北ア 北穂高岳(東稜・滝谷)3106m
期日: 2015・8・14(金)〜16(日)
目的: バリエーション・クライミング
ルート: 上高地〜涸沢〜東稜〜北穂〜滝谷(ドーム)〜涸沢〜上高地
メンバー: L:新海時生 良子I 裕幸T(会員外・SL:宗則I)
記録:
8月14日(金)
3:30 半田 発
4:20 津島(I宅)着・発 2人と合流。車はT車。
7:30 平湯あかんだなP 着
7:50 〃 発(バス)
8:20 上高地バスターミナル 着 小雨。人はまだ少ない
8:30 〃 発 とりあえずカッパ無しで出発 ザックが久々にとても重い
9:05 明神 雨やみ暑くなる
9:50 徳沢
10:45 横尾
11:50 本谷出合(通過)途中、雨強くなりカッパor傘
12:00 休憩 ペース早く、とてもきつい
12:55 休憩(沢に合流地点)
13:25 涸沢ヒュッテ
13:30 〃 キャンプ場 着
雨取りあえず止んでいる。テン場は思ったほど混んではいないが、4.5テン張れる所は少なく、整地しなんとか・・。
テントに入り、すぐビール、ウイスキー他やりだし、3時過ぎには食担・Tシェフ特製のビーフシチュー、素晴らしい!
天気は雲も上がり、晴れ間も出て、明日への期待感いっぱいで
19:00頃 就寝
8月15日(土)
3:00 起床 外へ出ると満天の星。ヤッター! 朝食 朝からカレー
4:05 テント場 出発 まだ真っ暗。風も無く涼しい
5:10 休憩 中段の岩ガレ (南稜との分岐)前に1パーティいる
5:50 東稜の最低コル
雪渓はもうなくなり一安心。ガレをトラバースした後、ルンゼの左股を踏み
跡頼りに登っていくが、途中落石を起こし(新海)、I氏指先を負傷。
天気上々。槍が美しい。
7:00 ゴジラの背 終了 最後の核心2ピッチのみザイル確保
7:15 懸垂下降 終了
7:40〜8:00 北穂山荘 いつもながら最後の登りにあえぐ。
小屋前で少しゆっくりする
8:20 稜線分岐(ドーム鎖場下)
9:00 懸垂下降支点 取付きに下るルートは薄い踏み跡が頼りだが、いくつも別れて結構厳しい。前Pa2人待ち。取付きにも人見える。
9:25 懸垂下降 終了 50mロープいっぱい
9:30 ドーム取付き
少し登り返す。なんと9人、4P待ち
前Paの登攀を見たりして時間つぶすが、結構苦労している人多し(上のチ
ムニー)。結局2時間待ち。少し寒くなり、カッパまで羽織る。
11:30 クライミング開始 I氏 指負傷の為、@新海―良子、
AT林(リード)―宗則 とする。
1P: 40m 凹角から最後チムニーだが前の2人がチムニーに入らず、左のスラブを登っていたので真似すると意外とすんなり抜けられた。
2P: 30m 優しいリッジからスラブ。すべりにくい岩でそう苦労無し。前Paは途中のテラスで切っていたが、少し待ってもう1登りするとガレ場の中段。
3P: 40m コンテでも大丈夫そうなガレから岩を1登り。
4P: 35m 見るからにいやらしそうなフェースの右端をA0上等で登るが、最後の抜け口(チムニー状)で行きづまり、苦労してやっとつかんだ最後のホールドを握力喪失でラク! シュリンゲ、カムなど総動員でやっと登ったらフレーク崩壊で再度ラク! ガッカリの2乗!!ここのピッチグレード(4級)は嘘です。感じとしては5・8〜9
5P: 40m 凹角から最後のハングを右にトラバースする方が楽という事だったが、左のフェースの方がすっきりしていたのでそのまま登る。快適なクライミングで最後を締められてよかった。
15:10 5Pクライミング終了
3時間40分。途中明るい内に帰れるかと心配したが、なんとか間に合いそうだ。後ろPaいなくてよかった。巻き道にて少し下る(コンテ)
15:40 稜線(一般道)に出る
まだ人は結構歩いている。ザイルなどしまって帰り支度。
16:45 休憩 南稜途中 下っても下っても涸沢は遠い
17:50 涸沢テント場 着
皆ヘトヘトだが大満足。やっとガッチリうれしい握手。3人が水汲みなどしてくれている間テント前でゆっくり休む。
夕食はカルボナーラソーメン(?)
20:00頃 就寝
8月16日(日)
5:00 起床 本日も天気晴朗 昨日で満足してしまい(疲れてもいる)
予定の北尾根はヤメにして帰る事にした。
朝食ホットドック・スープ
6:15 テント撤収
6:45 涸沢ヒュッテ 発
8:20 横尾(途中休み無し)飛ばす飛ばす I夫妻
9:20 徳沢(ソフトクリーム)
10:48 上高地バスターミナル 着
「今日はゆっくり」とか言っていたがやっぱりこのメンバーでは無理だった
11:00 〃 発 (バス)
11:35 あかんだなP 着
平湯で温泉に浸かり、食事はあちこち満員で結局ひるがのSAでラーメンをすすり、津島経由で 17時頃半田着。
<記録:新海時生>
行って良かったのか?
