【参加メンバーからのレポート】
初めての雪組
厚子N
第1回目の打合せに始まり合宿3日間はとても慌ただしく過ぎていきました。
トレーニング山行の苦手な歩荷や長距離歩行は雨で午前山行。トレーニング不足で迎えた合宿。
二日目は天気悪く上はヤッケ、下はカッパのズボンを履き肩の小屋を目指しました。小屋につくと軽い頭痛とココアを頂いた後に吐き気。高山病でしょうか。ガスがかかって槍は見えず撤退宣言に残念ではありましたが仕方ないです。トイレに行ったあとラクになり足取りは重くなくシリセードも楽しむことが出来、テン場へ。そして横尾までの重くのしかかるザックと雪道になれなくて何度も滑りましたがなんとか横尾に到着し1日目よりは早く張れたと思います。
反省の一つとして、雨の中でザックの中身を濡れないように家でビニール袋に入れるなど工夫したのですが、ほとんど濡れてしまいました。今後の山行に、どのようにしたら濡らしてはならないものを濡らさないようにするか考えてみたいと思います。
私にとって初めての雪組は、ベテラン揃いの中に私がエントリーしたことは時期尚早だったのでしょうか。これからの課題の一つに皆に着いて行ける体力作りですが皆さん以上に努力が必要です。皆さま、打ち合わせから合宿まで大変お世話になりました。また、いろいろご指導いただき感謝しております。
修行不足、槍ヶ岳
晋平Y
「お前は修行が足りん、出直せ。」 槍ヶ岳山荘で待機時の会話です、まさに濃いガスの中の槍の穂先がタ代弁した様に聞こえました。自分は初めての槍ヶ岳挑戦でしたが、槍ヶ岳山荘まで到達し、悪天候による下山となりました。
3月上旬、定期総会後の第一回合宿打合せが終わったあとに「山域は、北アルプスですか?」と、あるメンバーに聞きました。「北アルプスはないね。」と。後の打合せで槍ヶ岳に目的地が決定した時は正直嬉々しましたが、このそうそうたるメンバーで槍ヶ岳を目指すと思うと気持ちが畏縮してしまいました。毎週末の合宿トレーニングを繰り返す事でメンタル的に余裕を持って5/3に上高地に立つことが出来ました。
5/4天候雨。早朝ババ平から出発する際はブ厚い雲が空を覆い稜線穂先はガスの中、全く見えず。槍沢をつめて行くが徐々に雨の勢いが増してくる。アイゼン装着、防寒着の調整、定期的なエネルギー補給する。「ゴロゴロ」「雷鳥の鳴き声が聞こえる、天候が悪い時にやっぱり雷鳥は出てくるんだな。」と会話を交わしながら稜線を目指す。
アイゼン・ピッケルを小屋の前に置いて小屋の中へ。甘いココアを飲み、外の天候の様子を見るが窓ガラスに雨滴が打ち付ける様な天候である。
GW連休期間中、自炊もまともにせず、連日ラーメン屋に行くような食生活を送っていた自分でしたが合宿でようやくご馳走にありつけました。「遠慮せずに食え、飲め。」ありがとうございました。
トレーニング山行からの諸兄姉の皆様の沢山のアドバイス、注意や忠告を受けて、無事下山する事ができました。修行し直して、また、槍ヶ岳にアタックしたいです。
ガスの中
孝俊K
春合宿に行ってきました。山は槍ヶ岳で上高地から入山し、槍沢ロッジを経由してババ平に泊まる。ババ平はベースとし、槍ヶ岳を往復して下山というコース。槍ヶ岳は北アルプスのシンボル的存在で積雪期に登るというのは共有体験としても申し分ない。ただし、事前情報で今年は雪が少なくすでに横尾までは雪がないとのこと。槍ヶ岳山荘のライブカメラで槍の穂先を見るが雪がない。ここまで雪がないのはめずらしいんじゃないかと思う反面、危険な穂先の岩場を安心して登れるんじゃないかとの安心感もある。事前天気は私たちが登る時はいまいちよくない感じだったのでスピードが大事だなと思った。
朝4時にアイプラザに集合し出発。GW真っただ中だが順調に平湯に到着。タクシーに乗り換え上高地に入山。まったく雪が少ない。2012年春合宿で霞沢岳に登った時に上高地に入ったがもっと雪があった。わかっていたが、少し残念。いつもどおり、明神、徳沢横尾と移動。一の沢、二の沢を越え、槍沢ロッジに到着。水を補給しババ平に。テントを設営して初日は終了。ただ、天気をみると次日は朝から雨が降ったりやんだりとの予想。
二日目は4時半出発。ババ平を出発し、槍沢に入るとガス。濃いガスが槍沢を満たしている。しばらく歩くと雨も降ってきた。単調な槍沢の登りを赤竿に沿って登っていく。特に難所もなく東鎌尾根に沿ってあがる。そのまま槍ヶ岳山荘に入る。中は快適。休憩代をかなてココアを頼む。外はだんだん雨が強くなってきている。穂先は断念してくだる。ババ平に着いた時は12半過ぎ。予定通り横尾まで下山してテントを張る。次の日は上高地まで戻り半田へ。登頂できなくて残念だったが天気はしょうがない。また、来年こよう。
