は楽しみだけ。着いた尾根は6−7のコル。ピークを一つ余分に登れる?雨も覚悟していたのに、空は快晴、風もなく、先週に続き最高のコンディション。今月は本当についています。六峰、五峰、四峰と登り、三峰でロープを出して2Pスタカット、その後はコンテで2峰まで、懸垂で下りて登ればもう頂上。気分は最高です。涸沢小屋泊まりは楽で良いです。

 問題は下りです、岳沢小屋の情報では、雪解けが早い分だけどのルートも微妙な感じです。結局、前穂ダイレクトルンゼ(一部雪渓が切れていましたが問題なくクリア出来ました)から奥明神沢へ合流し岳沢まで下った。後は一般道を上高地まで、外人さんや修学旅行生で賑わっていた河童橋から明神岳を見上げ、昨年苦労したことを思い出しました。