本会は、日本勤労者山岳連盟・愛知県勤労者山岳連盟の加盟山岳会です。

2024.12.28 鈴鹿・鎌ヶ岳

【目的】雪山の歩行訓練
【ルート】 三ツ口谷~鎌が岳~武平峠
【参加者】 洞井孝雄(単独)

【記録】2024年12月28日 晴時々曇
07:20 一ノ谷駐車場発
07:48 三ツ口谷登山口
08:02 小堰堤上部
08:30 大滝下部
09:02 尾根道分岐と合流
09:07 沢筋におりる
09:40 長石尾根分岐
10:50 ガレ末端
11:23 武平登山道と合流
12:00 鎌ヶ岳(1161m)山頂
12:08 下山
12:25 三ツ口谷分岐
13:12 武平峠
13:32 スカイライン
14:05 一ノ谷駐車場着

 踏み跡なし、入山者なし、雪最悪
12月28日。かもしか大橋から先のスカイラインは通行止め。一旦、温泉街に下って、一ノ谷の駐車場に上がる。止っている車は半分ほど。道路には雪は全くない。
 手早く準備をして歩き出す。鎌ヶ岳方面への登山者はなし。三ツ口の登山口に向かう。途中、雪がところどころ現れ始めた。分岐から大堰堤に降り、登山道に入る。むき出しの岩の上を通って流れを跨いで小堰堤に上がる。流れに沿った登山道には、踏み跡が全くなくなった。沢は凍っておらず、赤茶けた岩の上を水が流れている。
 歩き始めて、これは今日は大変だぞ、と思った。雪の表面は固くクラストしているが、体重をかけると雪面が割れ、その下の柔らかい雪の層に足首まで潜ってしまう。靴底が沈みきってからでなければ次の一歩が出せない。足を抜くときは踏み割ったクラスト部分の抵抗に足をとられる。この繰り返しで、新雪より始末が悪く、進むのに時間がかかる。無雪期なら小堰堤の上から10分ほどの大滝まで30分もかかってしまった。 
 大滝の手前左岸から滝の上に上がり、滝を見下ろしながらトラバースし、上部の尾根道に直上する。岩と木の根の間に詰まった雪がガチガチに凍って、手がかりも、靴底が乗せられる場所もない。ピッケルを打ち込んで登った。
 尾根道と合流しても、雪の状態は変わらず。5分ほどで沢筋に降りる。流れの両脇の岩に乗っている雪の下は、岩か、岩の隙間か、見当がつかない。岩と岩の隙間に乗った雪に足を置けば、足は腿まではまり込んで立ち往生し、そのたびに体力を消耗する。こんな登りが続く。長石尾根の分岐まで、駐車場を出発してから2時間半近くかかった。
 一休みしてから歩き出す。分岐からは、ボコボコと雪を踏み抜き、はまった足を抜き出す、その繰り返しで、泣きたいくらいに進めない。
 1時間近くかかってガレの末端に出た。吹き寄せられた雪が風で磨かれたリッジができている。この部分を越えると、ボロボロと崩れやすいガレが続く。登り切って武平峠からの登山道と合流すると、登山道にはトレースが残っているが、どれも深い踏み跡である。踏み跡をたどっても、脇の雪に足を置いても、足は雪面から深く潜って、どちらも足を抜き出さなければならず、疲れた足には堪えた。
 12時、山頂着。先客は、反対側から登ってきたという二つのパーティー。風はなく、低い雲の間に青空が覗いている。景色もよく見えるが時刻はもう昼。すぐに下山を開始する。
 三ツ口谷の分岐、小岩峰を通過しても雪質はかわらず、深い踏み跡が続いている。
 1時間半もかかって、ようやく武平峠に着き、すぐにスカイライン目指して下り始める。やっと雪が少なくなってきた。スカイラインに降りたってから駐車場までは、舗装道路を下った。積雪は足首ほど。途中から、除雪されて乾いた路面に変わったのがありがたかった。
 駐車場に近づくにつれて、それまでの青空が鉛色に変わり、大粒の雪が舞い始めた。
 14時5分、駐車場に戻ってきた。
 2024年の最後に選んだ鎌ヶ岳。年末になってやっと降り始めた雪は、地表面を覆っただけで根雪にもなっておらず、中途半端なひどい状態だった。前後に誰も入っておらず、もちろんトレースもない三ツ口谷で、ひとり悪戦苦闘した師走の一日。

                                  (洞井孝雄)

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