任務は渉外だった。平湯から上高地という入山はすぐに決定。Wさんがタクシーの手配や槍沢ロッジの確認など効率的に進めていただきスムーズに進んだ。みんな頼りになる仲間だと感じた。また、一緒に山に行きましょう。
雨の登頂日
洋介S
2015年春合宿第一回目の打合せで参加の目的として、主体的な意思で春合宿を作り上げ、トレーニング・任務・本番を通し個人としても全体としても力量のアップに繋げたい、と話をしました。
合宿トレーニング5回の内、2回計画担当(最初と最後)しました。1回目は体力レベル確認とアイゼントレーニングの意味で伊吹山を選定。最後は槍ヶ岳を想定して岩でのアイゼントレーニングとザイルを張ってのパーティー行動の確認を目的に3ルンゼを選定(アイゼンは結局付けなかったが。)目的に基づいた山域選定ができたと思っています。他雨乞岳・天狗岳へのトレーニングへ参加、合宿参加者の参加率も高く、本番を迎えるにあたり、まとまりのあるトレーニングになったと感じました。
任務としては気象担当をしました。目まぐるしく変わる天候、夏と冬を合わせ持つ振れ幅の大きい登山環境となるのが春。天候の崩れは遭難に直結しますので、長期・前日・当日(戻ってからも天気図・雲の動きなどで復習)確認をしました。予想の確度はヤマテンがもっとも高いようです。予想通り登頂日は雨と残念でしたが、雨といってもどの程度か風は、など現地でないことだと思いました。
春合宿本番はGWの真ん中、3・4・5日。4日が槍ヶ岳登頂予定日です。良い天候に恵まれたGWの中でこの日のみが雨となってしまいました。槍の肩まで行きましたがガスと風と雨で登頂は諦めました。今回の低気圧は寒気を伴っていないことが幸いで雨から雪という最悪の状況にはなりませんでした。とは言え、手袋は中までびっしょりとなり、雨の日の手袋をどうするかという課題が残りました。また、ババ平からテントを撤収し横尾まで移動しましたが、雨の中で装備をザックに収納することになり、寝袋など少し濡れ、水じまいについても今後工夫がいると思いました。パーティー行動としてリーダーの指示のもと行動ができ、テント内も疲れを癒す楽しい生活ができました。
トレーニング・任務・本番を通して主体的に取り組むという課題でしたが、まだまだ不十分です。いろいろと課題も見つかり良い合宿になったと思います。皆様、ありがとうございました。また、お疲れ様でした。
殺生ヒュッテは何処?
三郎O
春合宿雪組にて槍沢ルートで槍ヶ岳へメンバーは10人 その中に、積雪期の合初参加者3名。私の今回の合宿参加目的は「合宿全体のまとめ役を務める」まず、その“まとめ役”が果たせたのか?打ち合わせの日程に合わせて春山合宿連絡会に間に合うように、山域、装備、パーティー(テント分け)をスケジュールにした事で進捗がスムーズになったのは良かった。トレーニングでは登山学校開始であまり参加できずに、ほぼ出る幕なしでした。本番ではAパーティーとBパーティーの意思疎通や伝達が上手くいく様に心がけて行動しました。足りない点はありましたが、及第点ではなかとうかと思います。
医療と担当として、低体温症、雪焼けを調べる中で改めて覚えたこともあり、やはり自分で調べて知識にする大切さを感じました。また共同装備の医薬品を打合せに持って行ったことで皆との違いを知ることも出来た。
合宿の山行について
2日目 槍沢 槍大曲りを過ぎ急登の途中から雲の中に入った。目印として雪に刺された竹棒 2本先がわずかに見える状態。視界は、おおよそ、30〜50mほどでしょう。殺生ヒユッテまで着いたら休憩を目標に登るが全く見えてこない。大きな岩陰が目に映る度に「今度こそ殺生ヒュッテ!」と思うがただの岩。この状態を繰り返しつつ高度は徐々に上がり殺生ヒュッテを目にする事無く3000mまで来てしまった。高度計も低気圧により若干高めに表示されているとしても合点がいかない。そこへ来て視界に入って来た道標 小休止を入れて道標に近づくと右に西岳、左に槍ヶ岳と書いたあった。
それを見た時に、進路が西に反れて東鎌尾根に上がってしまったのかと思い込んでしまい愕然としてしまった。
後からきたR子さんにここで、止まると体が冷えるから、進もう!と言われ、又、次の竹棒に向かって30〜40m進んだその時、左上に槍ヶ岳山荘がうっすらと姿を現しホットした。道迷いする原因のひとつ「思い込み」とはこう言う風に発生するのだと身をもって感じたのと、視界の無い怖さを改めて知ることが出来た。
それから、もう一つ手袋が絞れる位びしょびしょに濡れている・・何故だろう?と思うとヤッケに当たった雨粒が水玉になってオーバー手袋の中に入って来ている。
こんな天気の中ではヤッケの袖口はオーバー手袋に入れずにヤッケをオーバー手袋に被せるように装着しないと濡れて手が冷えてしまうのが解かった。春とはいえ3000mでの雨は侮れない。
