北アルプス 下の廊下



 

 

 

 

 

<山行日> 2016年10月6日〜8日

(前夜発1泊2日)

<目的>  北アルプス下の廊下を歩く

<ルート> 黒部ダム〜阿曾原〜欅平

<メンバー>

  L   達也W

  SL  哲哉S

  渉外  一美I

  会計  和代T

  会計  きよ子I

  記録  節代K

<記録>

10月6日(金)晴れ

 17:00 東海市役所駐車場発

 21:35 扇沢駐車場着(テント泊)

 

10月7日(土)快晴

 05:00 起床 朝食後テント回収

 07:30 トロリーハ゛ス発

 07:42 黒部ダム着 下の廊下登山口には公衆トイレあり

 07:50 黒部ダム発

 08:10 黒部川に掛る橋通過ダム放流中

 08:57〜9:08 内蔵助谷出合着 ヘルメット、シュリンゲ、カラビナ装着

 10:02 鳴沢小沢通過

 10:27 新越沢を対岸の滝が素晴らしい

 10:45 黒部川の平たい岩にヘリ―ポートの赤丸の印あり

  11:11 別山沢出合 10分休憩

  12:06 白竜峡通過

  12:44〜56 休憩

  13:00 小石が連続で落下場所通過

  13:25 十字峡、剣沢に架かる橋通過

  14:21 半月峡通過

  14:24〜8分休憩

  15:12 東谷長い吊橋通過後、10分休憩

  15:40 仙人ダム通過

  16:52 阿曾原小屋着、阿曾原温泉に入る

 

10月9日(土)曇り〜雨

 04:40 起床

 06:00 阿曾原小屋発

 07:30 雨降りだし雨具着用

 08:00〜15分休憩、弁当を食べる

 08:30 折尾大滝通過

 09:35 大太鼓通過

 09:50 関電トンネル内は真っ暗6分間で通過

 10:19〜10分間休憩

 12:30 欅平着

 13:10 黒部渓谷鉄道で宇奈月着タクシーで扇沢駐車場まで、帰路へ

記録 K

 

友ありて

達也W

 長年の念願かなって、ようやく黒部ダムから阿曽原温泉小屋間の約16.6kの下の廊下(旧日電歩道)を歩くことができた。これで北アルプスの山々峰々に未練を残すことはない。最後に残っていた種池小屋から針ノ木岳の区間も心をゆるし合える仲間と共に数年前に踏破しましたが、この旧日電歩道区間は何回計画しても、諸々のコンデ―ションによって潰れていました。今年も亦天気が安定していないし「もう駄目かな」と心も萎えていたのです。計画されたメンバーの方々はよくトレーニングされていたのに、また中止かと頭をよぎります。数日間は天気予報とにらめっこです。悪天候の時に、下の廊下の千仭の谷を通過はしたくありません。豪雨にでもなれば橋は流されてしまいす。途中からのエスケープルートもありません。1日目阿曽原温泉小屋まで行けても、2日目3日目は如何するか思案のしどころでした。決行日の2日目は予報通り雨です。阿曽原温泉小屋での夕飯時に明日のことを話し合い、ピストンするよりは、水平歩道を経て欅平にエスケープすることに決定しました。メンバーの皆さんは手分けして山の会の遭対部、山小屋へと対応して下さいました。これもまた袂を分かち合える仲間たちのなせる業です。

こんな素晴らしい山仲間たちと行動を共にしたなんて、何という幸せものだろう。

 決行日の旧日電歩道は快晴無風、雲一点もないまさに登山日和。こんな日の明日は崩れる確率は高いのです。歩道にはワイヤーが張られてはいます。しっかり握って歩きました。十字峡の手前で頭上から小石が間断なく落ちてきてヘルメットに当たりました。翌日の雨の水平歩道は、旧日電歩道よりはいくらか余裕があって歩けました。

 

ようやく行けた

 