良子I
前日に発熱。この発熱は「知恵熱」ならぬ「ビビリ熱」。2日目に予定している滝谷を想像しての「ビビリ熱」です。山の天気予報も目まぐるしく変わり、本来なら山行中はずっと晴れてほしいのですが、「前日の雨で、北穂の東稜は行けるけど、滝谷は濡れているから無理だよぉ」というのが私の理想。そんなにうまくいく筈もなく、初日の雨も夕方には止み、テント場の岩も表面が乾いてきました。やばい!?運命の2日目。まずは東稜です。東稜は私がちょうどワクワク楽しみながら歩ける所で、お天気も良くて、槍・穂高を見渡しながら、気持ちよく登れました。小屋で休憩後、滝谷で一番簡単なドーム中央稜、その取り付き点を目指します。そこまで行くのも、テクテク歩けません。懸垂下降をして取り付き点にいくと、9人待ち。登る人を見てみたいし、見るとさらに怖さが増すし・・という長い2時間を寒さに震えながら過ごし、結果、1ピッチ目も2ピッチ目も4ピッチ目も、ヌンチャク掴みまくりでした。登ってみて、私が来てはいけないところだったなと反省。だいたいクライミングが超苦手なのに、5月以来やっておらず、その感覚もすっかり忘れ、怖さばかりが先に立ち、自分で登った感があるのは、最後の1ピッチのみ。私のせいで日没になるかと思いました。ごめんなさい。唯一良かったのは、取り付き点に来た時間が遅く、私たちの後ろに待つ人がおらず、迷惑をかけたのが、自分たちのパーティだけで済んだことでしょうか・・・。もしも、もしも、ですが、もう一度、来ることがあるならば、せめて半分の時間で登れるよう、トレーニングしてからこようと思います。3日目に予定していた前穂の北尾根、これを私としてはメインに考えていたのですが、滝谷を終えて、誰しも登ろうと言わず、3日目はそのまま上高地に下りました。ということで、このままでは、もうこのメンバーの山行に入れてもらえないという危機感が募った山行となってしまいました。
滝谷は遠かった!
裕幸T
ようやく滝谷へ行くことができました。今回も出発時は時々小雨の悪天候でしたが、回復するとの予報を信じ、テン泊の重いザックを背に取りあえず涸沢まで。
翌朝は期待以上の快晴。まずは北穂東稜を登って北穂まで。稜線までのザレ場がいやらしいですが、稜線に出ると槍穂を両側に見て快適そのもの。最後の北穂小屋への登りがきついですが、北穂小屋のテラスは何度来ても良い雰囲気です。ここでのんびりしたいところですが、滝谷中央稜の取付きを目指し早々に出発。
ドームからの下山ルートを見つつドームを巻いて、ザレ場の踏み跡を辿って取付き点に無事についたときはすでに満足感で一杯でした。本当にここまでが遠かったです。飛騨側からドームを眺められただけで十分です。でも登らないと帰れません。
先行パーティも多かったのですが、天候に恵まれなんとか涸沢に暗くなる前に着けました。今回急遽リードで登ることになり、楽しむ余裕は無く必死でしたが、とても貴重な経験ができました。感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
念願、叶いました
新海時生
3年越し、今年だけで4回目。何度計画しても叶わない滝谷にお盆山行まで費やす事となりました。今回はI夫妻まで巻き込み(お2人には迷惑だったかもしれませんが)、付き合っていただく事となり、そのおかげか一発クリア! やっと念願叶いました。この夏の不運を幾ばくか取り戻すことが出来、飽きずに付き合ってくれるタテちゃんはもちろんお2人には大感謝です。
今回の山行は本来ヨーロッパから帰国翌日からのものでしたが、予定外に満を持しての出発となり、久しぶりの重装備も相変わらずの早いペースも気合で涸沢へ。翌朝は満天の星空を仰ぎながらの出発です。東稜をウオーミングアップ代わりにサクサクこなし、いざドーム中央稜の取付きへ到着すると、なんと9人、2時間待ちとなりました。しかし結果的には最終組で後ろを気にせず登れたのはラッキーでした。待つうちに気持ちも落ち着きワクワク感一杯で取付きました。予想よりレベルは高かったでしょうか、良子さんには苦労させてしまいました。リードの上、サポートまで担うタテちゃんも大変だったと思います。記録に書いた通り4Pでは2度もラクをしてしまいましたが、満足感いっぱいでクライミングを終えられました。とても幸せでした。
東稜での落石といい、レベルの読み違いといい、いろいろ反省も多いですが、これに懲りずこれからもお付き合い、よろしくお願いします。