この合宿、槍ヶ岳山頂は踏めませんでしたが個人山行では、まず登らないであろう天気の中、「思い込み」と「春の強雨」を体験できたことは合宿ならではであり、良い経験となりました。
春合宿・槍ヶ岳
征季W
春合宿、雪組に参加しました。会に入って以来6回目の合宿です。もう6回も合宿に参加していますけど、いまだに自分の準備が遅すぎます。反省しきりです。周りを見て、一生懸命に準備をしているのですが・・今回は2度も最後になってしまって。みなさんを待たせました。もっと急いで準備するようにします。こんな基本的なことからもマスターです。
渉外の担当をしましたが、テン場での水の確保の重要性を知ることができました。トレーニング山行は全て参加することができ、合宿に臨むことができたことが大きな安心感になりました。いきなりでは無く、トレーニングすることによって、臨場感も出てきますので、良かったと思います。参加者と山を通じての意思疎通もできたと思います。
初めての槍ヶ岳は残雪期になりました。槍の穂先へは天候が悪かったので登ることはできませんでした。天候が悪く時折ガスっていた時もありました。夏に再挑戦したいです。
14年ぶり
一則O
最後に春合宿へ行ったのが、平成13年の4月。その時も今回と同じ槍沢から槍ヶ岳。あれから14年の年を重ねてしまい、今回の合宿では洞井さんの次の年長者。
3月8日の第1回打合せからはじまり、トレーニング山行は3月下旬の伊吹山から直前の3ルンゼまでほぼ毎週、全参加。3回は歩荷もしたし、雪上歩行も2回した。最低週1回は1時間ほどのランニングもこなした。
ザック70L、厳冬期用シュラフは14年間押し入れで眠っていたのを出した。どちらとも古いものなので、重くて大きい。新調するのも金がかかるので、今回はこれで間に合わせる。
約2か月間の準備を経て、さて本番。初日、3日目は天気がよかったが、一番重要な2日目だけ雨。で、残念ながら肩の小屋まで行って撤退。結果だけを記せばこれだけのことだ。天候が悪かったとはいえ、CLが体調悪く、本隊に30分遅れて槍ヶ岳山荘に到着。山荘で約1時間様子をみて、下山決定。この時は、下山もやむなしと思ったけれど、今思い返すと山頂を目指したいと意思表示をすればよかったのではと。
反省会で、「もし体調が悪くなったCLをおいて(体調のよい)自分たちだけで山頂を目指したいと意思表示したら?」とCLに投げかけたら、逆にCLを自分がやっていて、同じような状況ならどうするかと投げ返された。その後、CLから他のメンバーが槍を目指したいと言ったら、あと30分程、休憩したのち自分も一緒に行くと言ったと思うと回答。そこで、さらに誰かが山頂までは自分がCLとして責任を負うので行かせてほしいと言ったら。そこまで腹をくくれるかどうかも問われた。たぶん、自分はその場では、その責任を負うということまではできないだろう。完全に役不足である。
槍ヶ岳山頂へは登頂できなくて残念だったが、いろいろと考えさせられる合宿だった。
次の合宿では
良子I
今回の合宿では槍の穂先に登るためのトレーニングをし、皆がお互いに助け合う雰囲気ができつつあったので、是非、本番で成果を確認したかったのですが、あいにくパーティーの状況や天候が良くなく、その成果を確認できずに終わったことをとても残念に思います。視界が悪い中での歩行、雨の中でのテント撤収等、合宿でなければ、やらなかった。あるいはやれなかったこともありました。今回の状況や経験をプラスにして、次の合宿につなげたいと思います。私は、打ち合わせや反省会にほとんど参加できませんでした。その都度、内容を教えていただき、皆さんにはご迷惑をお掛けしました。いろいろとフォーローいただき、ありがとうございました。
初めての残雪期
孝枝T
急遽参加できることになった春合宿。私にとって、初めての残雪期の北アルプス登山です。雪の状態や量、雪解けの水の流れ。いったいどういう登山道になっているのか全く想像がつかずにいました。合宿に参加することによって少しでも自分の身を持って残雪期の3000mを体験できたらと思いました。
残雪期の雪斜面は粉砕された氷の粒のようでアイゼンを上手く効かせる事が出来ません。今後自分がどのような状況でもしっかりと歩いて行けるようになるには、まだまだ訓練が足りていないと思い知らされました。雨と霧、強風で景色は望めませんでしたが、経験と教訓を与えてくれたと思います。
今回は食担で、楽しく企画を練らせて頂けました。ただ一つ、これは失敗だったのが、鍋の味付け用の塩と醤油を食材に入れ忘れてしまったことです。素材から塩味は出ましたがやっぱり仕上げのひとあじが足りないお鍋になってしまいました。みなさんすみませんでした。塩はどんな時でも、どんな季節でも必要でした。