北アルプス 明神岳 (2931m)

<日程> 曇り

2016年9月24日(土)〜25日(日)

<山行目的>

バリエーションルートに挑戦

<ルート>

上高地〜岳沢〜明神5峰〜明神〜前穂〜

岳沢〜上高地

<メンバー>

L   時生S

SL  孝俊K

食担  葵S

会計  那津子M

<記録>

9月24日

03:55 阿久比P 出発

07:25 上高地 出発

07:45 岳沢岳登山口

08:20 岳沢岳・明神岳 分岐 一本

09:25 一本

10:25 一本

11:25 一本

12:25 明神岳5峰 一本

13:00 4〜5峰コル テント設営

 

9月25日

04:00 起床

05:15 出発

06:05 4峰 到着

06:50 2峰 到着 撤退

08:05 5峰

08:15 一本

09:10 一本

10:05 一本

11:05 岳沢岳・明神岳 分岐 一本

12:05 河童橋

12:10 上高地バスターミナル 到着

 

お気に入り女子

           時生S

 8月後半からこの1か月間、雨続きでまともな山行が出来ていません。久々の泊り山行となりました。

 今回の山行は夏前から剣(源次郎)の計画を立てていたところ、異常な雪不足の為、計画変更を余儀なくされ目標を明神岳としたもののルートに迷いました。東稜から行きたいという声もあったのですが、同行する女子2人のクライミング力がわかりません。1人は今年登山学校で半年修行していますが見ていません。もう1人は夏前の沢登りでそのパワフルさを見ているだけです。直前(そこしか予定が合いませんでした)の南山でクライミングを見てから決めようと、計画書を2枚作成して了解をいただきました。ところがそれも雨中止。確認できないので東稜はあきらめ「岳沢〜5峰〜明神本峰〜前穂高岳〜岳沢」というルートとしました。クライミング力は東稜程求められませんが、稜線はずっと岩稜バリエーションで懸垂下降も3ピッチ予定されています。2人とも経験はありますが、会事務所で打ち合わせも兼ね、懸垂下降の練習だけはしてもらってやっと本番です。行先変更からメンバー変更からトレ中止など本当に色々とあった山行計画ですが、これでまた本番中止だったら完全にグレて暴れています。

 さて本番ですが、山行については3人が書いてくれるでしょう。結果的には天候不良の為、本峰を前に途中撤退となりましたが、2日間とても楽しかったです。共にアフリカ帰りの女子2人はどちらも予想通りなかなかに面白く、またお気に入り女子が増えてしまいました。最近の半田Fは女子の人材が豊富でいいですねぇ(昔からかな?)。穴フェチ話も楽しかったですが、アラフォー3人の婚活話も笑えます。見通しは明るい感じしませんがそれぞれの幸せを祈っています。

 来年はクライミング力を磨いて、またみんなで東稜から本峰を目指しましょう。

 

強い風

孝俊K

 今年の晩夏、初秋シーズンは天気が悪い。毎週末計画はするが荒天により中止ばかり。9月も最終週となり、ついに行けそうな天気となった。山は明神岳。初日は上高地から入る。事前予報は天気が良さそうだったが、直前予報は曇りで風が強そう。雨はなさそうなので入山。岳沢に向かう道の7番の道標で明神岳の尾根に入る。いきなりの急登で息があがる。途中で痩せた尾根の岩場があるがザイルが貼られており安心感はある。根っこと泥の道をあがっていくと岩場となる。見上げると5峰が見える。そこは快適なテン場だが明日の天気もあまりよくないので前進。5峰の頂上には木製のピッケルが見える。5峰の下りは悩みながらも降りると丁度良いテン場があったので今日はここまで。稜線上は風が強く寒い。私は大丈夫だったがみんなが寒いと言う為、フライと本体の入り口を閉める。すでに秋ですね。早々に寝るが稜線上のせいか風が強い。次の日も朝から風が強いので2峰まで行き最終判断。途中の3峰などでルートに悩みながらも到着。風が全く治まらず、撤退。残念ですが下りはあっという間で帰途につきました。来年は東稜から登りたい。

 

