27年度冬合宿 南アルフ゜ス 甲斐駒ヶ岳(2967m)黒戸尾根

 

 

 

【メンバー】

L・渉外:良子I SL・食糧・装備:一則O 医療:聖子S 

気象・車:晋平Y 記録;石浜雅仁

【天候等】2日とも快晴10日朝9時頃山頂付近気温−7℃、風速3〜4m

積雪;七丈小屋まで数cm所々凍結、テント場20cm、小屋より上登山道10cm

【ルート】

尾白渓谷P〜黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳(往復)

【山行記録】(I浜、O栗)

1月9日(土)

4:00半田アイプラザ発〜7:35尾白渓谷P7:50発〜9:50笹の平分岐手前休憩〜(鎖場出始める)〜11:43刃渡り分〜12:27刀利天狗〜13:10五合目手前アイゼン着〜13:17五合目小屋跡〜(垂直ハシゴ鎖場をいくつか通過、かなりキツイ)〜14:45七丈小屋〜15:00幕営地テント設営/夕食歓談後19:00就寝

1月10日(日) 

5:00起床6:35幕営地発(シュリンゲ腰に結ぶ、ヘルメット・アイゼン着)〜6:55日の出〜7:24八合目御来迎場休憩〜8:47甲斐駒山頂休憩〜9:50八合目休憩〜10:15幕営地テント撤収11:00七丈小屋発〜11:45五合目小屋跡〜12:40刀利天狗〜13:05刃渡り〜13:55八丁登り辺りアイゼン脱〜14:20笹の平分岐〜16:00尾白渓谷P身支度後発〜尾白の湯にて入浴〜駒ヶ岳SAにて反省会〜21:20頃半田アイプラザ着

 

合宿を終えて

良子I

今冬は雪が少ないとは分かっていましたが、これほど少ないとは。鎖、梯子は全部、出ており、ロープを張るかも、と思っていた所も、夏と変わらない岩場となっていました。そして暖かいし、風も吹きません。素手で作業ができるし、物を置きっぱなしにしても飛ぶ心配がありません。いったいどうなっているのやら。こういう条件下で、メンバーの体調も良かったため、初日に七丈小屋まで行き、翌日山頂をピストンし、下山となりました。冬合宿だったのに、厳冬期の厳しさを何一つ味わうことなく、あっけなく終わってしまったことに、物足りなかった感が残っています。担当としては記録・渉外で、その中で私は渉外を担当しましたが、記録を担当してくださったSさん、Nさんが本番に行けないにも関わらず、お二人で議事録をとってくださいました。ほかにも本番に行けない方々が、打ち合わせや担当の任務、トレーニングを一緒にやっていただき、感謝の気持ちしかありません。トレーニングも目的に沿ったいいトレーニング山行だったと思います。それが本番に生きた形になりました。

急きょ、リーダーをさせていただきましたが、メンバーの皆さんをはじめ、エントリーされた皆さんに支えられ、またあらゆる好条件もあり、無事に終えることができました。みなさま、ありがとうございました。

雪はどこに???

            聖子S

 冬合宿に行ってきました。当初の計画では、5合目をベースに2泊3日の予定でした。そして、ネットの情報から、今年は雪が少ないということで、共同装備の水を2g各自持ち上げることに。ここに、個人装備の3日分の水も加わります。そして、お酒も加って、総重量20キロ弱のザックは本当に重たかったです。この重さを想定しての歩荷トレはしていなかったので、下山して、翌日から2日間、両足(太もも・ふくらはぎ)の筋肉痛に悩まされました。

山行自体は、5合目手前までほぼ雪がなく、夏道を歩く。やっと雪が出てきても、雪というより、雪が解けて、凍っている状態。鎖も階段もばっちり露出している。なので、5合目の予定だった1日目は、7丈の小屋まで行けてしまいました。勿論、私は5合目で水を捨てましたが・・・。7丈のテント場も竹ペグが使用できるほどの雪が無く、テント場にあった無料の鉄ペグを拝借。2日目は、予定では天気は良いけど、山頂付近は20〜23m/Sの強風の予定。2泊3日の予定なので、明るくなるのを待って出発しました。ここから先も雪はありますが、とても厳冬期の雪山ではありません。岩はしっかりと露出し、鎖も全て露出しています。正直、“雪が積もっていてくれたほうが登りやすい”という女子に優しくない段差が何度も続きました。事前に、ザイルを張らないといけないかも・・・という箇所も分からないまま、あっという間に山頂へ。そして、問題になるはずの風もほぼありません。山頂付近で4〜5m/S くらいでしょうか。色々な意味で拍子抜け。ここまで雪が無いとは・・・。山頂でゆっくりしてから、気を引き締めて下山。7丈のテント場にはまさかの昼前に到着。皆で話し合い、素早く撤収して下山する事に。想定どおり、16時駐車場着となりました。身体は疲れてますが、厳冬期の雪山を体験するはずの冬合宿。全く、雪山の厳しさを体験することなく終わってしまい、正直、消化不良の合宿となりました。