きよ子I

 私は2年越しの下ノ廊下。今年もお天気が揃わなくて難しいと少し諦めていたが、何と当日は今年一番の秋晴れの晴天。

トレーニングをこなし本番に備え、待ちに待った水平歩道。ワクワクとドキドキが交差する気持ちを抑え黒部ダムのトンネルを抜けるといよいよ登山口。

 最初は極一般的な登山道。内蔵助出会から白滝峡、十字峡、半月峡、S字峡、仙人ダムから阿曽原温泉小屋へと。素晴らしい景色を見渡して歩く間に、峡の名前が付いた理由に納得できた。お天気が良いので足元を気にすることなく歩けるので楽しい。危険と思われる個所はトレーニングで教わった簡易ハーネスに装着したカラビナで、各々確保して進んだ。とても心配した山だったが、メンバーの皆様と心を一つに多くの条件に恵まれて何事もなく歩けた。私は行けない場所と思っていたので歩き通せてとても嬉しい。

トレーニングから面倒見て下さったL、SLさんに心より感謝いたします。

ありがとうございました。

 

 

2年越し、下の廊下

            哲哉S

トロリーの黒部ダム駅を降りて出発準備、天気は良い、ダム下まで一気に下がって渓谷沿いの登山道を歩く、仙人谷分岐でヘルメット・シュリンゲ装着、鳴沢合流点、新越沢合流点、を通過して別山谷出合まで、針金番線の手掛かりのある岸壁をくりぬいて造られた道、丸太橋、梯子が出てくる、深い谷の流れは激しい、垂直の長い梯子下りは怖かったが素晴らしい景観だが1本取りたくても取れない水平歩道、やっと別山出会いで1本になった。

白竜峡、十字峡の間ではバラバラと小さな落石の続く崩壊岩場も,S字峡、黒4ダムの送電線を右に見ながら山腹をトラバース、急斜面を一気に下り東谷吊橋を渡って仙人ダムヘたどり着いた、ダムサイト、立派な鉄筋の宿舎横を通って高度差100m近い急登を登ると山腹のトラバース、これが長く感じた、テン場が見え更にしばらく歩いて登山道が直角に曲がると高度差70m近い急斜面を下って阿曽原温泉小屋に着いた、天気に恵まれスリリングな道を黒部の景観を満喫しながら歩けた、後ろからは心地よい鼻歌も聞こえた。

とても気分よく温泉に浸かり、旨いカレーの夕食、相談の結果、明日はルートを変更して欅平に向かうことになった。

5時起床、コーヒーを飲んで6時出発、小屋の親父さんは「いつ降り出しても不思議じゃない」と話す、温泉を通り抜けいぎいきなりの急登、標高差約140mを一気に登った、朝一の仕事が済めば山腹のトラバース、水平歩道に入る、出発直後1時間で降雨、カッパ着用となった。これから降ったり小やみに成ったりの繰り返し。オリオ谷、志合谷を越える度、右手に今歩いてきた道がつながり「水平歩道」を実感出来る、真っ暗な水浸しの志合谷トンネル、わずか150mの時間が長い。遠く欅平かららしいスピーカーの音が聞こえるがなかなか先が見えない、鉄塔が見えてからも長かった、急坂標高差350mを一気に下って欅平へ、雨で靴の中までグッショリ、急ぎ着かえ13:10発を待った。雨の水平歩道、欅平前の急坂で時間がかかったが無時たどり着いた。

2年越し、念願の下の廊下を歩いて来た、ネットの情報や写真からとても心配したのだが「案ずるより産むが易し」、気持ちよく歩くことが出来た、紅葉にはまだ早いが期待した通りの景観を楽しみながらゆっくりと歩けた。このルート思うように1本が取れない2時間以上歩き続け場面も、これは予測できなかった。

トレーニングでの、本谷の登り、一ノ谷新道の下りと同じシチュエーションに度々出くわした、場所を選んだリーダーの判断にいまさらながら頭が下がった。二日目の雨、ルート変更は大正解。

