槍ヶ岳 北鎌尾根

 

 

〈山行期間〉2016年08月6〜7日

〈山行目的〉バリエーション 

クラッシックルートを楽しむ

〈ルート〉 上高地〜大曲〜水俣乗越〜北鎌沢右俣〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜新穂高

〈メンバー〉

L     時生S

SL記録  三郎O

食担   聖子S

会計  良子I

他1名

 

〈行動スケジュール〉

【8月5日】

19:00 半田出発

22:30 平湯温泉到着(前泊)

 

【8月6日 晴れ】

4:50  タクシーで上高地へ出発

5:10 上高地到着

5:50  明神池到着(スルー)

6:30 徳沢園 休憩

7:20 横尾山荘 休憩

8:35 槍沢ロッジ 休憩

9:10 ババ平(スルー)、綺麗なトイレが出来ていた!

9:35 水俣乗越への分岐点 休憩

10:37 水俣乗越、結構な急登の後は天井沢に降りるザレザレの急坂 危険でした。

11:39 天井沢にて休憩

12:45 北鎌沢出会、沢の水が涸れていた

16:45 コルに到着、かなりキツイ登りとなった

17:00 テント設営、3テン2テンの2張りでピッタリ

19:30 就寝

 

【8月7日 晴れ】

3:00 起床

4:07 出発、途中からリードを尾崎に交代

5:55 独標基部に着く

6:40 独標頂上 休憩

7:46 標高2820ピーク 休憩、リードをSさんに交代

8:55 標高2870ピーク 休憩

9:25 P1基部、リードをSさんに交代する

11:00 槍ヶ岳 山頂到着

12:00 下山開始

12:56 千畳乗越分岐 休憩、この後,登ってきた石○さん・浜○さん・慶○さん達と出合う こんな所で知り合いに会えて嬉しかった

14:20 槍平小屋到着 休憩

17:16 穂高平小屋到着 休憩

17:52 ロープウェイ乗場バス停に到着

17:54 バス出発    

18:30 新穂高バス停に到着、料金は890円降りる時に支払うシステムなので切符を買う手間が無くて良かった

22:30 半田着

 

念願の!!

             聖子S

 思い焦がれて、約2年、念願の北鎌尾根に行ってきました。メンバーにも恵まれ、何より、お天気にも恵まれ、槍ヶ岳山頂の祠の裏から顔を出すことが出来ました。

 前夜発で、平湯のタクシー乗り場でテント泊をして、朝一番のタクシーに乗り込み、上高地へ。今日のテント場は北鎌のコル。良いテン場を確保すべく、先を急ぎます。コースタイムを縮めながら、汗を沢山かきながら、“速い”とブツブツ言いながら。先頭のSさん・Iさん(旦那さん)のペースに必死についていきます。しかし、暑さもあり、そこに慣れないスピードも重なり、消耗しきってしまい、結果大曲から、水俣乗越までの登りですでにヘロヘロ。そこから、天上沢への激下り。この時期は雪渓がない為、ゴロゴロのガレガレを下ります。落石したくなくても、してしまう。凄く神経を使いました。間ノ沢に渡ってからは、ひたすらゴーロ歩き。なので、ヘロヘロになっているのもありますが、全くスピードが上がりません。それでも、なんとか北鎌沢の出合いまで行き、今日の幕営地があるであろう北鎌のコル方面を見上げます・・・“はぁ”とため息。ここからは、水がないので、沢で水をくみ、2.5L/人重さが増します。暑さでヘロヘロ+水は重く、更に足取りは重くなります。100m標高を上げることに休憩をしてなんとかコルへ。ここで幕営する事が出来ました。

 2日目は、ヘッデンを付けた状態で出発。バリエーションルートですが、沢山の人が入っているので巻道が目視で確認できます。でも、巻道に行くまでのルートを全員でルートファインディングしながら時には、なんちゃって岩登りもしながら独標先からずーっと前に見える槍の穂先を見つつ進みました。バリエーションの楽しみは、やっぱりルートファインディング!!しかも、メンバーで話し合いながら出来る事が私にとっては一番だと、あらためて感じられました。そして、今回のメインは、なんといっても槍の祠の裏から顔を出すことです!!最後は良子さんに先頭をお願いし、ギャラリーの応援を受けながら、登りきる事が出来ました!!最後、飛騨乗越からの新穂高への下りは、長く、思いだしたくもありませんが(笑)素敵な仲間に囲まれて、とても充実した2日間でした。有難うございました。

 

気分は最高

良子I

初日、真夏の暑さにやられ、水俣乗越に登りつめるまでに、悪寒が走る。なんとか乗越まで登ってきたものの、激下りの後の、カンカン照りの河原下り。北鎌沢の出合までの遠いことったら。とてもお水を汲みに行く元気もなく、待たせてもらった。そしてここから北鎌のコルまでの気が遠くなるような登り。標高100〜150m区切りで休んでは進む。陽が陰って少し復活。毎夏1回経験する夏に負ける山行。これが今回に当たってしまうとは。皆さんをお待たせしてごめんなさい。2日目も快晴。北鎌尾根はと〜ってもテンションの上がるルートだった。ロケーション抜群、ルートファインディングも楽しいし、フリクションのよくきく岩だし。小さかった槍の穂先がどんどん大きくなって、最後は近すぎて見えなくなって・・・登頂!大晦日以来の槍山頂。その時も4回目の挑戦で「やっと登れた!」と感動したけど、今回も3回目の計画で、「気持ちいい!皆さんのおかげ!!」と大感動。あとは下るのみ。でも下りが長すぎる。暑すぎてテンション下がりっぱなし。そんな中、登ってきた濱本さんたちに出会った。どこかで会えるかなあと思っていたけれど、実際会えるととっても嬉しいものだった。汗だくで登る濱本さんたち。「頑張って〜!」と言ったものの頑張らないといけないのは自分の方。別れてからが長かった。最後はバスの時間に間に合わせるため、急ぎ足。2日間、よ〜く歩きました。私のような者が北鎌尾根を歩く日が来るなんて、誰も思っていなかったと思います。最高の仲間に感謝しかありません。本当にありがとうございました。

