八ヶ岳 権現岳東稜
期日:201611・4(金)〜11・5(土)
目的: 冬の下見
ルート:美し森〜出合小屋〜権現岳東稜〜権現岳〜天女山〜美し森
メンバー: L 時生S
裕幸T
記録:
11・4(金)
pm7:00 半田 発
10:40 美し森P 着・駐車4〜5台。横にテント張って就寝。寒いのでいっぱい 着て寝る。
11・5(土)
3:30 起床 晴れ
4:10 美し森P 発
5:30 休 堰堤2〜3超えた所・東の端が少し明るくなる
6:10 出合小屋・そろそろ日の出。 無人
6:55 権現沢入口のゴルジュ、想像以上にでかく迫力あり心配した水量は少なく 通れそう
7:10 休憩 ゴルジュをあっさり抜け、出た所のルンゼ左脇、草付きの急斜面 を登る。踏み跡少しあり
7:55 休憩 尾根に出てからも急登続く、赤岳がピカピカ
9:00 休憩 ハイマツ尾根登り切り、すぐ目の前にバットレス。100mを越 えるような大岩壁で大迫力だ。後ろに富士山、もうほとんどが急登続きでく たくた。これで積雪ラッセルだったらどんなに大変か・・・岩場も時々出る が木の幹、根など頼りに登る。ここの登りは「アプローチ」なんかじゃない
9:30 バットレス取付き、ナイフリッジを恐る恐る通過すると草付きの急斜面。 積雪期ならロープが要りそう。目印らしい立木から左に10mほどトラバー スすると少し広い場所有り、左稜線(カンテ)の取付きらしい。ロープ用意 してクライミング開始
10:05 1P 終了 50m・ 岩はゴツゴツ。登山靴でもあまり不安が無いレ ベル。途中残置ハーケンは所々あるが1本ずつで「2本ある」という終了点 が見つからずズルズル伸ばす。40m過ぎてから正面岩下の青い残置ロープ を見つけたがたどり着けず、途中の灌木でビレイ。声も届かない、大失敗で す。
タテちゃんが登った後、そのままリードで行ってもらう。
10:20 2P終了 25m・斜度も緩み楽々終了。あっけなく終わり拍子抜け でちょっと欲求不満。あんなに心配して下見にまで来たのに・・・
10:40 発
10:55 稜線に出る・2人とも疲れがひどく、ツルネ東稜を下降の予定だったが 大事を取り権現から天女山に下る事にする。
11:00 権現岳・風強く寒い。ヤッケはおる。
11:35 三ツ頭
11:40 休憩
12:30 〃 標高2000m標識
1:25 天女山P 着
1:50 展望台(?) 休憩・牧草地の真ん中で赤岳〜権現が一望、天気も良く、 のどかで最高の景観
2:50 美し森P 着・横断道路わきの歩道を延々歩く。結構疲れはしたがこんなに 早く帰って来られるとは予想外だった。
3:10 P発
六時半ころ 半田着
(記録 S)
下見ですが・・・
裕幸T
八ヶ岳東面の雪稜登攀、天狗尾根、旭東稜ときて、次は隣の権現東稜です。どんなところか無雪期に下見に行ってきました。美しの森駐車場に前泊しての日帰り山行、無雪期ですが二ヶ月間のブランクもあり、バリエーションなので行って来られるかちょっと心配。権現沢を詰めていくとゴルジュが現れます。冬は雪の上を歩けるゴルジュも今はまだ水が流れていますが、濡れることなく通過出来ました。ゴルジュを抜けたところから稜線目指し急斜面を登りますが、これがなかなか厳しい。
稜線に出ると快晴、ほぼ無風の絶好のコンディション。右に赤岳、正面に権現東稜のバットレス、後ろに富士山なのですが、実際は喘ぎ喘ぎ這い上がります。とても登れそうにないバットレスは左のカンテを登ります。ロープを出したのは2ピッチのみで、あっけなくバットレス終了。それでもこんな条件の良い日に権現東稜を登ることが出来感無量。雪稜が残ってはいますが、さてどうするか・・・、考えどころです。
権現岳東稜 下見
時生S
八ケ岳の東面、地獄谷エリアに通い出して3年。赤岳天狗尾根、旭岳東稜が終わり、最後に残ったのが権現岳東稜です。稜線直下にはバットレスと呼ばれる大岩壁が立ちはだかっています。下から眺める分には取付く事さえ難しそうな岩壁で、地獄谷4本の尾根でも最難関になりますが、ここまで来たら残しておくわけにもいきません。ただ挑戦するにしても不安は大きく、バットレスはブログ等を見ても想像が難しく一発挑戦する気にはなりません。冬前に下見に行く事にしました。最初の天狗尾根の時も地獄谷自体が未体験ゾーンだったので1人で下見に行きました。もちろん秋と積雪期では別物になるのですが、1度ルート経験しておくのは安心感がずいぶん違います。
冬は泊りになりますが、下見は無理矢理の日帰り。タテちゃんの長期休暇明けを待って積雪期直前になりました。時間は読めませんから前夜で入って夜明け前から動きます。権現沢の入り口で最初の不安個所、大ゴルジュは思ったほど水量が多くなく、難なく抜けて草付きから尾根に取付きます。ブッシュの苦労も心配しましたが、かすかな踏み跡も続きそれもクリア。しかし予想以上に厳しい尾根でした。草付きも低木帯も岩稜も終始きつい登りが続きます。雪も無いのに2人ともヘトヘトです。冬はラッセルになる可能性も大きい(そう人が入る所ではないですから)のに2人で登りきれるのか? 「バットレスどころじゃないぞ!」というのが正直な気持ちでした。
さて問題のバットレスです。下から見上げる正面壁は登るイメージさえつかめません。トポ通り基部から左へトラバースすると左稜線(カンテ)下の取付き部にたどり着きました。もう壁のイメージはありません。八ケ岳の西壁でも見られるようなゴツゴツしたもろそうな岩で斜度もどうにかなりそうでした。クライミングシューズやアイゼンも用意していきましたが登山靴のまま登る事にしました。小さな突起はやはり心配で、なるべくしっかりしたホールドやスタンスを探しながら確かめるようにしてボチボチ登ります。途中の終了点を見つけられずにズルズルとザイルを伸ばしてしまい、50mいっぱい登ってしまったのは失敗でした。もちろん雪や氷が着けば難度も大きく変わるでしょうが、これなら大丈夫かなという感じで、不安感が大きかった分少し拍子抜けという思いであっさりと終了。2人ともずいぶんへばっていたので予定のツルネ東稜をやめ、権現から三ツ頭を経由して天女山へ下りました。日暮れも覚悟で出かけたのですが思いもよらず3時下山。余裕をもって翌日の入道にも行けました。さぁすぐ本番です。ラッセルの不安だけは残りました。「誰か助っ人(ラッセル要員)頼もうか?」などと言う話にもなっていますが どうなりますか・・?