担当としては、今回は、気象と医療でした。医療の方は、低体温症についてまとめましたが、発表する機会を逃したまま本番となってしまった為、ここは反省点です。気象については、板津さんを中心に、毎日、高層天気図と天気図とを睨めっこしながら、結果として当たらないのですが、天気の予測を行いました。これについは、他で感想をまとめていますので簡単に。毎日続ける事で、なんとなく・・・見えるものはありましたが、予測は最後まで当てることは出来ませんでした。

 まとめとして、気象、雪の状態、メンバー、色々な条件が揃い、1泊2日でやり遂げた本番。内容としては消化不良ですが、合宿を通して、とても内容のあるトレーニングが出来た事と、気象について改めて、学べた事は確実に自分のスキルアップに繋がったと思います。最後に、一緒に行ったメンバーは勿論の事、本番には参加できなかったけど、エントリーして、最後まで色々な面で支えてくれたメンバーに感謝。そして、エントリーしていなくても、色々な面で心配してくれ、助言をしてくださった方々に感謝です。有難うございました。

 

甲斐駒黒戸尾根

晋平Y

 

 今夜の夜空は星がよく見えた。オリオン座もくっきりと分かり易いし、ベテルギウスも輝いていた。北杜市の街明かりも眼下によく見えた。直に放射冷却が始まる。七丈小屋幕営場で夜、用を足す為にテントを出た時だった。

 テント内の寝場ポジションをかけてのババ抜きでは負けて端っこで寝ることになった。テント壁面に接する半身は寒い、一晩中ぐるぐると身体を回転させて眠りに就いた。

 翌朝は日の出前に山頂を目指した。雪面はアイゼンの歯がよく刺さる。気温は覚悟しているほど寒くは無く、風も穏やかな状況で8合目、樹林帯を出た。

 昨年同じルートで厳冬期の甲斐駒を極めたLの読みでザイルを張ると思われた岩場もしっかりと夏道の鎖が出ている。足元に厚めに氷が張っているほどで雪はほぼない。

 「呆気無く登頂しちゃったねぇー」

山頂では笑いながらメンバー全員で万歳ができた。

呆気無く登頂できたと山頂に立った時は思いましたが、11月下旬からのトレーニングや準備があってからだと思います。山域に合わせた長距離歩行や南山ゲレンデでのアイゼントレーニング、蓼科山での雪上歩荷トレーニング。本番に向けての実践型の充実したトレーニング内容だったので甲斐駒の山頂でメンバーがこう言った感想が出たのかなと感じました。

 自分の担当は気象と医療でした。担当が2つも兼ねるのはかなりの負担になりましたが気象に関しては気象担当リーダーの課題で2015年12月毎日、地上天気図と高層天気図を採集し分析し、独自の明日の天気を予想すると言ったモノ。初めのうちは、はっきり言って全く天気予報と自分の予報とが合わない。等温線、等圧線など色分けしたり、プロの気象予報士の解説を読んだりと独学に近い感じでした。学べる機会と時間があればいいなと少し思いました。

雪山合宿

雅仁I

 山域は南アルプス、甲斐駒ケ岳黒戸尾根ピストン。参加出来なかった打合せで合宿の目的地が決まりました。はたして行けるのか?行けるかじゃない行くんだ!そう誓って、毎晩のように公園歩荷に早朝ラン、膝周りの強化に片足スクワット、合宿の為に過した12月、そうして合宿当日を迎えました。当日は雪不足の為に共同装備に水2Lと個人の3日

