2015.10.8
中央アルプス・大川入山(1907.7m)講座実技下見
快晴。色づき始めた山頂部。
9月から開講されている会の登山講座の第三回の実技が10月24日に予定されている。受講生の脚力と「講座で学んだことを生かして歩く」というテーマと講座のまとめにふさわしいロケーションの山域を選定するのに知恵を絞った結果、中央アルプスの南端、恵那山に連なる大川入山に白羽の矢を立て、10月8日(木)に急きょ下見にでかけた。
メンバーはOと洞井の二名。天候は快晴。治部坂の登山口を8時37分に出発。薄暗い樹下の荒れた道を歩き出す。沢にかかった橋を渡ると、道はようやく登山道らしくなる。樹林の中の急な道を登り切ると、左右の古木の根が張り出し絡まり合ってむき出しになった尾根が続く。根っこの段々になった尾根が終わると、山腹の下草と灌木の間につけられたジグザグの登りが続く。途中谷側の樹林が切れて、大川入山の山頂が姿を見せる。青空の下に、うっすらと色づき始めた三角形の山容が美しい。ただし、この部分は道が崩落していて、左側の灌木の間に巻き道が作られている。足下にご用心、である。やがて道は平たんで緩やかな登りに変わると、横岳(1574m「大川入山山頂まで3.6km」の標識あり)の山頂である。登山口から一時間弱、眺望はないが、三角点と立派な道標、一休みできる広いスペースがある。
先を急ごう。ここからはアップダウンが続く。下って登り返し、さらに下って登り返すと、境界の道標が埋め込まれた眺望のよいピーク。大川入山山頂に連なる山々が間近に美しく迫っている。
40分ほどで、「大川入山までおよそ2km」の標識。横岳からここまで顕著なアップダウンは七つ(数え方によるかもしれない)。左右はコメツガだろうかシラビソだろうかの樹林。枝を透かして見える空が青い。さらに最低鞍部まで20分ほどの間に、三つのアップダウンを数える。鞍部の周囲はカラマツの林である。色づき始めて、上を向くと明るい感じがする。左右の足下はササの緑が美しい。
最低鞍部からはずっと、急な登りが続く。樹林がきれると、山頂部のササと、ところどころ緑の中から伸びている灌木の一叢一叢が、黄色や赤に染まって美しい。とりわけ、快晴の空の下で陽光に照らされて広がる山頂部、それに連なる尾根の山腹の色彩は格別である。
おそらく、最低鞍部から山頂に至る登り一辺倒のこの部分が大川入山の核心部(?)になるかもしれない。一番苦しいところだが、周囲の景色に助けられて、ゆっくりゆっくり足を運ぶ。一時間弱の登りで大川入山山頂着。北側には御嶽、東側には中央アルプスの連なり…、本番もいい天気だといいな、そう思いながら、登ってきた道を下り始めた。
登りながら、アップダウンのところで、帰りがきつそうだな、と思ったとおり、登り返しの部分は、少し辛い。
全体を通して、道はよく整備されており、段差の大きなところもない。道が崩落した部分一か所と、横岳の下部の、根っこの絡まった尾根、その下の急な下りのガレに注意したい。じっくりと登って、確実に下ろう。ザックがひっかかったり、路肩を踏み外しそうな道はない。足下に注意を忘れず、左右の景色の変化、植層の移り変わりを楽しみながら登ってほしい。 (洞井 孝雄)
【記録:0】
6:25 知多市発。
8:27 東海・東浦IC=豊田松平IC=治部坂高原村営観光センターの西、登山口近 くのドン付きに駐車。
8:37 身支度後出発。舗装跡の残る道を行く。しばらく行くと沢に架かった鉄製の橋を渡り、ジグザグの道を登る。あさイチの登りにはちょっとキツイ。
9:30 横岳(1574m)着。7分休憩。
ここまで標高差約350m。途中、目的地の大川入山の山頂がみえ、これからの長い尾根歩きを感じさせる。山頂は赤、黄、緑に色づいている。
10:12 山頂まであと2kmの看板。横岳からは、アップダウンはあるものの比較的なだらか。展望が少しずつ開ける。
10:30 最低鞍部。7分休憩。この辺り紅葉も今が見ごろか。
10:41 山頂まであと1kmの看板。ここからがこの山の核心部、胸突き八丁だ。山頂まで急登が続くが歩いただけ山頂が近づいてくる。
11:16 大川入山(1908m)山頂。中央アルプス、南アルプスがよくみえる。絶好の登山日和、360度の大パノラマ。
11:30 休憩後、山頂発。
11:55 あと1kmの看板。
12:13 あと2kmの看板。
12:47 横岳。8分休憩。下山は早い。
13:27 駐車場着。行動時間5時間50分、標高差約750m。本番は人数も増えるし、6時間はかかるとみておいた方がよさそう。
<山頂直下を歩く>
<大川入山山頂にて>