二日で26時間

三郎O

「ゴツゴツした岩稜の向こう、真っ青な空の中に槍ヶ岳がそびえる」

この眺めを見る日をずっと待ち望んでいました。 そして今回、雲ひとつ無い快晴の中、正にその通りの画を目にする事が出来た私は幸せ者です

北鎌尾根ルートは、アプローチから大変でした上高地からテントを張った北鎌コルまでの行動時間は12時間。 私は北鎌沢の出合いで1ℓ持っていた水が切れてしまい、コルへの急登での喉の渇きに耐え切れず、ついに生の沢水を飲んでしまいました 一旦 飲み始めると、もう止まらず恐らく2ℓくらい飲んだのでは無いかと思います もちろん下痢が怖かったのですが、脱水症状でしたので我慢できませんでした しかし幸運な事に腹痛は起こらず、丈夫な体に産んでくれたお袋に感射。 二日目はコルから槍の穂先を目指します 岩稜歩きが続きます ルートファインディングをしながら進みますが岩場の直登や落石しそうな箇所がたくさん有り全く気は抜けません 徐々に近づいて来る穂先 遠くから見ると何処を登るのやら全く分りませんでしたが穂先の岩は大きくてしっかりした物が多く、意外と登り易かったです そして、ついに念願の祠に到着 そこに居た方からも拍手を頂きメンバーで固い握手を交わし、大満足

 それからの下山は、恐ろしいほど長いです 下山だけで6時間 最後は駆け足でバスに滑り込みセーフ。

無事に成功に導いて下さったメンバーの皆さまに感射いたします。

 

信頼できる仲間

             時生S

 槍の北鎌尾根。「キタカマ」いい響きです。学生時代、加藤文太郎(単独行)や松濤明(風雪のビバーク)などで見聞きし、想像のみしていた所ですが、若い頃行ってみたいと思ったことはありません(冬の北鎌など想像すら難しく、現実的じゃなかったですね)。山の会に入っても岩稜などに興味は無かったのですが、行ってみたい山の1つが北鎌でした。憧れの気持ちはあったようです。ひょんな事からクライミングを始めてしまい、連れていってもらったのが4〜5年目だったでしょうか。ワクワクで行きましたが天気に恵まれず、濃いガスの中で一度も槍の姿を見る事も無く「今どこを歩いているんだろう?」というまま登頂し、大雨の中を下山しました。世話をかけたI先輩には申し訳ないですが、もう一度自分で行こうとは思っていました。誘われるままに3年程前から毎年計画しているのですが、天気の加減で中止や途中撤退が続いていました。今年は正月の槍やチンネなど「何年目の正直」が続いていますので、この流れでもう一丁!と期待大でした・・・

(長々と山行前の話を書いていますが、都合により、1ページ埋めないといけなくなったのでご了承ください)

直前の予報はヤキモキしましたが、2日間ほぼ快晴に恵まれて、思う存分槍を眺めることが出来ました。まるで前回の分までもオマケしてもらったようです。1日目は最後の登りが予想外にキツく、テントでは夜・朝ともまともに食事がとれませんでした。しかし一夜明ければ風も無く、さわやかな夏の北ア稜線です。快適な稜線縦走、とはいきませんが、槍に向かって真っ直ぐに続く岩稜を攀ったり巻いたりしながら1歩ずつ近づいていきます。幸運なことに前にも後ろにも人けはありません(ずっと後ろにはいたはずですが目には入りませんでした)。まるで北鎌尾根を5人で独占しているかのように思いっきり満喫することが出来ました。穂先下では念のため1本ロープも出し、最後は左から回ったので一般登頂の人たち注視の中、良子さんを先頭にひと登りしてお社横へ登頂です。拍手まで頂き嬉しかったです。ここでの握手は最高でした。ただ喜んでばかりはいられない。ここからの下山はハンパ無いです。正月に何度も通った飛騨沢へ重い足と体を引きずるようにして下っていきますが、「こんなに遠かったっけ?」と思うほどありました。無事帰れてよかったです。

 同行するメンバーは毎年少しずつ変わっていますが、今年はもう誰をリーダーに据えても大丈夫だろうと思えるくらい成長した、いつもの勝手知ったメンバーです(じねんじょのイワタさんはもちろん別格です)。皆、本当に頼もしくなり、体力的にはともかく気持ちはとても楽でした。適度な緊張感を持ちながら心から山行を楽しむことが出来ます。I先輩がよく言う「信頼できる仲間」という言葉が実感出来るようになりました。こんな仲間が半田Fの中にもたくさん出来て、こんな風に楽しい山行がいつも出来たら最高です。

ただ、きつい山行予定が続きます。1人だけ年齢ハンデを背負った我が身の賞味期限がいつまでもつのか、それのみを心配する今日この頃です。もうしばらく付き合ってほしいなぁ。