分の水が加わりザックの重さは20kg少し超える重さに、ズッシリと背中にザックがのしかかります。竹宇駒ヶ岳神社を過ぎて登山道に入り五合目手前までほぼ雪の無ない夏道を進みます。一日目予定地が五合目だったのですが、予定を切上げ7丈小屋まで上がる事にしました。二日目、夜明け前に山頂を目指して出発。登りだし暫くて朝日が昇り始めご来光を拝むことが出来ました。風も殆どなく穏やかな気候で8合目を過ぎ、その後の岩場も雪もほとんど無く鎖が使える状態で山頂に辿り着く事が出来ました。天気予報では25mほどの風の予報が出ていた山頂も4〜5mほどの風で穏やかな状態、ひと時の山頂を楽しむことが出来ました。担当は食料と装備でしたが、何をしていいのか分からずにあたふたしてしまいました。装備では会長から頂いた課題でアイゼンの傾向と、メーカーと素材・重さを調べ発表する事が出来ましたが、食料はほとんど手伝うことが出来なかった事が反省点です。参加メンバーについて行けず、予定を狂わすような大きな負担を掛ける事もなく無事に合宿を終えられて良かったと思います。合宿参加メンバーそして、合宿は行けませんでしたが準備からトレーニングと一緒に参加して頂いた皆さんに感謝です。ありがとうございました。

14年?ぶりの冬合宿

一則O

 曖昧な記憶だが、最後に冬合宿へ行ったのが、2001年の年末だったような・・あれから14年。もちろん、体力は落ちているし、バランスも悪くなっている。エントリーはしたものの、みなに迷惑をかけずにいけるのか心配な面もあった。結果的に参加メンバーの中でも最年長者になってしまい、SLまで仰せつかった。

他のメンバーも書いているが、厳冬期なのに、雪無し、風無し、好天、高気温で、3日の計画を2日でこなせるくらい条件がよすぎた。

 今回の合宿は、1回目の打合せ時には11人の参加意思があったが、仕事の都合や体調不良などで、本番では5人となった。この5人、合宿初参加のI君を別にすれば、体力的には全く問題ない。I君も12月初めの赤岳(トレーニング)で、バテバテだったのを機に自主トレに励んだ甲斐あって、本番には何とか間に合わせてきた。

 年明けになっても雪が降る気配がなく、山中の雪を溶かして水をつくるのをあきらめ、共同用として1人2L担ぎ上げることになった。ザックの重さはたぶん20kg近い。しかも、長いハシゴの登りもあって、相当脚にこたえる。七丈小屋まで、初日約8時間の行動時間は少々キツかった。

テン場に着いて雪面を平にならし、テント設営後、夕食準備。食糧担当の私が用意した「鍋風煮込みラーメン」をつくる。固形の鍋の素・キューブ、レタス、キノコ、乾燥野菜、乾麺と軽量化を図った。味は何とか及第点だったようだが家では「男子厨房に入らず」を地でいったような自分で、メニューの発想も貧困だし、山での食糧担当にはつくづく向いてないと思う。

夕食後、時間があるので、「ババ抜き最弱王決定戦」をやる。最弱王には罰として、テントの端の寒いポジションが待っている。たのしいひと時の後、ちょっと早いが19時過ぎに就寝。

翌朝、日の出前に発ち山頂を目指す。途中八合目手前でご来光を拝む。

無雪期と同じような時間で、山頂到着。拍子抜けするようなそよ風程度の中、中休止。記念撮影をして下山。鎖場や急斜面の多少いやらしい下りはあったが、難なくテント場に着いたのが11時。テント撤収し今日中に降りることにする。凍結しているところが所々あるため、アイゼンは4合目過ぎた辺りまで外せず。

小屋からちょうど5時間で、駐車場着。全員、無事下山して27年度の冬合宿が終わった。

10月下旬の第1回目打合せから2ヶ月ちょっと、7回の打合せと7回のトレーニング山行など、合宿に行けなかったメンバーも何かと協力してくれて、力をもらった。本番に参加した5名はその代表で行ったようなものだ。

真冬としては条件がよすぎた合宿だったが、わたしも含めて、みな一定の自信になったのではないだろうか。

 

【食糧、装備担当として】

味はともかく、固形の鍋の素・キューブ、乾燥野菜、レタスやキノコなどで軽量化を優先した。夕食のメニューは、「鍋風煮込みラーメン」。2晩目も味の違う鍋の予定だった。

雪で水がつくれないということは、その分水を担ぎ上げることになり、荷物が重くなるので、かなりつらい。徹底的な軽量化を考えること。

歩荷トレーニングも必須。冬山はとにかく体力。

【会計】

1人8,500円。

車代;25,000円/1台

食材;7,000円(夕食2回、朝食2回)

燃料;2,700円

温泉;4,100円(@820円)

幕営料;3,000円(@600円)

その他;700円