 

念願の下ノ廊下

             一美I

 待ちに待った下ノ廊下。二年目にして要約足を踏み入れることが出来た。

初めは9月に予定をしていたが、台風で10月に延期。10月も台風18号上陸で諦め欠けていたが6日には通り過ぎOK

 はやる心を押さえ、黒部ダムから下り渓谷へ。ダムから落ちる水しぶきを浴びながら木の桟橋を渡る。始めは平坦で歩きやすいが、次第に険しさが増してくる

黒部別山谷出合に着く頃は、これが下ノ廊下であると全様を見せる。登山道は肩幅ぐらい壁には番線が張られ気が引き締まる。本谷でのトレーニングを思い出し、危険な所はセルフビレイをしながら、白滝峡、十字峡、半月峡、S字峡と絶景を満喫。東谷吊橋を渡り阿曽原温泉小屋へ全員無事到着

 今回の山行にあたり、ご指導頂いたL・SLさんに心より感謝します。

ありがとうございました。

 

黒部の太陽を思う

                 節代K

映画「黒部の太陽」黒部ダム作りで困難な作業の場面を石原裕次郎が主演した。黒部の太陽の舞台は下ノ廊下と黒部ダムです。

今日黒部ダムは観光で多くの人訪れている。ダムからの放水を以前はダムの上から見ました。今回はダムの下から見上げました。阿曾原は数年前夏合宿でテント泊をしました。阿曾原温泉にも入りました。その時は二度とこられないと思ったが今回も入れました。

出発地の黒部ダムから阿曾原小屋までの下ノ廊下コースは長年の願望でした。

黒部ダムつくりのための作業道の下ノ廊下をまず作り苦難な仕事模様は岩がくりぬかれている場所を幾度も見た。犠牲者も出たであろう難工事が、映画でも描かれていた。

そのおかげで素晴らしい渓谷、(深かった)新越谷では落下の長い滝が青空とマッチしていた。白竜峡、十字峡、は下ノ廊下の代表的な景色、目に焼き付けました。また脳も刻まれました。道全てが自然の美しさで目を見張る事ばかりです。

トロリーバスの始発で来たが、登山開始は、7時50分、阿曾原小屋着16時52分、約9時間でした。距離は16.6km、長い行程でした。この間逃げ場所はどこもない。勿論避難小屋等の施設は全くなくここは上級者の登山道と納得出来ました。安易に入る場所ではないと身体で体感できました。

今回もL・SLの方が力量を持ちその仲間の中で大自然の恵みを満喫することが出来ました。メンバーとは事前のトレーニングで歩いた山行、今回の下ノ廊下に役立ちました。このようにして望んだ。下ノ廊下を無事に歩けました。事前のトレーニングから本番まで計画してくださった仲間に感謝いたします。上級者向けのコースを無事に歩けた満足感でいっぱいです。

 

やっぱり凄い所

            和代T

 日本三大渓谷の一つ黒部渓谷の下の廊下山行。黒部ダムから阿蘇原温泉小屋、そして欅平へと歩く。

出発前にリーダーから「自分の身は自分で守ってください。自分自身の責任において」との言葉を頂き身が引き締まる。

登山道は黒部川の流れに沿って、絶壁の岩を削りほとんど水平に狭い道が続いている。梯子の登り下りもある。岩盤には針金番線が取り付けられているので怖さは感じない。

特に狭くなった場所ではカラビナを架け替えしながら通過する。

眼下には豪快な黒部川の流れが続き、いくつもの滝の絶景に感激する。

道を作った方々はどんなに危険な事だったかと頭が下がる。そして毎年登山道の整備をしてくださる方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。

下の廊下本番に向けて一緒にトレーニングをしたのに、家庭の事情や体調不良で参加できなかった方々と喜びを分かち合えなかった事が残念でした。

L、SLそしてメンバーの皆様ありがとうございました。