遂に、私も…

            那津子M

個人山行では初めてのバリエーションルートを経験させて頂きました。

岳沢から明神岳5峰直下でテント設営の予定でしたが、予定より早く到着したので5−4のコルでのテント泊となりました。

夜中にはテントが吹き飛ばされやしないかと少し不安になる様な凄い風が吹き荒れ、何とか朝までに静まってくれる事を願って居ましたが、その願いも虚しく出発時間になってもガスで視界が悪く、風が強くて寒くて堪えられない。それでも何とか予定通り出発しました。一日目のルートは、バリエーションとはいえ5峰直下辺りまではしっかりした踏み跡も在り、分かり易かったのですが、2日目は視界がかなり狭い事もあり、L・SL共にルートファインディングにかなり苦労されていました。初心者の私には全く分からず、何をどう見て『踏み跡が在る』と仰っているのかすら分からない状態でした。バリエーションルートのルートファインディングの難しさ、そして正しい判断をする事の重要性を初めて身を持って体験する事が出来ました。

寒さと視界の悪さ、そして午後から雨予報と言う事で2峰で撤退を決め、ピストンで岳沢へ降りる事になりました。

今回は初心者二人が同行している事で、LのSさんへの精神的なご負担がかなり強かったご様子で、大変申し訳ないと同時に、こんな初心者を同行させて下さり、貴重な経験を積ませて頂けた事に心から感謝しています。本当に有難う御座いました。またSさんとは個人山行では初めてご一緒させて頂きましたが、物静かな印象と違いとてもお話好きで、冒険心溢れた話題がとても面白く、またぜひ今後も楽しいお話を聞かせて頂ける事を楽しみにしています。

帰宅した翌日、遂に私も人生初の全身筋肉痛を経験する事が出来ました。話に聞いて居た「筋肉痛で普通に歩けない」と言う状態を丸一日経験する事が出来ました。この半年間頑張ってきた成果が漸くこうして人生初の筋肉痛を味わう事が出来る程度のほんの少しの筋肉が付いてきた事がとても嬉しく感じられた記念の山行になりました。有難う御座いました。

 

リーダーの覚悟と自信

葵S

個人山行を一回ご一緒させて頂いただけの正直、どこの馬の骨とも分からない女子(プチ熟女?!)をバリエーションへ誘って下さったSリーダー。何かの間違いかとも思ったが、間違いも何かの縁と捉え、ずうずうしくも同行させてもらうことに。岳沢7番の道標から明神岳5峰までの道。途中、下手すると二人もろとも奈落の底に行きそうな痩せ尾根をコンテをしてもらっての通過。人生初コンテの途中、ブルーベリーを発見するも、バランスを崩したら、二人もろとも谷底だと考えると、食いしん坊の私もさすがに手が出ず、横目で見ては、グッと我慢。

一日目は予定よりも少し足を伸ばして5-4のコルをテン場とした。4・5テンのマキシムがやっと広げられる猫の額程のスペースでのテン泊。真横に岩壁が無かったら、テントごと吹き飛ばされるのではないかという位の強い風。強風の中でのテント設営・撤収は、先輩方が口をすっぱくして言っていた「風で飛ばされない様、袋類はしっかりとポケットにしまう事!!」というのを身を持って体感。

二日目、L・SLについて行くだけで一杯一杯であった。ガスで視界が悪い事もあり、途中から稜線の東に居るのか西に居るのかすら自分では理解不能になってしまい、ただただ荷物に振られながらも落ちないように、必死に着いて行くしか出来なかった。お天気にも恵まれず、結局二峰までで撤退となった。女子アナならぬアナ女子としては密かに一番楽しみにしていた岳沢途中の風穴はまた来年までお預けとなった。

途中撤退とはなったものの、怖い場所も幾度と無く通過した。今後、バリエーションに行ったはいいが、ミンミンゼミになって一生涯をそこで終える事の無い様、日々トレーニングに励んでいきたい。と強く感じた山行であった。又、バリエーションルートでは特に荷物の軽量化が物を言うと実感したので、食担としては食糧の軽量化は言わずもがな、使わないコッヘルの指示を出すべきであったと反省している。

バリエーションに初心者を連れて行く時、リーダーはそれなりの覚悟を決め、もしもの時には止められる自信を持って声をかけて下さるのだと思う。`リーダーとは何か?´を深く考えさせられた。今回、心労を覚悟で声を掛けて下さったSさんに、本当に感謝している。

最後に、下界に心配して下さる山行管理の洞井会長をはじめ、留守宅を引き受けて下さったNさんが居るという事は、大変心強いと共に本当に有り難い存在である、と強く感じた山行でもあった。